図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

浜松市立図書館駅前分室(静岡県)

とある用事で、浜松に来ました。

JR浜松駅

空き時間を利用して、駅前にあるという図書館に寄ってみます。

あるのは、遠鉄百貨店新館の9階。

エレベータで昇り、奥へ進むと、
これは、、想像以上に小さい。

入口

しかし雑誌は意外に多く、百誌以上。棚の上には分野が書かれています。
新聞も、英字紙含め11紙。

壁沿いにも小さな本棚がありますが、島になっている棚は2つ、4面だけ。
その貴重な棚を「地球の歩き方」始め、旅行ガイドで1面使っています。
文庫本もそこそこ多く、1.3面ほど使っています。
その他は、くらし関係の本が比較的多め。

郷土資料は見当たりませんでしたが、
YAMAHA、KAWAI、Rolandを抱える浜松だけに、音楽資料コーナーもありました。
その横には申し訳程度に、こどものほんも置いています。

入口付近には、お仕事小説の特集コーナーもありました。
実に小さな図書館ですが、好立地ゆえに人はそれなりに来ていました。

統計によると、蔵書数は約5700冊とかなり少なめ。しかし利用者数は、蔵書数が50倍の中央図書館の半分以上。
やはり利用率はかなり高そうです。
2002年に開館、2011年に今の場所に移転とのこと。

ビル9階からの眺めは抜群。図書館に窓はありませんでしたが。

9階からの眺め

新幹線駅構内には、展示スペースがあります。この時はKAWAIの高級ピアノを展示していました。

駅前分室の案内|浜松市立図書館|浜松市

安中市松井田図書館(群馬県)

桜鑑賞と登山のため、群馬県の妙義にやって来ました。
まずは、妙義神社にお参り。

ここは桜の名所とは思っていなかったのですが、ソメイヨシノも枝垂れ桜も見頃を迎えていて、見事。
そして、石垣も見事。神社というより城にしか見えないのですが、元々は城だった、というわけでもなさそう。

本殿は意外にも、日光東照宮のような絢爛さでした。

神社の裏手から登山道が始まります。
4時間の周遊コースの予定でしたが、案内所で聞くと通行止め箇所が多数あり、行けないとのこと。
とりあえず行ける所まで、ということで出発。

鉄製の階段が通行禁止になっており、行けたのは第2見晴まで。ここまでの道は比較的緩いのですが、、

第2見晴からの眺め

折り返して奥の院を目指すと、途中に鎖場が多数。見た目通りの険しさです。

奥の院まで辿り着きました。岩の隙間から日の差し込む祠は、神秘的。

ここまで来たらいっそ、白雲山の頂上を目指そうかとも思いましたが、この先は事故も多発する上級コースとのこと。
元々そこまでの覚悟はしていなかったので、やめておきました。

下りの途中には、京都の五山よろしく「大」の字が。
ただし送り火ではなく、巨大な鉄製。ここも眺望は絶好。

「大」からの眺め

当初予定より時間が余るかと思っていたら、神社に戻った頃にはなぜか6時間ほど経っていました。

車を出し、7kmほど先にある、さくらの里にも行ってみました。
広大な敷地に45種、4000本の桜があり、長期間桜が楽しめるとか。

品種によっては全く花が咲いておらず、正直ピーク時に観るなら妙義神社の方が上かなと。
再び車を出し、妙義ビジターセンターへ。
去年までは美術館だったとかで、確かにビジターセンターらしからぬ装いです。
日本の山を世界に紹介したウェストンは、ここ妙義で日本で初めて冒険的登山をしたとか。その業績が紹介されていました。

山や植物に関する本を集めた、本棚もありました。

閉館は5時ですが、入場は4時半まで。何人かの人が入場を断られていました。この手の無料施設で、30分前に最終入場を設定する意味が分からないのですが、美術館時代の感覚のままなのでしょうか。

三階展望室にも本棚がありました。
ここを図書館として紹介しようかとも思いましたが、ちょっと無理があるので、
5kmほど下った所にある、公共図書館へ。
ほぼアクセルを踏むこと無く、到着。

大きな文化会館の中にあるようです。
背後に走っているのは、JR吾妻線西松井田駅がほど近くです。

ロビーに新着DVD の棚があります。「ライズ&シャトル」なる、安中まち映画があるそうで、そのDVDも置かれていました。
通常のDVD棚には、「アルプスの少女ハイジ」「おしん」など、随分懐かしい作品が。
その間には「司書室」なる扉。あまり見かけることのない文言ですが、要はカウンターの内側。
反対側は、本屋のような面置き棚にリサイクル本が並べられていました。

