図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

旅の図書館(東京都 港区)

有休を取り、久々に都内にお出掛け。
幾つか行く所があるので、メトロ+都営地下鉄の一日券を購入。
まずは新宿で、ずっと気になっていた巨大ネコを見てから、
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青山一丁目で下車。
駅から徒歩数分、青山通りの一本南の狭い道沿いに、JTBが運営する「旅の図書館」があります。

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旅の図書館

旅好き、本好きなら一度は行かねば、と以前から思っていたのですが、平日しか開いていないこともあり、
なかなか来られる機会がありませんでした。
コロナ禍の今は事前予約制となっており、更に敷居が上がっています。

青山という立地に相応しい、洗練された館内は、図書館というよりギャラリーのよう。
日本交通公社時代からのJTBの歴史など、展示パネルを見ながら廊下を進むと、受付カウンター。
予約メールを確認、説明を受け、入館証をもらいます。

館内の本棚には、旅行ガイドブック、パンフレットがずらり。
国ごとに仕切り板が挿してあり、
全ての国とは行きませんが、ボツワナモルドバニカラグアなどのマイナーな国もあります。
ガイドブックにはLonelyPlanetの原書などもあるものの、正直さほど珍しくない本が大半かなという印象。
海外旅行に行く時は、その国に関する本を片っ端から見るのですが、これは見たことない!という本は
あまりありませんでした。

雑誌の方も旅行関連ばかりで、こちらは見慣れないものが多数。
一般向けだと「横濱」「温泉批評」「トランヴェール」など。
業界系、学術系のものも多く、「漁港漁村魚場研報」「運輸政策研究」「東北活性研」など、
かなりマニアック。
「ならら」「まつやま」などのローカルものから、
航空会社の機内誌、海外の雑誌もありました。

入口付近の棚には、「ツーリスト」「旅」「観光朝鮮」「旅行満洲」など、
大正から昭和初期の旅行雑誌の縮刷版が並んでいます。
これはかなり希少。
手に取ることは出来ませんが、ガラスケースの中には、江戸時代や明治時代の貴重な旅行書が。
「旅行用心集」は文化7年(1810年)刊とのこと。

地下への階段の前には自動扉があり、入館証をかざして入ります。
階段の脇にも「旅と伝説」などの古い雑誌などが並んでいます。

地下一階は、多数の閲覧席と本棚、そして可動式書庫。
大雑把に言うと、一階は現役の本、地下は一線を退いた本、という感じでしょうか。

本棚には古い旅行書や、観光振興、政策といった専門的な本があります。

書庫は、ボタンを押して自分で動かすことが出来ます。
ここには興味深いものが沢山。

機内誌のバックナンバーがズラリ。海外エアラインのものもあります。
統計、白書の類も大量にあります。
地球の歩き方」「るるぶ」などを始めとするガイドブックのバックナンバーもありましたが、
せいぜいここ20年ほどのもので、あまり古いものはありません。
ちなみに、るるぶJTB発行ですが、そのライバル「まっぷる」は全然置いていない。。
この辺は企業図書館の限界でしょうか。

時刻表は、明治のものからあります。
古いものは復刻版でしたが、復刻してからも既に50年経っていました。
アメリカの鉄道のものもあります。

JTBのツアーのパンフレットも、保管されていました。
これは国会図書館にも無いでしょうから、ここでしか見られないでしょう。

奥の方は閉架書庫と書かれており、鍵がかかっていて動きません。
古文書の類や、古い時刻表の本物があるようですが、
利用は研究目的のみということで、見ることは出来ませんでした。

蔵書数は約3万5千。
1978年に八重洲に開館し、現在の青山に移転したのが2016年とのこと。
こんな綺麗で貴重な施設を、無料で利用させてもらえるのは本当に有難い。
この日は次の予定があるので長居出来ませんでしたが、またいつか訪れたい所です。

近くには区立の赤坂図書館もあったのですが、時間が無くて寄れず。猫よりこっちを優先すべきだったかも。。

旅の図書館 | (公財)日本交通公社