図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

さいたま市立片柳図書館(埼玉県)

さいたま市の中でもあまり行ったことの無い、見沼区に出掛けることにしました。
休日に遠出するのは、ほぼ1ヶ月ぶり。
車で出発したと同時に小雨が降ってきましたが、後には退けません。
北浦和駅近くの雑踏を抜け、東に進んでいくと、やがて農村風景が広がってきました。
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所々で稲刈りをしている姿も見られました。

まず着いたのは、さぎ山記念公園。
園内随所に鷺のオブジェがあります。
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さぎ山記念館を覗いて分かったことには、
嘗ては鷺が飛来していたそうですが、現在は見られなくなったとのこと。
今は釣り堀公園になっています。
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脇を流れる小川は、江戸時代に作られた農業用水路、見沼代用水。
沿岸には彼岸花が咲いていました。
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用水路を渡ると、見沼自然公園。
なぜ同じような公園が別の名前で隣接しているのか、謎ですが。
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緑地に立つ銅像は誰かというと、見沼代用水を築いたという井沢弥惣兵衛でした。

少し先にあるのが、見沼くらしっく館と名の付いた、旧坂東家住宅。
無料開放されています。
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この日は、民話を語り聞かせるイベントが開かれていました。

この更に1㎞ほど先に図書館があるので、そのまま歩いて行こうかとも思いましたが、
後のことを考え一旦駐車場に戻りました。
車を出して、数分で到着。
大きなコミュニティセンターです。

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片柳コミュニティセンター

向かいには、いつか行きたいと思っていた日帰り温泉施設が。
まさか図書館の前にあったとは。

図書館の案内の矢印に従っていくと、お洒落なウッドデッキが。
雨上がりなので滑りやすくなっており、足下注意。
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二階に見えるバルコニーの奥が図書館のようです。
館内に入り、階段を上って、図書館へ。
まずは児童書コーナーがお出迎え。

床も棚も木製の、綺麗なインテリア。
カウンターの表記は英中韓を加え、4ヶ国語になっています。
外国人が特別多い土地柄とも思えませんが。

左奥に進むと、CD、DVDコーナー。
西遊記」のDVDがあったので、堺正章夏目雅子が出ていた懐かしのドラマかと思いきや、
中国のドラマでした。
横には「三国志演義」「チンギス・ハーン」と、これまた中国のドラマが。
他にも「チャップリン短編集」「世界名作童話」「世界名作劇場」「トムとジェリー」など、
少々古くて珍しいものが目立ちます。
なぜかDVDの半分は館内視聴用。

その裏は、かなりの数の文庫本。概算で4千冊ほどと見ました。

バルコニーには、テーブルと椅子が置かれています。
あいにくこの日は、雨に濡れているので座れませんでしたが。
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反対側の窓に向かっては、読書席が並んでいます。
コロナ対策で、隣の席との間には、段ボールとビニールで作った手製の仕切り板が。

開放的な造りの代償で、窓に挟まれたエリアの本は、日焼けが目立ちます。
さいたま市の図書館は、コンピュータの本が充実しているというイメージを持っているのですが、
ここの品揃えは可もなく不可もなく。

郷土資料は、埼玉県に関する本が豊富。
北区の図書館で知った大宮出身の漫画家、北澤楽天の「楽天漫画集大成」全3巻がありました。

蔵書数は約7.9万冊。開館は2006年とのこと。
こんな綺麗でお洒落な図書館とは、来る前は想像していませんでした。

一階には、喫茶コーナーがあります。
と言っても、自販機が置いてあるだけの自習部屋。
ホットの珈琲があれば飲んで行きたかったのですが、あいにくアイスしか無く。。
季節の変わり目にはよくあることです。

片柳図書館 - さいたま市図書館

清瀬市立下宿図書館(東京都)

数日前に来たばかりですが、また東京都に来ることになりました。
用事が済んでから、帰り道にある図書館を訪問。
訪れたのは、清瀬市の下宿図書館。
東京と埼玉の境界を流れる、柳瀬川に沿った道を北に進んでいくと、
エメラルドグリーンの、何とも珍しい色の団地が。
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団地を抜けると、川沿いの道は途絶え、大きな市民センターが現れます。
図書館はこの中のようです。

