図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

潮来市立図書館(茨城県)

この日は、香取市佐原の中央図書館を目指していたのですが、
閉館の17時までに着けそうになくなって来たので、断念。
急遽、やや近めの成田市の図書館に行こうかとも思いましたが、これも17時までなので余裕無し。
そこで、佐原の次に行こうと思っていた、19時まで開いている潮来市の図書館に向かうことにしました。

坂東太郎こと利根川を渡ると、茨城県
と思っていたら必ずしもそうではなく、また千葉県に戻ったり。意外にこの辺りは県境が入り組んでいます。

霞ヶ浦を横目に、そこから注がれる常陸利根川を渡ると、間もなく潮来市の図書館。
県道から少し坂を上った所にありますが、このアクセス路はかなり狭いので要注意。
でも駐車場は広いです。
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ここには5年ほど前の冬、ツーリングの途中に一度来たことがあります。
先日訪れた小諸図書館が、2018図書館建築賞を受賞しており、過去の受賞館を調べたら、ここが2008年に受賞していることを知りました。
それから僅か数日後に再訪することになろうとは。

玄関を入ると、まずコロナ対策で入館者情報記入用の紙が置いてありました。
図書室までは、更に廊下が続いています。
その壁には、コロナ対策あれこれのイラスト展示。
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図書室の入口には、当然のようにアルコール消毒液がありますが、足踏み式。
ペダルを踏むと、連動するバーがボトルの蓋を押してくれる仕組み。先日テレビで紹介されているのを見ましたが、実物を見たのは初めて。

二階から一階にかけて、帆のように微妙なカーブを描く、大きな天井が広がります。
簀の子のように、木の柱材が張られています。
階段の壁も障子風で、全体的に和のテイスト。

館内の撮影をしてもいいか聞いてみると、「撮影許可」の腕章を貸してもらえました。

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館内の様子(1)

奥の方には、「ふるさと文庫」という、地味な文庫本を並べた回転式の棚がありました。
筑波書林なる、茨城県のローカル出版社のようですが、400冊ほども揃っているのは圧巻。

その近くには、「海老沢文庫」なる棚がありました。
NHK元会長、海老沢勝ニ氏がここ潮来の出身だそうで、
さすがNHKと言うべきか、大河ドラマの原作本などが並んでいます。

鹿島アントラーズのコーナーもありました。
鹿嶋市だけでなく、潮来市神栖市行方市鉾田市がホームタウンになっているそうで、
内田篤人選手ともう一人(誰かは忘れました。。)のサイン色紙と共に、
広報誌、関連本、記事のスクラップ等が置いてありました。

DVDは、ドラマが豊富。
「24」「プリズン・ブレイク」等の海外物から、
あまちゃん」「ひよっこ」「おしん」「龍馬伝」等。ここにもNHK会長の根強い影響が。
20枚ほどですが、珍しくブルーレイも置いていました。

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館内の様子(2)

二階は学習室、ギャラリー。潮来出身の画家、版画家の作品が懸けられていました。

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中庭

中庭を見下ろしつつ進んだ先には、郷土資料展示室の扉がありました。
照明も暗く、締まっているのかと思いましたが、鍵は開いていたので入ってみます。
資料室というより、小さな博物館でした。
土器、古道具の他、潮来を舞台にした映画「娘船頭さん」の撮影スナップ等がありました。主演は美空ひばり
なぜか古いカメラ、ビデオ撮影機、家電類等も展示。
しかし、エアコンが止まっていて暑い。。
本当に入って良かったのでしょうか。

蔵書数は約10万冊とのことですが、その数字以上に充実している印象がありました。

日も暮れかける中、図書館を出て西に数分歩くと、権現山公園がありました。
ここからは霞ヶ浦が一望。

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夕暮れの霞ケ浦

JR潮来駅近くのあやめ園は、灯籠でライトアップされていました。LEDなのか、光の色は七変化。幻想的な光景でした。

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光の色は、数秒おきに変わります

二度訪れ、二度ともあやめのシーズンでなかったのは残念ですが、
川、湖、運河が入り乱れ、海も意外に近く。
水郷と呼ばれるだけのことはある、風情ある街です。

潮来市立図書館