図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

小牧市立図書館本館(愛知県)

京都から埼玉に帰る途中、愛知県は名鉄小牧駅前のホテルに一泊。
小牧と言えば、東名高速道路の終点であり、名神高速道路の起点、
ナンバープレート「尾張小牧」の地であり、
そして県営名古屋空港がある、と交通の街という印象でした。

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ホテルの部屋からの眺め。眼下の工事現場に何が出来るかと言うと。。

観光地のイメージはありませんでしたが、
小牧駅前には「歴史ロマンあふれるまち」とのフレーズが掲げられていました。
しかし、駅の周辺はまっすぐの広い道路に沿って、真新しいビルが整然と立ち並んでおり、
その光景はまるで最近街開きしたかのようで、全く歴史を感じさせません。

小牧駅の先には、高架の鉄道線がループを描いていました。
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鉄道車両がこんな急カーブを曲がれるのかと不思議に思いましたが、
調べてみると、これは名鉄線ではなく2006年に廃止された桃花台新交通、通称ピーチライナーの残骸でした。
営業していたのは僅か15年間という、超短命路線。
この鉄道遺産も間もなく撤去される予定とのことで、これは写真に収めておかなくては。
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駅前からお城までは西に1㎞ほど。車を走らせると、沿道に徐々に神社仏閣が増えてきて、
歴史の街らしい雰囲気が漂ってきました。
まず、お城の手前にある図書館に寄ります。
休館日は月に1日のみ、夜も8時半まで開館しているというサービスの良さから、
新しい図書館を想像していました。
いざ来てみると、デザインは斬新ですが、かなり古そうな建物です。
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正面の階段を上り、二階から中に入ります。
見上げると、中央部は吹き抜けで、そこの天井はガラス張り。しかしそこかしこに補修の跡があり、老朽ぶりは隠せません。
そして西側の細いガラス窓の先には、小牧城天守閣が覗いています。
なかなか計算されたデザインです。

歳を重ねているだけに、蔵書は豊富。蔵書数は18万冊ほどのようです。
洋書コーナーも充実していて、英語以外にも中国語、台湾語の本が多いです。
絵本も多く、上記以外にも韓国語、タイ語、ドイツ語、フランス語、スペイン語ポルトガル語のものがありました。

三階には、参考郷土資料室がありました。
ここだけでも並の図書館レベルの広さで、愛知県の資料が充実しています。

一階に下りると、トイレ、整理室のみで、本は置かれていませんでした。

この建物は1978年の開館だそうで、思ったほど古くはありませんでした。
しかし、どうやら来年春には新しい図書館に移転する計画だそうです。
ホテルの窓から、目の前に工事現場が見えていたのですが、そこが実は新図書館の建設予定地だったようです。
二階の壁には、黒瀬道則氏の制作、寄贈の絵画が飾られていましたが、この絵も無事移転されるのでしょうか。

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駐車場側から

あいにくの雨ですが、お城のある小牧山に向かいます。
秀吉と家康が争った、小牧・長久手の戦いの舞台となった名城。
標高100mにも満たない小さな山ですが、濃尾平野の中にポツンと立つ天然の山に、
戦国武将が目を付けるのは必然でしょう。
平和な現代ではもちろん攻撃を受けることも無いので、苦も無く山頂に到着。
今の天守閣は戦後に個人が建てたもので、市に寄贈された後、中は歴史館になっていました。

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山頂の天守

麓にもれきしるこまきなる博物館があり、入場料は2つ合わせて100円の安さ。
それでいて、ハイテクを駆使した展示は中々見応えがありました。

看板に偽りなし、小牧はまさに「歴史ロマンあふれるまち」でした。


http://www.library.komaki.aichi.jp/library/komaki.html