図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

飯田市立中央図書館(長野県)

阿智村を出ると、ほどなく飯田市に入ります。
昨夕、東名の豊川ICを降りて以来、山中の寒村ばかりを通ってきたので、大都会に思えます。
中心部の街路樹には、林檎がたわわに実っていました。

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りんご並木

飯田に来たことは何度かありましたが、こんなのを見たのは初めて。
この季節に来たことは無かったのかも。

やがて着いた中央図書館は、
外壁の改修工事中で、鉄骨の足場で囲われていました。

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現在工事中

図書館と道路に挟まれた狭い空間が駐車場になっていますが、工事のため使用不可。
少し離れた美術館博物館の駐車場が、臨時の図書館駐車場になっていました。
ついでにこちらも見学したかったのですが、この日は休館日。
車を停め、すぐ先に見える長姫神社にお参りしてから、図書館に向かいます。

左隣の小庭を覗くと、根羽村の図書館で話をした同好の士?に聞いた、赤門がありました。
正式には、飯田城の桜丸城門だそうです。
そして、その傍には、図書館の昔の門柱がひっそりと建っています。
古い歴史を感じさせ、入館前に否が応でも期待が高まります。

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赤門と図書館の門柱

向かいには、図書館以上に荘厳な建物。何かと思ったら、現役の小学校。
国の登録有形文化財でもあるようです。

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追手町小学校

いざ、図書館に入ると、まず目に入ったのは、
「飯田 写真で比べる今昔」の写真展示でした。

館内を見渡すと、独特の空気感に圧倒されました。
二階(と思ったら実は中二階)が見渡せるのですが、
幾つもの階段を少しずつ上っていくようになっており、何とも複雑な構造。
まるでお城の様で、冒険心をそそられます。子供も喜びそう。
写真撮影について聞いてみると、人が写らなければOKとのことなので、載せておきます。

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一階から中二階を臨む

隠し部屋のような小部屋も点在し、
図書館というより、大型書店の様です。
横浜伊勢佐木町の、有隣堂本店をちょっと思い出しました。

目を見張るのはその構造だけでなく、本の数も見事なもの。

一階は、児童書、文芸書などが中心。
俳句コーナーだけ見ても結構な冊数で、洋書も豊富に揃っています。

美術書コーナーは半独立した部屋になっており、これもなかなかの充実ぶり。

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美術・書道・工芸コーナー

階段を上ると、中二階。
社会科学、自然科学、産業、哲学などが置かれています。
厳密には中で更に二段に分かれており、1.4階と1.6階がある感じです。

そして、二階は郷土資料、参考図書なのですが、これが凄い!
本に限らず、論文や古文書のコピー、ローカル雑誌、過去の気象概況のレポートから、
行政資料、遺跡の調査報告書、新聞切り抜き、企業の社史まで、正に何でもあり。
これは県立図書館のレベルでしょう。

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二階の様子

当地域について調べ物をしたい時は、ここで分からないことは諦めるしかないのでは無いかと。。
視聴覚資料は少なく、郷土資料室に少し置いてあるだけの様でした。

wikipediaの情報によると、何と当館の起源は1901(明治34)年!
現在の建物は、1981年竣工。
蔵書数は約37万冊で、貴重資料だけでも約3万。
これらの数字を見ても、やはり只者ではありません。

今回の旅で訪れた図書館は、5府県に跨る計7館。
最後に大物を掘り当て、大満足で締め括ることができました。
帰路、中央道松川ICまでの沿道は、収穫を待つ林檎に彩られていました。

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