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下宿地域市民センター

駐車場に車を停め、中に入ると、目に入るのは体育館。
図書館はどこにあるのかと一瞬戸惑いましたが、二階という案内を見つけて階段へ。

二階の片隅に、図書館の入口がありました。
足を踏み入れると、想像以上に小さな部屋でした。
そして、かなり古そう。
木のタイルの床にスチール棚の並ぶ様は、昭和の雰囲気。
平日の真昼間ということもあり、お客さんは他に一人もいません。
9月だというのに、蝉の声が響き渡っています。コロナ対策の換気のため、窓が少し開いているからでしょう。

振り返ると、参考図書室があったので、覗いてみます。
参考図書の他、郷土資料、なぜか旅行書もここに置いていました。
新聞、雑誌もありますが、なぜか棚は空。
棚の扉の中に、雑誌のバックナンバーは置いていましたが。
これまた昭和の会議室風の、机と椅子が3セットも置かれていますが、
コロナ対策で、椅子はいずれも使用禁止とされていました。

元の部屋に戻ります。
壁一面が文庫の棚になっており、文庫本はかなり多め。
児童書と一般書のエリアは分かれておらず、同じ棚にまぜこぜに置かれています。
これは珍しい。
よく見ると、完全に混ざっているのではなく、ブロックごとに分かれています。
更によく見ると、同じ棚の下の方が児童書、上の棚が一般書となっているだけ、と気付きました。
なるほど。。限られたスペースを効率的に使うアイデアと言えそう。

蔵書数は約3.6万冊。
いつ開館したのかは調べても分かりませんでしたが、市民センターの開業は昭和52(1977)年とのこと。
図書館の開館もその時だとすると、なかなかの歴史です。

外に出て、周囲を少し散策します。
「150m先 森田家住宅」なる案内が出ていたので、行ってみました。
誰もいない大きなグラウンドの横を抜けると、ありました。
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しかし、「閉館中」の札が。理由は不明です。
元は別の場所から移築されたようですが、江戸時代の建築とのこと。

向かいには打ち捨てられたかのような、しかしよく見ると広い境内の立派な神社。

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八幡神社

別の道で駐車場に戻っていくと、
ビニールハウス、無人販売機などが立つ、のどかな農村風景が広がっていました。
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東京都とは思えない、自然あふれる光景。
埼玉県民からは意外に思えますが、東京都から見ればここは最果ての地ということでしょうか。

清瀬一古いという寺もあったりして、歴史を感じさせるエリアでもあります。

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円通寺

市民センターの目の前の橋を渡れば、川の向こうは埼玉県所沢市
JR武蔵野線の鉄橋も近く。長い編成の貨物列車がよく通ります。

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東京と埼玉を分ける、柳瀬川

ちなみに図書館名でもある町名「下宿」は何と読むかというと、「しもじゅく」でも「しもやど」でも、
もちろん「げしゅく」でもなく、「したじゅく」。
嘗ては、川の対岸にある滝の城の城下町だったそうで、城の下というのが由来でしょうか。

下宿図書館 | 図書館案内 | 清瀬市立図書館

東久留米市立ひばりヶ丘図書館(東京都)

ひばりヶ丘図書館」を名乗る施設は、2つあります。
西東京市のひばりヶ丘図書館を出て、次に向かうは、東久留米市ひばりヶ丘図書館。

駅から南西に1kmほど離れた団地の中、
南部地域センターと書かれた施設の中にありました。
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一階は市役所支所。この日は平日なので、人がいっぱいいます。
役所の支所と一体になった図書館はよくありますが、休日に訪ねることが多かったので、人で溢れる光景は新鮮でした。
一階には、小さな喫茶コーナーも営業していました。
この手の店も、コロナ禍で、或いは単に時間外で休業中の姿をよく見るので、ちょっと新鮮に映りました。

