図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

市立士別図書館(北海道)

本数の少ない宗谷線
稚内を朝5時発の鈍行で発ちました。

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行きに続いて、帰りも沿線に鹿

この日の予定は、富良野経由で札幌まで。

よく見ると、駅名標の次の駅の部分に、シールを貼って書き換えられているものが目立ちます。
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これは、つい先日のダイヤ改正で、利用客の少ない駅が大量に廃止されてしまったため。
しかし、生き残った駅でも周りに何も無かったりするので、廃止された駅は余程のものだったのでしょう。。

稚内では、朝食を摂る時間も買う時間も無かったので、
最初の乗り継ぎ地、名寄の喫茶店でモーニング。

続いて、士別で途中下車。
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と言うのも、
この日は図書館巡りでは鬼門の月曜日ですが、
ここ士別市の図書館は開いていることを知ったから。
(しかし、4月からは月曜休館に変更。この日が最後の月曜開館日だったようで)

駅から歩いて数分、
生涯学習情報センターの中にありました。
JAも同じビルに入っているようです。
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玄関を入ってすぐ左には、DVDの棚。
裏はVHSでした。
その向こうは試聴コーナー。

館内は、アート作品で溢れています。
巨大な丸い石は、地元出身の東京藝大生の卒業制作。
壁には絵画、本棚の上には人形、本棚の側面にも市民の作品か、切絵などを掲示

アイヌ北方領土の資料はここでも揃っています。

新書の棚には、茶色に変色した古い本が目立ちます。
見ると、昭和30年代の刊行でした。

文庫本は豊富ですが、品揃えにやや癖あり。
昭和50年代の角川文庫の横溝正史がずらり。
山手樹一郎長編時代小説全集も存在感を発揮。
西村京太郎はノベルズ含め300冊くらい。
西村寿行もやたらと多く、他に目立つのは、斎藤栄、島田一男、清水一行など。
要するに、40年くらい流行がずれています。

二階が児童書室。
託児所もあり、子供の集団に囲まれそうになりました。
一階にもありましたが、ここにも漫画が置かれています。
奥には、ふるさと資料室。
ふるさとの文学者として、北村順治郎ら四氏が紹介されていました。
「いいひと。」などで知られる漫画家、高橋しんは、ここ士別の出身とのこと。
箱根駅伝にも出たランナーだったとは知りませんでした。

ボクサー輪島功一も、ここ出身とのこと。
合宿の里、という側面もあり多くのアスリートが訪れているようで、
増田明美荻原健司などのメッセージが飾られていました。

地元文芸誌の他、めん羊図書なるコーナーも。
士別市は羊の飼育が盛んで、羊のまちをアピールしています。
オーストラリアのゴールバーン・マルワリー市と姉妹都市だという紹介が一階にありましたが、
これも羊が縁のようです。

その後は旭川で乗り換え、富良野線を完乗。

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美瑛付近

北の国から」の舞台、富良野に降り立ち、
これで(運休のまま廃線となる日高線を除き、)北海道のJR線は全制覇となりました。

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富良野駅

たった三度の鉄道旅行で制覇してしまうとは、
いい旅チャレンジ20,000kmの時代だったら考えられません。
如何に多くの路線が廃止の憂き目に遭ったか、ということの裏返しでもあり、複雑な心境。

この記事を書いている最中に、「北の国から」の主演俳優、田中邦衛さんの訃報を聞くとは、
思いもよりませんでした。
謹んでご冥福をお祈りします。

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富良野駅の階段には「五郎の石の家」が

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