図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

さいたま市立中央図書館(埼玉県)

昨年に続き、コロナ自粛のゴールデンウィークが今年も始まりました。
幸いここ埼玉県は、緊急事態宣言の発令こそ逃れましたが、
東京側のエリアは蔓延防止重点措置とやらで、空気感は東京とほぼ同じ。

帰省も旅行も諦めましたが、こんな年に限って11連休の長丁場。
さすがに家に籠もり続ける気にもなれず、
埼玉県内の移動ならセーフだろう、ということで県都、浦和に行くことにしました。

浦和に行く時はバイクを使うことが多いのですが、程良い気候なので、初めての試みで、
自転車で行ってみることにしました。
GoogleMapで経路検索すると、家から約14km、所要55分と出てきます。
それよりは早く着くだろう、と高を括って出発しましたが、
途中、写真を撮ったりしながら走っていると、

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スミレ?の咲き誇る、新河岸川の河原

普通のママチャリということもあり、結局1時間以上かかってしまいました。

もうすぐ浦和の中心地、という所に、昔ながらの古書店が。
古い専門書が多く、大学の傍にあるような雰囲気の店でした。
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その先には埼玉を代表する老舗書店、須原屋の本店。
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店内に噴水があるという豪勢なお店ですが、
売り場は昔より随分縮小されてしまい、今は3フロアのみ。
駅前のコルソの中にも支店がありますが、そちらもさほど大きくはありません。

街は人で賑わっています。
GW中とは言え平日なので、多少は空いていることを期待していたのですが。
もっとも、平日昼間に浦和に来たのは初めてなので、これが普通なのかは分かりません。

駅近くのガード下には、蔦屋書店が出来ていました。
代官山蔦屋の流れを汲む、カフェ併設のお洒落な店舗は魅力的ではありますが、
品揃えは偏っていて、良いとは言えません。
思いがけず書店巡りになってしまいましたが、本命は勿論、図書館。
思えば去年のGWは、図書館はどこも臨時休館だったので、それに比べれば今年は格段に恵まれています。

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浦和駅東口

浦和駅東口の真ん前に建つパルコの中(正確にはパルコも入るコムナーレの中?)、という超一等地に、
県内では私の一番のお気に入り、さいたま市の中央図書館があります。
(先日見つけた小川町の図書館が、一位の座に迫る勢いでしたが)

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ここの8階

大盛況の地下駐輪場(3時間まで無料)に自転車を停め、
エスカレータで8階の図書館を目指します。
7階まで来ると一旦途切れ、8階へのエスカレータへは、ちょっと歩いて移動。
下の6階が映画館ということで、7階は映写室ミュージアムという、ちょっとした博物館になっています。
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奥には、映画の本がいっぱい置かれた心地よいカフェもあるのですが、
残念ながらコロナの影響で長期休業中でした。

いよいよ、最上階の図書館へ。
入口を入ると、自分で返却処理の出来る機械がありました。
貸出のセルフ機は川越市などで見たことがありますが、セルフの返却は初めてかも。

カウンターの前の壁には、「さいたま専科」なるコーナーが。
地元の資料が並んでいます。
今年はさいたま市発足20周年らしく、その記念のようです。
しかも5月1日が市制施行の日と言うことで、この日が正に20周年記念日!!。。の前日でした。

さいたま市立図書館では、「本は王さま」なる子ども向けのブックリストを
毎年発行しているそうで、そのバックナンバーの記念展示も行われていました。

コロナ対策で多少間引かれてはいるものの、館内には閲覧席が沢山。
大部分は利用者で埋まっていました。

ここがお気に入りである理由は、
2007年開館の綺麗さ、約45万冊という驚異の蔵書数もさることながら、
何と言っても、屋上庭園の存在。
太陽の下、風に吹かれながら、芝生の上で読書が出来ます。
コロナ感染対策の点からも、ここは積極的に利用すべきでしょう、と奥のガラス扉まで来てみると、、
悪天候のため閉園」との立札が。
えっ。。悪天候って。。?
これ以上望むべくも無いくらいの好天なのですが。

