図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

銚子市公正図書館(千葉県)

前夜は、旭市の道の駅で車中泊
窓を閉めると暑くて堪らず、開けると蚊が入ってくる、とお世辞にも快適とは言えない夜でした。
朝5時に起きると、外は霧で真っ白。

早朝の人のいない内に犬吠埼でも行こうかとも思いましたが、
この霧では何も見えそうにありません。
とりあえず、6時からやっているという銚子市内のファミレスを目指して、車を出しました。

ドリンクバーでたっぷり水分補給した後、市内を軽く散策。
それにしても、事前の期待通り、埼玉とは比べ物にならないくらい涼しいです。
海からの風が熱気を吹き飛ばすのでしょう。
醤油工場から仄かに流れる醤油の香りを嗅ぎつつ、
経営危機を逆手に取って何かと話題を提供してくれる、銚子電鉄にも一駅だけ乗車。

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仲ノ町駅にある車庫

電車に乗るのは、というか自分で運転しない乗り物に乗るのは、実に半年ぶりでした。
ちなみに、仲ノ町のちっぽけな木造駅舎では、駅員さんが名物濡れせんべいなどを売っていましたが、
ここが銚子電鉄の本社だったというのは後で知りました。。

開館時間の9時を過ぎたので、銚子市の公正図書館に向かいました。
銚子の中心を東西に貫く、県道244号線の傍。
最寄り駅は銚子電鉄の仲ノ町だと思われますが、銚子駅からも徒歩十数分で行けそう。
市立図書館ですが、わざわざ名前が付いているだけあって、由緒を感じさせます。
予想通り、クラシックな荘厳なビルが構えていました。

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旧、公正図書館

しかし現在はこれは図書館ではなく、シルバー人材センターなどが入っているようです。

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旧館の入口

中を通り抜けると、現在の図書館は、すぐ裏にあります。
新館、と言っても、これも築4、50年は経っていそう。

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新、公正図書館。と言っても結構古い。

入口にはスタッフの方がいて、貸出はできるが、館内でゆっくり閲覧や滞在はできないと説明を受けました。
名前や連絡先を入館票に記入して、入ります。

本棚は昔ながらのスチール製。
地震対策でがっちり固定されています。
内装と同じく、置かれている本も、古めのものが多いです。

コロナ対策で、椅子は全て撤去されていました。
長居はできない雰囲気。

二階には、郷土資料室などがありました。
「玄蕃日記」「銚子の醤油に付いて」など、書籍ではなく、古文書を活字に起こした冊子が置いてありました。
地元の豪商が代々「田中玄蕃」を名乗ったそうで、
銚子で醤油製造を始めたのも、この一族だそうです。

CD、DVDは少しあるだけですが、
銚子電鉄の車窓DVDはしっかり置いてありました。

ネットで見つけた情報だと、蔵書数は約13万。

観光名所の1つにしても良い、貴重な建築だと思うのですが、
市にはそんな考えは無いのか、観光パンフレットにも載っていません。
図書館の公式サイトにも歴史についての記述が一切無く、詳しいことが分からないのは実に残念。

wikipediaの「銚子市」の記事に、新館は1983年開館との情報がありました。
正直、もっと時間が経っているかと思いました。
潮風が吹き付けるので劣化が早いのでしょうか。
銚子の町自体に、時が止まったように淀んだ空気を感じるのですが、
(決して悪く言っているのではなく、このレトロ感が私は好きなのですが)
それも地勢的な影響でしょうか。
上述の通り、行政のやる気の乏しさも一因かと思いますが。。

銚子の最大の観光名所と言えば、犬吠埼でしょう。
霧も晴れてきたので、行ってみます。
その前に訪れた銚子ポートタワー売店は閑散としていましたが、ここはコロナの影響も感じさせないほど賑わっていました。

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白いポストと、犬吠埼灯台

銚子市生涯学習ガイド〜銚子市公正図書館〜