お昼前に熱海の街に到着。
熱海を訪れる観光客は数多かれど、図書館を目当てに来るのは
私くらいかもしれません。
図書館の場所がよく分からないままバイクを走らせていると、
熱海梅園の案内看板を見つけたので、まず梅園に行くことにしました。
前日出発した時は意識していませんでしたが、ちょうど梅祭りを開催中とのことで、
素通りするわけにはいきません。
駐車場は込み合っていますが、バイクは待たずに入れました。駐車料金は300円。
普段は無料の梅園も、祭り期間中は入場料300円。
その代わり、中にある澤田政廣記念美術館は無料公開されていました。
まだ満開までは時間があるようでしたが、
大道芸、甘酒サービスなどをやっており、賑わっています。梅を堪能した後、図書館を目指しますが、
図書館にバイク駐輪場があるか分からないので、ちょっと遠いですが歩いて行くことにしました。
GoogleMapによると徒歩15分のはず。
来宮駅の前を通り、ついでに來宮神社にお参りもして、思ったより時間がかかりましたが、
図書館が見えてきました。
三、四、五階が図書館との看板が出ています。
中に入ると、どうやらそこは四階で、メインフロアの模様。
まず目に入るのは、広い窓。そこからは熱海湾が一望!
と言いたいところですが、高層マンションによって視界がかなり邪魔されています。
でもその合間からは熱海湾と温泉街がしっかり眺められ、
夜の眺めはいかばかりか、と想像が膨らみます。
五階に上がると、児童室でした。この時は、スタッフも含め誰もいませんでした。
三階に下ると、作家研究、文学全集の充実ぶりが目につきます。
湯川秀樹、田中正造など、作家でない人の全集も。
ここもスタッフはおらず、どうやら四階にしかいないようです。
書棚を見て回っていて気付くのは、全体的にとにかく古い本が多い、ということ。
閉架書庫に収まっていて然るべきの、昭和30年代、40年代出版の本が、
普通に新しい本に紛れて書棚に並んでいます。
私が見つけた中で一番古かったのは、カールマルクス「哲學の貧困」昭和22年刊でした。
理工系のコーナーも例外でなく、1960年代のブルバキ「数学原論」などが並んでいました。
市民図書館と言うより大学図書館のようです。
来る前は、熱海は観光都市なので、あまり力を入れられていないちっぽけな図書館なのでは、
という想像をしていました。
実際、日曜日の昼間にしては、お客さんは随分少なめでした。
しかし、置かれている書物のクラシックさからもわかるように、歴史と伝統を誇る図書館のようです。
公式サイトで調べたところ、大正4年開館で、今年で105年!
坪内逍遥らの寄贈した本に端を発するとのこと。
館内随所に描かれた「坪さん」という、謎のマスコットキャラクターの由来もわかりました。
一番下の階に降り、入った時とは反対側から出ます。
どうやら東京電力のビルを間借りしているようで、
こちらから見ると、如何にも東京電力ビルという不愛想な外観でした。
小さいながら駐車場、バイク駐輪場ともありました。
少し歩くと温泉街、商店街。
ネットで調べた、安い温泉がすぐ近くだったので、入浴。
とんでもなくレトロな温泉旅館の熱い湯でさっぱりすると、時刻は3時過ぎ。
商店街の中を、梅園に向かって歩き始めます。
川沿いに咲き誇る梅も見事、と思ったらこれは桜、早咲きの河津桜でした。
<番外編に続く>