小牧の街を出て、次に訪れたのは、この日の本命の瀬戸。
以前車で通過したことはありますが、街をよく見たことは無かったので、
じっくり訪れたいと思っていました。
まずは図書館を訪問。
昔からの街の中心地は名鉄尾張瀬戸駅の辺りですが、そこから1㎞ほど西、
新市街とも言うべき新瀬戸駅、瀬戸市役所前駅のエリア、
つづら折りの急な坂を登った高台にあります。
せいぜい数100mの区間ですが、峠攻めの気分で登っていくと、図書館に到着。
駐車スペースの路面も斜めなので、ブレーキのかけ方が甘いと、悲惨なことになりそう。
眼下には陶生病院という、陶器の町らしい名前の巨大な市立病院があります。
壁は一面、陶器で出来た壁画。瀬戸焼なのでしょう。
中に入った正面にも、やはり壁画がありました。
カウンター前には、瀬戸の生んだ将棋界のニューヒーロー、藤井聡太二冠の特設コーナー。
実に20冊ほどの本が並んでいます。
左手には、新聞雑誌室。
右手は広大な児童書のスペース。ここはゆったりとしていますが、
一般書のエリアはと言うと、窮屈に並べられたスチール棚に本が押し込まれています。
通路は、人とすれ違うのもままならないほどの狭さ。
目の焦点が近すぎて、本の背を眺めるのが辛いほど。
上階へ続く階段も、まるで工事現場のようなスチール製。
まさに書庫のよう、と思っていると、
上階の扉の裏には「書庫」と記されていました。
恐らく、元々の開架スペースは現在の児童書エリアだけで、
やがて本が増えすぎてお手上げになり、閉架書庫だった所をそのまま開放してしまったのでしょう。
その分、蔵書はかなり充実しています。
コンピューター関連も、新しくて専門的な本がそれなりに置いてあります。
参考室は、郷土資料が充実しています。
ここにも藤井聡太特設コーナーがありました。
関連の新聞記事も集められています。
瀬戸焼の街らしく、陶磁器の本、雑誌、写真集のコレクションは圧巻。
同じく焼物の町、信楽の図書館を思い出させます。
アジア、欧米の陶磁器に関する本もありました。
岩波、講談社、三一書房の新書はここの廊下に置かれていました。
視聴覚資料はDVD、CDがありますが、数は多くありません。
CDは落語、民謡、昔の歌謡曲などで、ポピュラー系はほとんどありませんでした。
蔵書数は約30万冊とのこと。
1970年に開館したそうで、老朽化が進んでおり、
先ほどの小牧市と同様、移転も検討されているようです。
図書館を出て、中心地の尾張瀬戸駅の方に向かいました。
街中には陶器窯の煙突や、おしゃれなカフェが点在。
せと銀座通り商店街は、レトロ感満載のアーケード。ここも多くの地方都市と同様、やはりシャッター街。
雨の月曜日なので観光客が少なかったというのもあるにしても、
その衰退ぶりはちょっと目を覆うものがあります。
閉められたシャッターに、このような展示がありました。
停滞するこの街に彗星の如く現れたヒーロー、藤井二冠。
街のあらゆる所に彼の偉業を讃える掲示があります。
彼が現れていなかったら一体この街はどうなっていたのだろうか、と思ってしまいます。
街の中心から東に1 km ほど離れた所にある、窯垣の小径も、実に味わい深い。
ただし、この辺りはとにかく道が狭いので、車の運転には細心の注意が必要です。
この後は、明智光秀の故郷、明智の里にも行きたかったのですが、もう日が暮れてきたので断念。
中央道で埼玉までの家路を急ぎました。
ちなみに、尾張瀬戸の駅ビルの中にも図書館分館があったようで、覗いておけば良かったとちょっと後悔。