中に入ると、正面にCDの棚。
続いて、芥川賞直木賞萩原朔太郎賞コーナー、映像化作品コーナー。

左に新聞・雑誌コーナー。
雑誌の最新刊にかかったカバーには、「カメラ撮影禁止」の文字が。
棚の上には、鉄道、特に碓氷峠の鉄道に関する本が置かれていました。
年内にNゲージパークが誕生予定とか。

高めの本棚が、狭いピッチで並んでおり、なかなかの高密度。
閲覧席の中央には、ビニールシートの仕切りが立っています。
少し前までは普通だったコロナ対策ですが、ちょっと懐かしささえ覚えました。
カウンターも大きなビニールシートで覆われています。

郷土資料室は、普段は消灯されています。資料の保護のためとのこと。
中の本棚には、群馬県に関する本が分野別に並んでいます。
群馬のローカル文庫、みやま文庫もしっかりありました。

その入口前のラックに、コンピュータの本がありました。少ないながら意外に技術的な本も。
その横には、「ヤマケイポケットガイド」「図解雑学」「空想科学読本」などややマニアックなシリーズ本を集めた棚が。
窓に向かう閲覧席も、横の席との間にパーティションが。手作り感いっぱいです。

えほんのおへやもあります。
多くの図書館にある割に、あまり使われているところを見ないのですが、ここは珍しく3人の子供で賑わっていました。更に奥にも部屋があるようです。

コミックも充実しています。
ドラえもん」「鬼滅の刃」などの超有名作品、コミックエッセイに挟まれて、「お前はまだグンマを知らない」が地元をアピールしていました。

貸出は本は5冊、CD・DVDは3枚までとやや少なめ。
蔵書数は約9.7万冊。大きいとは言えませんが、活気を感じる図書館でした。
開館は、松井田町時代の1996年。

玄関を出ると、駐車場の向こうには妙義の山々が聳えていました。

安中市図書館・松井田図書館利用案内 - 安中市ホームページ

志木市立宗岡公民館図書室(埼玉県)

4月最初の週末、近年では遅めの開花となった桜を見に、自転車で柳瀬川へ。

走っているのは東武東上線

以前、冬に来た時とは別世界。
東にも西にも桜並木が続いていますが、東の方に行ってみます。

桜並木は途絶えたかと思うと、また先に桜が見えてきます。

柳瀬川と新河岸川の合流する辺りは、公園になっています。
そこにあったのは、旧村山快哉堂。明治時代の商家。
しかしあいにく開館は4時までで、既にクローズ。あと5分早ければ何とか入れたのですが。

その先に広がるのは、いろは親水公園。こちらの桜も見事!

いろは遊学館なる図書館があったり、この辺りでは「いろは」がよく使われています。
調べてみると、江戸時代、いろは樋なる樋があったことが由来とか。

川沿いの桜がようやく絶えたので、川沿いの道を外れると、、
またしても桜並木が!

人工的ながら小川が流れ、せせらぎの小径、なる名の遊歩道。なかなか風情があります。
これまた結構長く、600mほど行った所で道を外れると、
志木市の郷土資料館がありました。
しかしあいにく開館は4時半までで、既にクローズ。あと5分早ければ何とか入れたのですが。

その先にあったのは、宗岡公民館。

宗岡第二公民館には以前行って、志木市の図書館は全制覇したと思っていたのですが、第一にも図書室があるということに最近気づき、いずれ来ようと思っていた所でした。

ロビーには新聞、雑誌、絵本に、リサイクル図書コーナーもありました。
雑誌は30誌ほど。

室内に入ると、まずは新着本コーナーが。
壁沿いはずっと本棚ですが、島になっている棚も3つ。
児童書と言えども容赦なく高い棚に、びっしりと本が収まっています。
更に棚の上には文学全集が置かれていたり。

半分くらいは児童書でしょうか。
志木市いろは文学賞受賞作集もありました。
児童文学が対象のよう。正直、初めて聞く文学賞ですが。今は続いている気配はありません。

残りの6、7割は文芸書。
ごく一部の本には、小中高生にもおすすめ、のシールが貼ってあります。
「ナミヤ雑貨店の奇蹟」「52ヘルツのクジラたち」「神様のカルテ」「博士の愛した数式」など、まあ納得のセレクト。

