青山一丁目から虎ノ門に移動し、日比谷公園を見下ろす内幸町のレストランで昼食。
この周辺には、平日しか開いていない専門的な図書館が目白押し、ということに前日に気付きました。
しかし、官公庁の中だったり、かなり専門的だったり、少々敷居の高い所が多い。
足慣らしに、昔来たことのある、航空図書館に行くことにします。
日比谷通り沿いにある、航空会館。
日本航空協会、日本飛行連盟。日本グライダークラブ、日本模型飛行機連盟など、
航空関連の団体が集まるこのビルの六階に図書館があります。
20年以上前の学生時代、一度来たことがあります。
何かの目的があって来たのでしょうが、それが何だったのかは思い出せませんが。。
ビルの最上階、九階には、航空神社が!
まずはそこに行ってみます。
屋上に、取って付けたような小さな社が。
関係者が安全祈願に訪れるのでしょうか。
屋上なので、日比谷、丸の内のビル群が見通せます。
階段で六階へ。
エレベータ前ロビーには、飛行機の模型が並んでいました。
1936年にパリから東京を目指し、九州の脊振山で墜落したという、飛行機の舵も。
こんな事件があったこと自体知りませんでした。
受付で名前、住所の他、興味の対象のアンケート等を書いて、入室。
このご時世なので、検温もあります。
航空工学、政策、管制、模型、事故、操縦、等等、
古今東西の航空に関するありとあらゆる本があります。
「世界航空機年鑑」は、1957年から今年まで揃っています。
洋書もかなり豊富。60年前の技術書もあります。
ほぼ英語ですが、「中国名机(機)珍蔵」なる本もありました。
雑誌も、航空に関するものばかりで100誌以上。
英語の雑誌も30ほどあります。
室内には、旅客機の椅子が置かれていたり、
机の上にCAの制服を着たリカちゃん人形が並んでいたり、とことん航空づくし。
民間人の宇宙旅行が話題になる昨今、今年刊行の「るるぶ宇宙」なるものも置いていました。
先ほどの旅の図書館にもあったのでしょうか。気が付きませんでしたが。
地球の歩き方ならぬ、「宇宙の歩き方」も。こちらは10年以上前の刊行のようですが。
CODEX MADRIDなどと記された、重厚な装丁の本が何冊かありました。
何かと思って見てみると、なんと、飛行機の原理も考えていたという、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿。
原文(イタリア語?)と和訳の対比だったり、手書き原稿の写真だったり。
先ほどの図書館同様、ここにも自分で操作する可動式書庫があります。
ただし駆動方式は異なり、こちらは古風な回転ハンドル式。
しかし動かしても、棚と棚の間に出来る通路はかなり狭く、屈んで下の方の本を見るのは少々難儀。
漫画、小説も少ないながら置いていました。
もちろん航空が絡むもので、有名どころでは「沈まぬ太陽」など。
戦記物の光人社NF文庫など、文庫本もあります。
「CAになるための面接入門」もありました。
そう言えば、CA志望者の来訪も多いと聞いたような気が。航空神社で合格祈願をするのでしょうか。
子供向けの本もごく少しながら、置いていました。ここに子供が来ることは滅多に無さそうですが。
蔵書数は、置かれているのは1万冊ほどの様ですが、倉庫保管分も含めると、何と5万冊。
ルーツは実に102年前に遡るそうですが、航空図書館の開設は1955年。
航空会館の竣工は1978年ということなので、現在の図書館も恐らくその時からでしょう。
利用は無料ですが、貸出は有料登録制。
図書館自ら、書籍の発行も行っているようです。
道の向こうは千代田区なので、ここが港区とは思っていませんでしたが、
カウンターに、港区の図書館ガイドが置いていました。
旅の図書館も含め、ユニークな図書館がいっぱいあります。週末休みの所が多いので要注意ですが。