磐田の街を出て、昨秋から無料化されたという遠州大橋を渡り、
浜名バイパス、国道23号に、一部高速道路も使い、三重県に入りました。
この辺でも一つ、寄っておきたいところ。
wikipediaによると、三重県の市立図書館では一番の蔵書数を誇るという、
四日市市の図書館に寄ることにしました。
カーナビを頼りに進みますが、目的地に近づくにつれ、狭い路地に誘導されてしまいます。
本当に合っているのか不安になりつつも信じて進むと、見るからに新しくは無さそうな、
無骨な図書館が見えてきました。
入口の館名を記す字体が、歴史を物語っています。
ここにできたのは1970年代ですが、その始まりは明治に遡るという、歴史ある図書館だそうです。
近鉄湯の山線のガードの脇、中心地ではないけど郊外という程でもなく、
駅近でも大通り沿いでもない、微妙な立地。
なので無料の駐車場もありました。
中に入ると、数時間前に寄った磐田市の図書館と同じく、天井が高い。
そしてここもプロペラのような扇風機が回っています。
壁面は、二階分の高さが一枚という、巨大な窓ガラス。
どうやって作って、どうやって運んでくるのやら、気になってしまいます。
おかげで館内はとても明るいです。
館内には、昔ながらの無骨なスチールの本棚が並んでいます。
しかし、県下一の蔵書数、というほどの冊数とも見えません。
カウンター脇の、書庫への扉が開いていたのでちらっと覗くと、
そちらの中にも同じ様なスチール棚が並んでいました。
恐らく書庫には、膨大な本が納められているのでしょう。
館内の螺旋階段で二階に上がると、郷土資料室と閲覧コーナー。
歴史ある図書館だけに、郷土資料は充実しています。
反面、漫画や視聴覚資料なと、今風のジャンルには弱そうです。
雑誌コーナー横の目立つ所には、
人権の本を集めた大きな棚が。
関西に来たことを実感させますが、ここは特にこの分野に力を入れている模様。
実は室外の入口脇にも階段があり、
こちらからも上階に上がれるのですが、
ここから行く二階と先ほどの二階は繋がっていないという、不思議な構造。
こちらの階段の壁には、四日市の歴史や出身者を紹介する写真パネルが展示されています。
二階には、郷土作家コーナーがありました。
丹羽文雄、伊藤桂一、田村泰次郎、近藤啓太郎、の重鎮四氏は、
ガラスの陳列棚の中に著作物が並べられていました。
やや新しい世代では赤瀬川隼、上前淳一郎など、
もっと新しい世代だと伊吹有喜、エッセイ漫画のたかぎなおこなど。
随分多彩な作家を輩出しているものです。
三階は学習室、リサイクル本のコーナー。
ただし学習室は、コロナ対策で閉鎖されていました。
時折、コロナ対策で扉を開けて換気しています、ご協力願います、とのアナウンスが流れていました。
この日は暖かかったので、誰も文句はないでしょう。
花粉症の人は困るかな。
先に書いた通り、やや分かりにくい場所にありますが、少し先の大通り、
柳通り沿いにはお店や食事処が並んでいます。
実は街の中心、近鉄四日市駅からも1kmほど。散歩がてら、ブラブラと歩いてくるのも良さそうです。