図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

北茨城市立図書館(茨城県)

山中の塙町から、太平洋岸のいわき市へバイクを走らせます。
あいにくの霧雨となり、ほとんど景色が見えない中、辛い1時間でした。

視界が晴れてきた頃、いわき市の南にある、勿来図書館に到着。
勿来と言いながら、お隣の植田の街にあります。
役場にしか見えない、見るからに古そうなビルです。
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いざ入ろうと思ったら、、、入口に「空調工事のため休館中」との掲示が。。
未練がましく図書館のある三階に上がってみましたが、本当に工事中でした。当たり前か。。

諦めて、昨日からテントを張っている、桂のキャンプ場に戻ることにします。
途中に寄れそうな適当な図書館が無いか検索すると、
北茨城市日立市の図書館が6時まで開いていそう。
どちらにするか暫し迷いましたが、日立までは6時に着けない恐れもあるので、北茨城に行くことにしました。

県境を越え、約5時間ぶりに茨城県に。
北茨城と言えば景勝地、五浦海岸があるので行ってみます。
時刻はもう5時過ぎ。岡倉天心が設計したという六角堂へ行く、五浦美術文化研究所の扉は閉まっていました。
肩を落として去ろうとしましたが、いや待てよ、確か他にも遠望できる場所があったはず。
更に南に進み、五浦岬公園へ。
駐車場にバイクを停めて歩くと、五浦海岸、六角堂が遠望できました。
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公園のすぐ傍には、大津岬灯台が寂しく佇んでいます。
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手早く名所巡りを済ませ、本日最後の訪問スポットとなりそうな、図書館へ。
北茨城市の図書館は、JR常磐線磯原駅の近く。
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日が暮れてしまい、良い写真が撮れませんが、
図書館と言うより美術館のような、美しいデザイン。
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中に足を踏み入れると、検温とアルコール噴射の一体機がお出迎え。

一階は児童書がメインです。
本棚の上には、カボチャの模型が乗っています。季節はもうハロウィン。

二階へ上がる階段の周りは、ループ状の雑誌コーナーになっていました。
その円の中心は、喫茶カウンターでした。あいにくもう閉まっていましたが。

二階は一般書。
木の床に、本棚も木製で、側板は紫や青の色が付いたガラス。
実に綺麗です。

階段傍の、やはり円形になっている棚は、芸術書、視聴覚資料、漫画のエリア。
CDは少ないですが、DVDは多いです。

通路にインターネット閲覧端末が幾つも置かれていますが、この机も丸く、囲いの壁も半円形。

建物自体もそうですが、通路も微妙に弧を描いていて、
全体的に”曲線美”にこだわっているように見えます。

「ひだまり交流テラス」は、飲食や談話が出来るスペースとのこと。
この時は閉館間際で、誰もいませんでした。

窓際にも、ずらっと閲覧席が並んでいます。
如何にも眺めが良さそうですが、日が暮れてしまい、何も見えません。
昼間なら太平洋が一望できるのか?と想像しましたが、
どうやら窓の向こうには大北川が流れている模様。
その更に先には海が見えるのかもしれませんが、確認できず。

郷土資料には、当地にアトリエを構えた岡倉天心、出身者である詩人野口雨情の本や、
嘗てこの周辺に多かった、炭坑についての本も。
茨城県の郷土文庫、ふるさと文庫はここにもありました。
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このデザインセンス溢れる図書館、開館は2016年。
三階の屋上は、緊急避難場所にもなっています。
東日本大震災後の施設ならではでしょう。
蔵書数は約13万点とのこと。

この日は茨城、福島両県の計5館の図書館を訪問。
何とも個性的な所が目立ちました。
だからこそ、今時珍しいくらいオーソドックスな雰囲気の、勿来図書館にも入っておきたかった。。

その後は、桂のキャンプ場を目指し、街灯の無い真っ暗な山道を1時間以上、孤独な走行。
土曜日なので、キャンプ場は昨夜以上に賑わっていました。

北茨城市立図書館