図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

清瀬市立中央図書館(東京都)

今日は、清瀬市にある病院への通院の日。
待ち時間の合間に、病院から徒歩数分の所にある図書館を訪ねました。

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市の中央図書館ですが、住宅街にひっそりと、小じんまりと佇んでいます。

新型肺炎の影響で、営業を取りやめた図書館もあると聞きますが、
ここは開いてくれていました。

入口を入ると、右手には、視聴覚資料のコーナー。
背中のすっかり色褪せたVHSビデオが、大量に置いてあります。
CD、カセットテープも置いています。

左手は新聞、雑誌コーナー。いずれも種類は少なめです。

奥には一般書のコーナー。
文庫本は壁沿いにずらりと並んでおり、結構な数。
タイトルの文字ごとに仕切りがありますが、仕切り板に「SF」と書かれているものがあります。
SF小説だけ集められているのかと思いきや、分類符号だったようで。
よく見れば、文庫本は全てSFになっていました。

階段を上ると、二階は参考図書、ティーンズ、郷土資料など。
郷土資料の隣に、結核関連資料コーナーがあります。
清瀬は、昭和初期に結核の療養所が建てられ、以来療養の地というイメージが定着してしまい、
今もこの地には、大病院が集積しています。
まさに清瀬市の図書館ならではの特色でしょう。

結核の正しい知識」「結核を恐れるな」など、昭和二十年代に刊行された
貴重な本が置かれています。
このような結核自体を扱う本だけでなく、結核に苦しみながら優れた作品を残した作家の本も集められていました。
石川啄木正岡子規宮沢賢治あたりは、結核に倒れたこともよく知られていますが、
他にもカフカ吉村昭藤沢周平織田作之助丸山眞男なども結核に苦しんだようです。

一階に戻ると、入口正面には、清瀬市の作家コーナーがありました。
俳人石田波郷
この人は清瀬出身ではなく、療養所に入院した縁で清瀬に作品を残したようです。
小説家、上田三四ニ。
この人もやはり出身ではなく、療養所に勤務していたのが縁とのこと。
やはり清瀬の歴史は、結核療養所なしには語れないようです。

蔵書数は約12万冊と、あまり多いとは言えません。
しかし人口7万、面積10平方kmほどの清瀬市に、計6館もあるそうで、
これはかなりの図書館密度と言えます。
病院通いが続く内に、いつか全館制覇しなくては。。

それにしても、世間は新型肺炎の話題一色の今。
お話し会やDVD上映などのイベントは中止になったようですが、
職員にもお客さんにもマスク姿は目立つものの、
何事も無いかのように営業している様にはほっとしました。

と思ったのも束の間、、どうやらここも、金曜日から臨時休館に入るとのこと。
図書館巡りの趣味も、しばらく小休止になってしまうかもしれません。

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