郷土資料も一応あります。行政資料が中心。
旅行ガイドも少ないながら、地球の歩き方「埼玉」など、埼玉に関する本は充実。
コンピュータの本も百冊足らず。
文庫本コーナーが入口脇にありますが、真反対にも一部置かれていました。

ほどなく閉館時刻の5時となり、退館。
休みは月1日のみのようで、小さいながなかなから頑張っている図書室でした。
開館は1977年と古く、志木市の図書館では最古参のようです。
蔵書数は約2.6万冊。

帰り道、再び柳瀬川へ。
行きは来なかった、志木大橋の南側も行ってみます。
こちらもまた長く、1kmほど行っても、まだ桜並木が続いています。。

このまま東京都まで続いているのかも。日が暮れそうなので、終端を見届けるのは断念しました。

施設案内 | 志木市立図書館

大垣市立図書館(岐阜県)

長い西日本旅行の最終日は、福井から埼玉まで青春18きっぷで移動。
しかし新幹線開通により、福井から敦賀まではJRから切り離されたので、18きっぷは使えません。
福井駅で、ハピラインふくいの切符を買おうとすると、、券売機には長蛇の列。1時間に1本の貴重な電車に乗り遅れてしまいました。お陰でお土産を買う時間はたっぷり出来ましたが。

敦賀からはJR、近江塩津米原と乗り換え、大垣駅で途中下車します。

JR大垣駅

ムーライトながらの終着駅だった頃はよく降りた駅ですが、今回は久しぶりの下車。
まずは、図書館に向かいます。
思っていたより遠く、15分は歩きました。
オーソドックスな感じの、大きな図書館です。

一階は児童閲覧室、雑誌、生活情報コーナー。
旅行ガイドや、旅行エッセイマンガも生活情報コーナーでした。。

小原鐵心の胸像が置かれています。
大垣藩の城代とか。

二階へ上がります。
「日本語を学ぼう」の部屋がありました。
語学書、洋書、日本語学習の本、辞書に、「図書館と本」も、この部屋でした。
洋書は中国語、韓国語の本が数冊あるのみで、ほぼ英語。

一般展示「廃墟をゆく」なるものもありました。

ノベルズ、文庫、新書、東洋文庫の棚があります。
旧人気時代作家の本は、回転棚に入っていました。
新書はレーベル別に棚に納まっています。

棚に入りきらない本が、窓際の収納引出?の上に置かれています。

コンピュータの本は、ビジネスコーナーに。
数は多く、高度な本もちらほらとはあります。
向かいのYAコーナーにも、ラノベの文庫が多数

三階は郷土資料室。
参考図書、郷土資料、行政資料に、個人伝も多数。
キューバ革命の英雄、チェ・ゲバラの伝記まであります。なぜゲバラの本が郷土資料?と思って中を見てみると、訳者が大垣出身のよう。
杉原千畝の本も多数あります。知りませんでしたが、この人は岐阜県の出身でした。
大垣は、「奥の細道」の終焉の地としても知られる所。
芭蕉の本が大量にあるかと思ったのですが、見当たりません。見落としたのかもしれませんが。

奥に展示室がありますが、閉鎖中でした。

四階は歴史研究室、学習室。
歴史研究室は、市史、辞典類が置いているのが見えますが、入り辛い雰囲気。

開館は1980年。岐阜県第二の都市に相応しい、貫禄のある図書館でした。
蔵書数は約37万冊。

その後は、街を少し散策。
図書館を出て東にまっすぐ進むと、八幡神社

この辺りから、水門川に沿った遊歩道があります。
この日は3月の最終日。
大垣で降りたのは、桜がそこそこ咲いているという情報があったから。嘘ではありませんでした。

川には時折、船も通ります。
この旅で行った、柳川のよう。しかしなぜか、乗っているのは観光客ではなく、観光協会スタッフ風の人ばかり。

この辺りが、奥の細道むすびの地。時間が無くて入れませんでしたが、記念館もあります。

意図したわけではありませんが、長い旅の最後の訪問地、ある意味結びの地がここ大垣というのは、我ながら良い筋書でした。

アクセス | 大垣市図書館

福井市桜木図書館(福井県)

福井にやって来ました。一昨年末以来、約1年ぶりです。
2週間前に北陸新幹線が開通したばかり。外資系高級ホテルや新たな商業施設もオープンし、まさに新幹線バブルの様相。福井駅周辺は大いに賑わっていました。