図書館は、階段を上った二階です。

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図書館入口

中に入ってみると、視界に入るのは、児童書ばかり。
「えほんの森」なる、読み聞かせの部屋もありました。
もしかして児童書専門か?と思いましたが、右に進んでいくと一般書エリアになっていました。

白い天井に木目の本棚、という内装は、先ほどの西東京市の図書館と似ています。
こちらの方がやや天井が低く、小ぢんまりとしています。

CDはやや古めに見えます。クラシックが多めでしょうか。

窓際にある雑誌コーナーは、カラフルなスツールが置かれ、
向かいは波型の写真集の棚という、お洒落空間になっています。
その裏には、少量ながら洋書が置かれていました。
郷土資料のコーナーは、先ほどの図書館と違い、書籍が多めでした。

新書の棚は、なぜかPHP新書一色でした。
文庫本の棚は、表が時代小説、裏がその他小説。
ここでも佐伯泰英が大人気のようで、何と「古着屋総兵衛シリーズ」「酔いどれ小籐次シリーズ」など、
シリーズごとに仕切り板が差し込まれています。
最近、佐伯氏の本を別置きにするなど、特別扱いしている所をよく見かけますが、
ここまでしているのは初めて見ました。

現在の図書館の開館は、1996年とのこと。
西東京市ひばりヶ丘図書館が1994年開館なので、ほぼ同時期。
蔵書数は約7万冊。これは西東京市のそれの1/4程度と、差を付けられています。
それにしても、隣り合う自治体で同じ名前の図書館を建てるとは珍しい。
私が知っているところでは、東京豊島区の駒込図書館と、文京区の本駒込図書館という例がありますが、全く同名というのは他に思いつきません。
西東京、東久留米の両市民は、図書館の相互利用が可能なので、
隣の市で借りた本を間違えてこちらに返そうとする人が続出しそう。。

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周囲には団地が広がります

ひばりが丘図書館 - 東久留米市立図書館ホームページ

西東京市ひばりヶ丘図書館(東京都)

埼玉県の外に出たのは、実に2ヶ月ぶり。
所用で東京西部、ひばりヶ丘の町に来ました。
ここには昔、親戚が住んでいて何度も遊びに来ていたので、自分にとっては馴染みの地名です。

駅前にはパルコがあったりして、なかなか都会的。

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駅前

そして、そのパルコのすぐ裏に、図書館があります。
表と裏では様子ががらりと変わり、駅から徒歩1分とは思えない、静かな雰囲気。
高層住宅の一階に、図書館はありました。
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中に入ります。
まず目に入ってくるのは、CDの棚。
朗読、落語、クラシックなどが中心です。
西東京市の中央図書館は、工事のため1年間の長期休館中のようで、
「中央図書館所蔵のCD」のコーナーもありました。

その次は旅行ガイドのコーナーでした。
その裏には郷土資料。行政資料、調査報告書の類が多く、本はほとんどありません。

入口右には雑誌コーナー。
閲覧席にはお年寄りを中心に、多くの人がいました。

カウンター横には、ガラス張りの予約棚コーナーがありました。
予約した本はセルフで取るのでしょう。

奥の方が児童書エリアになっています。
そして最奥の壁一面が、文庫本コーナーになっていました。
その前の閲覧席は、コロナ対策で封鎖されており、机の上が時代小説の文庫本置き場になっていました。

参考図書の席も、封鎖されています。
コロナ禍の今、どうやら館内で座ることが出来るのは、雑誌コーナーのみのようです。
参考図書の方にも、中央図書館所蔵の本が移されてきていました。

コンピュータの本は、量、質ともまあまあと言ったところ。
多読コーナーもあり、薄い英語の冊子が多数置かれています。

開館は1994年とのこと。正直、もう少し経っているかと思いました。
蔵書数は一般書が約12.9万冊、児童書が15.8万冊。
意外に児童書寄りだったようですが、合わせて30万冊近くとは、なかなかの数です。

