菖蒲図書館を出て、巨大ショッピングモールに寄った後、次に目指すは、
なぜかここ久喜市に建つ県立図書館。
1月に訪れた熊谷図書館と担当分野を住み分けており、
久喜の方は自然科学、技術、芸術、言語、文学が担当とのこと。
久喜駅から西に500mほど、農地と住宅地の狭間に、
古びた、でも熊谷の方よりはやや新しそうな図書館がありました。
一階はロビーと児童書室、三階は会議室、事務室などなので、
一般書は二階の1フロアのみ。
室内に入ると、まず目に入ったのは、
どういう脈絡か、「ベートーヴェンの残した文字」なるガラスケース。
中には、自筆の楽譜や手紙が展示されていました。
右手には視聴覚資料のコーナーがありました。
CDはクラシックだけでなく、ロック、ポピュラーも置かれていました。
DVDは資料的なものが多く、映画はほとんどありません。
その代わり、ビデオディスクという名で、古い映画のレーザーディスクが少々置いていました。
ふと、レーザーディスクというのは、パイオニアの登録商標だということを思い出しました。
熊谷図書館と同様、ビデオディスクという聞き慣れない名を使っているのはそのためでしょう。
文芸書については、普通の小説類は並の図書館レベルですが、古典類は豊富。
文庫本も置いてあり、海外ものについてはかなりの数ですが、日本の小説は少なめ。
しかも古めのものが多く、平均すると出版後30年という感じ。
しかし、実質1フロアしか無いと知った時はどんなものかと思いましたが、
扱いを絞っているだけに、他の分野はいずれもかなりの充実ぶり。
数学、物理学などは、大学の教科書的な本が多数並んでいます。
公共図書館でこんな所はなかなか無く、大学図書館を思い出させます。
もっとも大学に行っていたのは二十数年前なので、記憶が朧気ですが。。
コンピュータ関係も、プログラミングの本はあまり見当たりませんでしたが、通信工学関連は充実しています。
医学書も豊富で、妊活、認知症などの特集コーナーもありました。
雑誌も県立図書館らしく、見慣れない学術系のものが目立ちますが、
やや硬めながら、「キネマ旬報」「山と渓谷」「ジャズライフ」「モーターマガジン」などの普通の雑誌も置いていました。
この図書館、蔵書数は約57万冊で、開架にしているのは内11万冊。
95万冊という熊谷図書館には負けますが、並みの市立図書館とは格の違う蔵書数です。
開館は昭和55年とのこと。やはり熊谷より10年ほど若いようです。
新型コロナ対策で、1時間おきに換気します、滞在は長くても3時間までにしてください、
とのアナウンスを聞きながら外に出ると、今にも降り出しそうな怪しげな雲行きになっていました。
北隣には、日曜日なので閉まっていましたが、久喜市公文書館があります。
市で立派な公文書館を持っている所はあまり聞かないので、県の施設の間違いではないかと思いましたが、
堂々と「久喜市」と書いてあるのでそうなのでしょう。
西隣には久喜市役所があり、ちょっとした官庁街を形成しています。
当初は、県立図書館が何故さほど大きな街でもない久喜市に?と思っていましたが、
実はこの街、JR東北線と東武伊勢崎線、駅は無いものの東北新幹線も交差する交通の要衝。
そう言えば高速道路でも、近年開通した圏央道が東北道と繋がるのは、ここ久喜。
県東では重要な拠点なのかもしれません。