駅西口

駅前の恐竜は、来る度に増えている気がします。
新たに登場したティラノサウルスは吠えまくっていて、子供が怯えていました。

東口にはテラスが作られていました。ここも恐竜づくめ。

越前ガニを咥える恐竜の向こうには、新幹線が停まっています。

やはり恐竜が鎮座する東口広場の向こうにあるビルは、AOSSA。

ここの四階に、図書館があります。

図書館入口

入口を入るとすぐ右に、地域資料の部屋があります。
部屋の前には、紫式部コーナーが作られていました。
詳しくは知りませんが、式部が京都以外で暮らした唯一の地が、福井県の武生とか。
いずれ、放送中の大河ドラマ「光る君へ」で描かれることでしょう。
地域資料は分野別に分けられており、充実しています。
観光大使を務めるという、EXILE橘ケンチ氏の本もありました。
たちばな書店」なるwebサイトを持つ読書家でもあるとか。別途、コラボ企画コーナーも設けられていました。
お市の方や「東尋坊殺人事件」など、縁ある人や土地の小説も多数。

この日は、ふくい桜マラソンの開催前日。その特集コーナーもありました。
桜、マラソンに関する本が集められています。

館内は予想外に広大。
文庫、新書は大量にあります。
旅行ガイドも膨大。入り切らない分は、移動式の棚に入れて備え付けの棚に横付け。
雑誌の棚も、7つも。使われていない所もありますが、二百誌は超えていそう。
その横の窓際には、一人掛けのテーブルセットが並んでいます。
コンピュータの本も豊富。高度な本は見当たりませんが、数はそれなり。

「宇宙の本」コーナーがありました。何の縁かは分かりませんが、子供向け含めて500冊くらいはありそう。

奥の方はティーンズ、児童書。外国語の絵本もあります。
「新幹線がやってきた」なるミニコーナーも作られていました。

大人の本の方にも、「そうだ新幹線で行こう!」なるコーナーが設けられていました。
新幹線というか、鉄道旅行の本が集められています。

古雑誌無料配布なるコーナーもありました。
一人一タイトル3冊以内10冊まで、という少々ややこしいルール。

入口側には、障子風の壁で仕切られた学習室もありました。

AOSSA

開館は2007年。
蔵書数は約25万冊。堂々たる数ですが、これでも市内一ではありません。
なお、本館である市立図書館はリニューアル工事のため、長期休館中。
来月には2年ぶりのオープンだそうで、いつの日か訪れるのが楽しみです。

桜木図書館施設案内

福知山市立図書館中央館(京都府)

この日は、米子から福井まで電車で移動予定。福知山か綾部で1時間以上の待ち時間が発生します。どちらも駅の近くに図書館があるので、充分寄れそう。
どちらに寄るか迷いましたが、遅めの昼食も摂りたいので、飲食店の多そうな福知山で下りることに。

北口には、古い商店街が伸びています。

ネットで調べた中華のお店に行ってみるも、、昼の営業時間がちょうど終わったところでした。
やむなく南口のお店へ。駅前にはSLがあります。

こちらも開いているか怪しかったのですが、、やはり閉まっていました。
結局、駅舎内のチェーン店で食事。

図書館は、駅北口を出るとすぐ。

右が駅、左が図書館

見るからに真新しい施設です。

一階は、こどものほん。

館内中央に、ガラス張りのエレベーターがあります。
二階は一般書、ティーンズ。
「祝 入場者200万人達成!!」のくす玉が吊り下がっていました。
現在の施設は2014年開館、10年かけての達成のようです。

黄緑色の絨毯に、白い丸みあるスチール棚。
窓に向かって学習席が並びます。
大きな窓も縁が丸く、高い所には小さな丸窓も。
よく見ると、あらゆるもののエッジが丸みを帯びています。
改めて見返すと、外観からして丸みをコンセプトにしているのが分かります。

作者名の見出し板は、赤地に白字と個性的。
「サド全集」「ヴァレリー集成」などのシリーズ物の見出しは、色使いが逆。
コンピュータの本は読み物系が多く、技術的な本は少なめ。規模の割には寂しめです。

文庫、新書も横長の棚にびっしり。
と見えましたが、そこまで多くはないかも。

郷土資料は、福知山市と、合併した旧町村、それ以外の三たん(丹波、丹後、但馬)地域と分かれています。
明智光秀コレクションには、小説含めて関連書籍が多数。
大河ドラマ麒麟がくる」の放送もあり、近年急激にイメージが良化している感のある光秀ですが、この地域では昔から英雄。