図書館があるのは駅の南口ですが、
親戚の家に行く時に降り立っていたはずの、駅北口にも行ってみました。

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ひばりヶ丘駅北口

何度も来たとは言え、如何せん40年は前の幼少期の話。
当時とは、駅舎も周りの風景も大きく変わっていると思われ、あいにく記憶が蘇ることはありませんでした。

ひばりが丘図書館 - 西東京市図書館

所沢市立所沢図書館狭山ヶ丘分館(埼玉県)

所沢にひまわり畑があると知ったので、行ってみることにしました。
ステイホーム生活にも疲れ、久々のお出掛け。

まず訪ねたのは、三ヶ島稲荷神社。
カーナビの地図上の小さな表示を見つけて来てみたのですが、思ったより立派な神社でした。
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周辺は茶畑が広がっています。
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神社からひまわり畑へは、一本道のはずでしたが、道路工事のため大きく迂回。
狭い道をクネクネと進み、ようやく辿り着きました。
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しかし、一見して、くすんでいて下を向いている花が多いのが分かります。
見頃は過ぎていたようですが、それでも意外に多くの人が観に来ていました。
時折まだまだ元気な花も。
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再び狭い道を北に向かい、西武線狭山ヶ丘駅近くまで進んで行くと、図書館があります。
しかし近くまで来てから、なかなか辿り着けません。
道が狭い上に一方通行が多く、カーナビと案内看板を頼りに左折を三回繰り返し、
何とか図書館のある狭山ヶ丘コミュニティセンターに到着。
駐車場も広くはなく、車でのアクセスは少々苦労します。
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一階は市役所支所、老人福祉センターとなっており、
図書館は三階の奥の小さな一室でしたが、人は結構入っていました。

まず目に入ったのは、大きな文庫本の棚。
背の低い人には手が届かない高さまで、本が並んでいます。
貸出の多い作家ということで、井川香四郎、稲葉稔両氏、
そして佐伯泰英鈴木英治両氏は別置きになっていました。
新書も、高い本棚にぎっしり揃っています。

昨年公開の映画「おらおらでひとりいぐも」のポスターが貼られていました。
なんと、この狭山ヶ丘図書館でロケが行われたとのこと。
映像化された作品をあつめたコーナーに、芥川賞受賞の原作本も置いてありました。

新聞は6紙、雑誌は40誌ほど。これで凡その規模が分かります。

児童書エリアの本棚は、さすがに低め。
その奥には、絨毯敷の「えほんのへや」がありました。
その横にはテラスがあるものの、非常出口になっていて、通常は出入り出来ないようです。

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廊下から望むテラス

窓は反対側にもあります。三階なので、眺めは悪くありませんが、見えるのは住宅の屋根ばかり。

小さな郷土資料コーナーは、
秩父などの本も少しありますが、ほとんど所沢の資料に特化しており、なかなか濃密。
郷土の歌人、三ヶ島葭子(みかじまよしこ)の本が多数ありました。
この辺りは旧三ケ島村で、まさに地元の人のようです。

コンピュータの本は少ないながら、専門的な本も少々ありました。
旅行ガイドも寂しめ。「地球の歩き方」は20冊足らず。

視聴覚資料は、目録のみが置いてありました。
所沢図書館(おそらく所沢分館)から取り寄せてもらえるようです。

大きな写真集は、段ボールに入って机の下に。ちょっと雑な扱い。

蔵書数は約9万冊。
開館は1984年とのことです。

狭山ヶ丘駅までは数百mの近さですが、やはり道は狭くて混んでおり、車だと少々時間がかかりました。
何ともかわいらしい駅舎が佇んでいました。
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所沢図書館 狭山ヶ丘分館

日高市立図書館(埼玉県)

大滝分館に寄った後、近くの大滝温泉の道の駅で、遅めの昼食。と言うか既に4時過ぎなので、ほぼ夕食。
飲食施設は閉まっているので、併設のコンビニで買ったものを雨中の車内で食べるという、
侘しい食事となりました。

帰りに、秩父市の荒川分館か横瀬町の図書館にでも寄ろうと思っていましたが、
いずれも5時閉館のようなので時間切れ。
大人しく帰途に就きましたが、7時までやっている日高市の図書館なら行ける、という事に気付き、
寄ることにしました。