思えば、大泉図書館でも同じことがありました。
あの時は、確かに少々雲行きが怪しくもあったので素直に諦めましたが、
朝から晩まで雨の気配の無いこの日が悪天候とは、ちょっと合点がいきません。
まだ4月。暑すぎるから、というわけでも無いでしょうし。

職員の人が近くに来たので、どういうこと?と穏やかに聞いてみると、
う~ん悪天候はおかしいですよね、と言ってカウンターの方にお伺いに行ってくださいました。

その後、職員さんが行ったり来たりしていたのですが、なかなか開けてくれず。
しばらく館内で読書しつつ、横目で様子を見ていると、、
あれ?外で本を読んでいる人がいる。
いつの間にか開けてもらえていたようなので、読書の続きは屋外で。

暑くもなく、寒くもなく、
陽も傾いてきたので直射日光も避けられ、実に快適。
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難点は、座る所がコンクリート剥き出しで、長時間座っているとお尻が痛くなることでしょうか。

ちなみに、屋上庭園の開園時間は4〜9月は17時まで、10〜3月は16時までとのことなので、
夜景は拝めません。
そもそも外側は垣根で覆われているので、眺望は元々望めないのですが。

館内に戻ります。
空中庭園の前のエリアにはCD、文庫本がずらり。
一番端のクラシックCDは、日差しのせいでかなり色褪せています。
DVDなど、映像資料は無い模様。

新聞は、「神戸新聞」「京都新聞」「福島民友」といった全国のローカル紙から、
繊研新聞」「電気新聞」などの業界紙
朝鮮日報」「人民日報」といった外国語のものまで、実に豊富。

雑誌は、ポピュラー誌と専門誌に分けられており、離れた場所に置かれています。
専門誌だけでも400誌くらいはありそう。
「Newton」「週刊ダイヤモンド」「日本カメラ」など、他所でも普通に見かける物もこちらにあるので、その境界線はかなり曖昧。
他には、「農林金融」「鉄道車両工業」「乳酸菌ニュース」など、マニアックな物や、
「ほうてらす(法テラス)」「総務省」「MAMOR」などの官公庁系、
サントリー美術館ニュース」「TOYOTA Technical Review」など、私企業の物まであります。
よく見ると「清水建設研究報告」「技報安川電機」「フジクラ技報」など、企業の技術報告誌が多数。
これは、公共図書館では結構珍しいように思います。
浦和の永遠のライバル、大宮の図書館も雑誌の豊富さはかなりの物でしたが、
やはりこちらが一枚上でしょうか。

郷土資料も実に豊富。
遺跡発掘調査報告書、県内各市町村史がずらり。
さいたま市民文芸」「大宮詩集」「埼玉詩集」といったローカルなものも揃っています。
県発祥の企業である、山田うどんしまむらヤオコーなどの本もありました。

これまでの経験で、さいたま市の図書館は、
コンピュータ関係が充実していることを知っていましたが、もちろん総本山のここも例外ではありません。
専門的な本が結構置いています。

各ジャンルに「返却された本」のコーナーがあり、その日返された本が置かれているようです。
大分類で分けてとりあえずここに置いた後、更に仕分けして本来の位置に戻すのでしょうか。
郵便局のようです。

洋書もなかなか充実。
英語、中国語、ハングルが中心で台湾語も少々、というのは多くの図書館と同じですが、
スウェーデン語、デンマーク語、オランダ語タイ語インドネシア語アラビア語など、
マイナーな言語の本も少量ながら置いています。
エスペラント語の本までありました。

児童書は、ガラス窓に囲まれた部屋の中。
「さいたまゆかりの児童文学」として、石井桃子さんの本が沢山ありました。
浦和市常盤の出身とのことで、正にこのご近所です。

再び街に出ました。
最近出来たらしい、浦和駅の東西を結ぶ地下道には、浦和レッズのショップがありました。
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西口の正面には、URAWA Soccer TOWNの電飾が。
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図書館に特集コーナーはありませんでしたが、サッカーの本の所には、
「浦和」「レッズ」と名の付く本が10冊以上はありました。
大宮の図書館と違ってあまりチームをアピールしていないのは、浦和はあくまで文教都市、という矜持でしょうか。

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