川越を出た後は、どこに行くかはっきり決めておらず、飯能、青梅辺りの茶畑の中をバイクでふらふら。
山の方に行こうかとも思いましたが、日も短くなってきて、夕暮れも近いので諦め、方向転換。
東京都の平野部では唯一の町、瑞穂町へ。
この町の図書館には、昔一度来たことがありますが、
その時は大滝詠一氏の追悼展示をやっていました。ということは、7年ほど前のことでしょうか。
ここが出身地というわけではなく、晩年に住んでいた土地のようです。
その図書館は現在は改修工事中で、別の場所で臨時開館中、ということは事前に把握済み。
その場所はうろ覚えのまま、町中に入ってきました。
町の中心は、JR八高線の箱根ヶ崎駅。
こんなモダンな駅だったっけ?と思いましたが、17年前からこの駅舎だった模様。
町役場に向かう道を北上していくと、小高い丘に登っていきます。
頂上には、スカイホールなる立派な市民(正確には町民か)ホールが建っています。
臨時図書館もこの中にあるようです。
駐車場からも眺めは良いですが、「展望室」の案内が出ているので、矢印に従って歩いて行きます。
建物の片隅にある地味な扉を開けると、中にはこれまた地味な階段が。
これを96段登ると、展望室とのこと。
96段なんて大したことは、、と思っていましたが、意外にきつい。
しばしの苦行を経て、誰もいない展望室に到着。
事故防止の柵が少々視界の邪魔ですが、西側を中心に三方が見渡せます。
下に戻ると、慰霊塔の案内も出ているので、そちらに向かいます。
丘の麓から、神社の参道のような階段でも来られます。展望室への階段よりきつそう。
何の慰霊塔か書いていませんでしたが、戦没者の慰霊塔です。
横には、アンネフランクのバラ(という品種のバラ)、広島で被爆した木(の種から育った木)などが
植えられていました。
慰霊塔の裏には本の形のオブジェ、かと思いましたが、記されているのは戦没者の名前でした。
スカイホールに戻り、一階玄関から入ります。
一階ホールでは演劇をやっていたようで、関係者でごった返しています。
階段で二階に上がり、奥に進むと、臨時図書室がありました。
室内の狭い空間に、白いスチール棚が狭いピッチで並べられていました。
先ほどの川越市のそれとは真逆で、本は一見して新し目のものが多いことが分かります。
しかし本の数は、図書館一館分としては明らかに少なく、
本館にあったものを全部ここに持ってくるのは、さすがに無理だったのでしょう。
とは言え、一通りの分野の本が揃っています。
旅行コーナーには、「地球の歩き方」の最新版、とは限りませんが、それに近いものがズラリ。
コロナ禍で追加された、「世界246の国と地域」などの新シリーズも恐らく全巻揃っています。これは珍しい。
小さいながら、ここにも大滝詠一コーナーがしっかりありました。
本、CD、楽譜に、LPも1枚置いています。
その他のCD、DVDも少ないながらも置いています。
入口付近の棚には、「おはなしエプロン」なるものの箱が多数、並んでいます。
知りませんでしたが、エプロンを背景に使った紙芝居、というか人形劇セットの様なものみたいです。
図書館としては少々寂しい状態ですが、見所に恵まれたこの立地なのは、期間限定で今だけ。
ある意味、貴重な訪問でした。
本館の工事休館は、昨年12月から来年3月までとのこと。
工事前にもう一度、旧図書館を見ておきたかった気もしますが、
新装なった後には、また改めて訪問したいと思います。