図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

豊能町立図書館(大阪府)

園部を出て、次に向かうのは大阪の吹田。
電車だと京都経由の長い旅路ですが、車なら都会を避け、山の中を通って一時間少々で行けそうな距離。

府境を越え、ハイキング客で溢れる妙見山のケーブルカー駅の脇を通り、豊能町の中心部に入りました。
小休止で、ここの図書館に寄ることにします。

公民館の広い駐車場に車を停め、目に入った図書館っぽい建物に行ってみると、、、やはりこれは公民館。
GoogleMapで調べると、図書館は隣にあるようですが、こことは反対側。
どう行けばよいのか分からず、一か八か公民館の中に入り、二階に上がってみると、別の出口を発見。
そこを出るとまた別の建物がありましたが、これはイベントホール。
脇の道を更に進むと、上に向かう階段があり、
それを昇っていくと、ようやく、レンガ造り風の小綺麗な図書館に辿り着きました。
f:id:n344sj:20200922225142j:plain
思いがけず、軽いハイキング気分を味わってしまいました。
図書館の前には数台分の駐車スペースしか無く、やはり車で来ると少々運動しないといけない様です。

入口の前には、「晴れの日限定、リユースフェア」と称して、不要になった本が置かれていました。

コロナ対策で、滞在は30分までに、とのこと。
館内の椅子もほとんど使用禁止になっており、やや緊張感が漂います。

右手は大きな児童書室、奥が一般書の様です。
ガラスケースに、小さな天狗の面が並べられていました。
妙見山に天狗伝説があるのかと思いましたが、そういうわけではなく、下町風俗展としての展示だったようです。

カウンター横には、カラーブックス専用の回転棚がありました。
文庫サイズのカラー写真満載のシリーズ。
3、40年前はよく見かけたものですが、最近はめっきり見なくなりました。
昔の馴染みの本に巡り合えるのは、嬉しい限り。

視聴覚資料も置いていますが、かなり寂しめ。
CDはクラシック、浪曲、朗読、落語等が中心で、ポピュラー系はほとんど無し。
DVDもドキュメンタリー系、児童向け等で、映画はほとんど見当たりませんでした。

郷土資料室は独立した部屋になっており、新聞もここにありました。
行政資料、町史などの他、妙見山ハイキングの本や、「能勢電鉄100年史」も置かれていました。

f:id:n344sj:20200922225227j:plain
図書館に上る、階段からの眺め

山に囲まれた狭い土地ですが、周囲は住宅地が広がっています。
新しい街の、新しい図書館、といった趣き。
この辺りが豊能町の中心部かと思いきや、実はここは旧吉川村。
豊能町役場は、山を隔てて5㎞ほども離れた所にあるようです。
しかし、鉄道が通り宅地化の進むこの辺りが、実質的な中心地と思われます。

ネットで調べても、開設年ははっきり分かりませんでしたが、
数年前に町制40周年、図書館開館30周年の記念事業があったとの情報が。
豊能町の町制施行が1977年なので、図書館は1987年開業ということになりそうです。
Wikipediaには、「利用率が非常に高く、かつては全国一を誇ったこともある」との情報も見つけました。

最寄り駅は、西に1㎞弱の能勢電鉄ときわ台駅でしょう。
妙見山の参拝客目当ての鉄道が、都心への通勤電車になるとは、100年前の創業者は想像していなかったのでは無いでしょうか。

まだ先の予定があるので、そもそも30分が滞在期限なので長居もせず、再び車を出します。
ここまでの道のりは順調でしたが、有料トンネルを抜け大阪平野箕面の街に入ると大渋滞。
延伸工事の進む北大阪急行電鉄線の断片を横目に、苛々が募ります。
園部から吹田まで一時間少々、というのは、見込み違いでした。

豊能町立図書館 施設案内