貴重図書は、鍵付きのガラス扉に入っています。
と言っても古書は無く、「吉継郷記」がやや古そうですが、正直それほど貴重そうに見えないものが多いような。

奥の壁には、市民文庫なるコーナーが。
市民からの寄贈でしょうか。

洋書もありました。
ハードカバーの小説が多数。EVERYMAN'S LIBRARYなるシリーズのよう。
雑誌は、隅の方に150誌ほど。

蔵書数は約26万冊。街の中心にあり、まさに市民の憩いの場、という感じです。

福知山城まで行く時間は無かったので、駅のホームから写真を撮ろうとするも、前のビルが邪魔で構図が今ひとつ。
しょうがないので、電車の窓から撮ろうと、カメラを構えて乗車。

意外に良い写真が撮れました。

中央館|施設案内|利用案内|福知山市立図書館

加藤文太郎記念図書館(兵庫県 新温泉町)

鳥取から県境を越え、兵庫県浜坂駅に到着。

駅前から続く古い家並みを抜けると、

日本海の海岸まで来ました。

小川に沿って町の方に戻っていくと、その先に見えるのは、、

着きました。加藤文太郎記念図書館。

ここには昔、大雨の中を駅から歩いてやって来たのですが、休館だったという憂き目を見たことがあります。以来いつかまた来なくては、と思っていたのですが、ようやく思いを果たせました。
加藤文太郎とは、ここ浜坂の出身、新田次郎孤高の人」で主人公に取り上げられた登山家。単独行を得意とすることで知られました。私が彼を知ったのも、もちろん「孤高の人」から。

館内に入ると、どことなく「山」の雰囲気に溢れています。
本棚の上にある分野名の板は、山の形。

郷土資料は豊富。
兵庫県に関するものは、県内市町村史、隣には鳥取県に関するものも。
裏は旧浜坂町、温泉町、新温泉町に関するもの、但馬に関するもの、と分けられています。
懐かしいカラーブックスの回転棚もありました。 

周りには文庫本、ノベルズ、大型本などの本があります。
文庫はかなり少なく、7割が佐伯泰英
奥に、山田風太郎コーナーがありました。近くの養父市生まれ。
図書館設計者の藤田皓一や、浜坂出身の作家、小山龍太郎の紹介もありました。

児童書も含め、本棚は高め。
四角い館内の各辺には、東西南北が記されています。
これまた、山上の展望台のような感じを演出。

コンピュータの本は、普通。
旅行書も普通。山の本がやや多い気がします。

CD、DVD、 ビデオのコーナーもありました。
全部で千点くらい。子供向けが多めでしょうか。
視聴席1つに、ヘッドホンが4つも付いています。隅には予備のものまで置かれています。

雑誌は50誌ほど。

二階への階段も、どことなく山に登る前の高揚感を掻き立てます、

二階は左に記念図書閲覧室、右に記念資料室。

まず右へ。
自身が撮った写真と共に、加藤文太郎の紹介。
彼の名を広く知らしめた新田次郎も、文章を寄せています。

スキー、カメラなど、加藤の愛用品も展示されていました。

啄いて左の図書閲覧室へ。
山岳に関する本、雑誌が集められています。
雑誌「山と渓谷」は戦前のものから、
「アルプ」「岳人」「岩と雪」のバックナンバーも揃っています。
ガラスケースには、貴重な本が。二人の人からの寄贈のようです。

開架の書棚にも、古い本が多数。
「山岳講座」6巻は1954年刊。
背表紙が判読不能の本は「山日」「アメリカの山旅」。昭和21年。
信濃の旅」は昭和16年。これらの本も貸出可能

加藤の著作「単独行」はもちろん、山岳について多くの文章を残した深田久彌、小島鳥水、大島亮吉の全集も。
孤高の人」は漫画版もありました。
図書の充実には、ふるさと納税の収入も使われているそうです。

入口には、なぜか相撲特集がありました。
4月2日に大相撲浜坂場所が開かれるので、そのためのようです。

開館は1994年。一般の方から寄贈された山岳関係の図書が、この町立図書館の始まりとか。
蔵書数は約9.8万冊。
博物館も兼ね、加藤文太郎の世界にどっぷり浸れる、期待に違わぬユニークな図書館でした。

趣きある小川に沿って、浜坂駅の方に戻ります。

先ほどの岩美駅と同じく、待合室には、ここにも本が置いていました。

少し早めにホームに入ると、ホームに現れたのは何と、瑞風!超豪華列車です。

こんな所て間近に遭遇するとは、思いがけない幸運でした。

短い時間でしたが、大満足の浜坂観光でした。

加藤文太郎記念図書館 | 図書館 | 施設案内 | 新温泉町