図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

瀬戸市立図書館本館(愛知県)

小牧の街を出て、次に訪れたのは、この日の本命の瀬戸。
以前車で通過したことはありますが、街をよく見たことは無かったので、
じっくり訪れたいと思っていました。

まずは図書館を訪問。
昔からの街の中心地は名鉄尾張瀬戸駅の辺りですが、そこから1㎞ほど西、
新市街とも言うべき新瀬戸駅瀬戸市役所前駅のエリア、
つづら折りの急な坂を登った高台にあります。
せいぜい数100mの区間ですが、峠攻めの気分で登っていくと、図書館に到着。
駐車スペースの路面も斜めなので、ブレーキのかけ方が甘いと、悲惨なことになりそう。
眼下には陶生病院という、陶器の町らしい名前の巨大な市立病院があります。

壁は一面、陶器で出来た壁画。瀬戸焼なのでしょう。
f:id:n344sj:20201105010324j:plain

中に入った正面にも、やはり壁画がありました。
カウンター前には、瀬戸の生んだ将棋界のニューヒーロー、藤井聡太二冠の特設コーナー。
実に20冊ほどの本が並んでいます。

左手には、新聞雑誌室。
右手は広大な児童書のスペース。ここはゆったりとしていますが、
一般書のエリアはと言うと、窮屈に並べられたスチール棚に本が押し込まれています。
通路は、人とすれ違うのもままならないほどの狭さ。
目の焦点が近すぎて、本の背を眺めるのが辛いほど。
上階へ続く階段も、まるで工事現場のようなスチール製。
まさに書庫のよう、と思っていると、
上階の扉の裏には「書庫」と記されていました。

恐らく、元々の開架スペースは現在の児童書エリアだけで、
やがて本が増えすぎてお手上げになり、閉架書庫だった所をそのまま開放してしまったのでしょう。

その分、蔵書はかなり充実しています。
コンピューター関連も、新しくて専門的な本がそれなりに置いてあります。

参考室は、郷土資料が充実しています。
ここにも藤井聡太特設コーナーがありました。
関連の新聞記事も集められています。

瀬戸焼の街らしく、陶磁器の本、雑誌、写真集のコレクションは圧巻。
同じく焼物の町、信楽の図書館を思い出させます。
アジア、欧米の陶磁器に関する本もありました。

岩波、講談社三一書房の新書はここの廊下に置かれていました。

視聴覚資料はDVD、CDがありますが、数は多くありません。
CDは落語、民謡、昔の歌謡曲などで、ポピュラー系はほとんどありませんでした。

蔵書数は約30万冊とのこと。
1970年に開館したそうで、老朽化が進んでおり、
先ほどの小牧市と同様、移転も検討されているようです。

図書館を出て、中心地の尾張瀬戸駅の方に向かいました。
街中には陶器窯の煙突や、おしゃれなカフェが点在。
せと銀座通り商店街は、レトロ感満載のアーケード。ここも多くの地方都市と同様、やはりシャッター街
f:id:n344sj:20201105010150j:plain
雨の月曜日なので観光客が少なかったというのもあるにしても、
その衰退ぶりはちょっと目を覆うものがあります。
閉められたシャッターに、このような展示がありました。
f:id:n344sj:20201105010013j:plain
停滞するこの街に彗星の如く現れたヒーロー、藤井二冠。
街のあらゆる所に彼の偉業を讃える掲示があります。
彼が現れていなかったら一体この街はどうなっていたのだろうか、と思ってしまいます。

f:id:n344sj:20201105010227j:plain
アーケードの外も、レトロな商店街が続きます

街の中心から東に1 km ほど離れた所にある、窯垣の小径も、実に味わい深い。
f:id:n344sj:20201105005924j:plain
ただし、この辺りはとにかく道が狭いので、車の運転には細心の注意が必要です。

この後は、明智光秀の故郷、明智の里にも行きたかったのですが、もう日が暮れてきたので断念。
中央道で埼玉までの家路を急ぎました。

ちなみに、尾張瀬戸の駅ビルの中にも図書館分館があったようで、覗いておけば良かったとちょっと後悔。

交通アクセス - 瀬戸市立図書館