途中、日高市屈指の観光名所、高麗神社に寄ってみます。
その名の通り、朝鮮由来の神社で、門柱には異国情緒が溢れます。
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社殿は普通の神社とあまり変わりません。
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裏手には、神職を務めてきた高麗氏の屋敷もありました。重文指定。
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図書館はJR高麗川駅の近く、スーパーやパチンコ店、飲食店の並ぶ、比較的賑やかな一角にあります。
駐車場には、市制30周年を祝う垂れ幕が飾られていました。

ちなみに市名の由来は、日和田山と高麗から一字ずつ取ったとか。
昆布やサラブレッドで有名な北海道の地域名と紛らわしくて、正直感心しないのですが、
日本の市として高麗を名乗るのも都合が悪く、苦肉の策だったのかも。

駐車場入口正面には、高林謙三なる人物の銅像が。
製茶機械の発明で名を馳せた人だそうです。
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閉館まで時間も無いので、玄関に向かいます。
施設全体は生涯学習センターとなっており、図書館はその一部という扱い。
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館内の天井は高く、児童書エリアは円錐状、一般書エリアは切妻状の洒落た造り。

カウンターの上には、清流とカワセミを描いた大きな壁画があります。
その前には、最近流行りの、SDGsの紹介コーナーが大きく設けられていました。

参考図書のコーナーは、なかなか充実。
国史大系」など、重厚な本が並んでいます。

その近くには「日高の三偉人」として、先ほどの高林謙三氏の他、
医学書の翻訳で活躍した桑田衡平氏
ハムで知られるサイボクの創業者、笹崎龍雄氏が紹介されていました。 

郷土資料コーナーもその近く。
朝鮮からの渡来人と縁の深い町なので、朝鮮関係の本が充実しているのかと思いきや、
そのような様子は見られません。

視聴覚資料のコーナーには、CD、DVDの他、
LDも置いていました。 館内視聴のみとのことですが、7~80年代の映画が充実しています。

窓の下には、楽譜、洋書なども並んでいます。
全体的には充実した蔵書の中、コンピュータの本は少々寂しめでした。

実は、あえてここに寄りたかった理由が一つありました。
それは、近所の図書館で漫画を借りたものの、そこはなぜか途中の一巻を所蔵しておらず、
調べたところここが所蔵していることが分かったから。
短い残り時間の中、目当ての本を見つけ、頑張って20分ほどで読破。

この日は、雨に濡れたためということで閉じられていましたが、ウッドデッキもありました。
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蔵書数は約19万冊。
開館は平成元年とのことで、市制施行の2年前。
とても綺麗に見えましたが、そこそこ長い歴史がありました。

前述の通り、正面の通りは賑やかですが、北側の裏口は住宅地でとても静か。
日没後は真っ暗でした。

施設案内 - 日高市立図書館ホームページ

秩父図書館大滝分館(埼玉県 秩父市)

昨年に続いて、今年もコロナ禍の夏休み。帰省も昨年に続いて断念。
我慢の夏と言われた昨年には、まさか翌年は更に状況が悪化しようとは、予想できませんでした。
しかし9日間の休み中、家に籠もり続けるのも耐えられず、出掛けることにしました。
県外移動の自粛が叫ばれる中、真面目な埼玉県民が行く所となると、やはり秩父
秩父に行くのは、やはり我慢の連休だったGW以来。
その時は県の西の果ての小鹿野に行きましたが、今回は南の果ての大滝を目指すことにします。

旅気分を盛り上げるためにはバイクで行きたかったのですが、午後から雨という予報が出ているので、
車にしました。
家から約100kmの道のりを3時間近くかけて、秩父市街からも遥か離れた、旧大滝村に入ってきました。
ここには秩父市立図書館の分館があるのですが、雨になる前にもう少し回っておくことにして、
カーナビの地図で目に入った「栃本広場」とやらを目的地に設定。
山梨県まで続く、立派な国道を進んで行きます。

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国道140号のループ橋

国道を外れ、狭い道を進むと栃本集落。
断崖伝いに這いつくばる様に広がる村は、秘境中の秘境の趣き。

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栃本集落

観光地化はされていないので、宣伝すべきかは微妙ですが、秘境マニアには訪れる価値大いにあり
と言って良いでしょう。

よく見ると、只者ではない雰囲気の建物も点在。
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村の中の道は極めて狭いですが、意外に交通量は多め。
なんと、こう見えて現役の国道(こちらも140号)でした。

江戸時代には秩父往還の関所があったそうで、跡が残っています。
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広場の方は、集落から更に山を上った所。

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栃本広場の駐車場

熊出没注意の看板にビビりながら散策しましたが、
人っ子一人おらず、眺望も利かず、交通も極めて不便で、正直何のために作ったのか分からない公園でした。

旧国道を東に進み、村を抜けると、不動滝の案内が見えました。
案内に従って脇道を下っていくと、車道が途絶えてしまったので、車を停めて歩きます。
滝は予想外に遠く、往復一時間ほどかかりました。(実はもう少し近くまで車で行ける道もあった模様)
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そこまで立派な滝でもありませんが、辿り着くのに思いの外苦労したので、感慨もひとしお。

旧国道に戻り、更に進むと沿道にモダンな建物が出現。廃校になった小学校でした。

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上中尾小学校跡

そこから北に、県史跡「上中尾の猪垣」の案内が。
何だか分からないまま行ってみると、やはりよく分かりませんでしたが、恐らくこれのことでしょう。
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動物除けの石垣です。

再び車を走らせ、新国道に戻り、小さな橋で荒川を渡ると、ようやく図書館に到着。
昼過ぎに来るつもりが、閉館時刻4時の目前になってしまいました。
予報では昼から降るはずだった雨も、この時間になりようやく降り始めました。
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かなりの田舎でありながら、駐車場は立体。
近くにある道の駅も、駐車場はこのような造りです。
川伝いに広がる村に、如何に平地が乏しいかの表れでしょう。

役所の支所、公民館と一体になった大きな建物。
その二階の奥に図書館がありました。
扉を開けて入ると、無人で電気も点いていません。
しばらくしたら職員の方が現れ、電気を点けて下さいました。

部屋は意外に広いのですが、
本が並ぶのは基本的に壁沿いのみで、部屋の真ん中には絵本、CD、DVD、雑誌が少々あるのみ。
他には閲覧席として丸テーブルが3つ置かれているだけで、良く言えばゆったり、悪く言えばスカスカ。
床面積に本棚が占める割合の低さは、今まで見た中でも最高レベルではないかと。

文芸書が比較的多めですが、大活字本も、文庫本、単行本もごちゃまぜに置かれています。
徳川家康」「坂の上の雲」「竜馬がゆく」などの古い長編小説が、文庫でなく単行本で並んでいます。

一般書には、秩父に関する本が目立ちます。
郷土資料コーナーは特に無く、一般の本の各分野に混ぜているようです。
「文芸埼玉」も文芸書に混ざっていました。

CDは2、300枚、 DVDは40枚くらい。
DVDはジブリ作品の他、KADOKAWA「世界名作シネマ全集」が置かれているのが珍しく、目を引きました。

他に目を引いたのは、
ぎょうせい「ふるさと文学館」「日本の民話」「世界の民話」「日本の郷土料理」、
筑摩書房「江戸時代図誌」、富士書苑「大東亜戦史」など、あまり見かけない渋い全集物が多いこと。
蔵書数は約5千7百と寂しめながら、品揃えや配置が個性的で、
かなりガラパゴスな感じの図書館でした。
ここは元中学校らしく、当地に移転してきたのは2018年とのことで、まだ最近のこと。
閉館が4時という早さもさることながら、休館日が土日祝というのも変わり種で、
だからこそ通常の週末でなく、夏休み中に来る必要がありました。

図書館への橋が架かっているのは、ちょうど荒川と中津川の合流地点。
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両者で水の色が全然違うのが面白いです。

各館案内 大滝分館 | 秩父市立図書館