図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

航空図書館(東京都 港区)

青山一丁目から虎ノ門に移動し、日比谷公園を見下ろす内幸町のレストランで昼食。
f:id:n344sj:20211023160312j:plain
この周辺には、平日しか開いていない専門的な図書館が目白押し、ということに前日に気付きました。
しかし、官公庁の中だったり、かなり専門的だったり、少々敷居の高い所が多い。
足慣らしに、昔来たことのある、航空図書館に行くことにします。

日比谷通り沿いにある、航空会館。
日本航空協会、日本飛行連盟。日本グライダークラブ、日本模型飛行機連盟など、
航空関連の団体が集まるこのビルの六階に図書館があります。

f:id:n344sj:20211023160242j:plain
航空会館

20年以上前の学生時代、一度来たことがあります。
何かの目的があって来たのでしょうが、それが何だったのかは思い出せませんが。。

ビルの最上階、九階には、航空神社が!
まずはそこに行ってみます。
屋上に、取って付けたような小さな社が。
f:id:n344sj:20211023161033j:plain
関係者が安全祈願に訪れるのでしょうか。
屋上なので、日比谷、丸の内のビル群が見通せます。
f:id:n344sj:20211023161129j:plain

階段で六階へ。
エレベータ前ロビーには、飛行機の模型が並んでいました。
f:id:n344sj:20211023160854j:plain
1936年にパリから東京を目指し、九州の脊振山で墜落したという、飛行機の舵も。

f:id:n344sj:20211023160537j:plain
コードロン C631 シムーンの方向舵

こんな事件があったこと自体知りませんでした。

受付で名前、住所の他、興味の対象のアンケート等を書いて、入室。
このご時世なので、検温もあります。

航空工学、政策、管制、模型、事故、操縦、等等、
古今東西の航空に関するありとあらゆる本があります。

「世界航空機年鑑」は、1957年から今年まで揃っています。

洋書もかなり豊富。60年前の技術書もあります。
ほぼ英語ですが、「中国名机(機)珍蔵」なる本もありました。

雑誌も、航空に関するものばかりで100誌以上。
英語の雑誌も30ほどあります。

室内には、旅客機の椅子が置かれていたり、
机の上にCAの制服を着たリカちゃん人形が並んでいたり、とことん航空づくし。

民間人の宇宙旅行が話題になる昨今、今年刊行の「るるぶ宇宙」なるものも置いていました。
先ほどの旅の図書館にもあったのでしょうか。気が付きませんでしたが。
地球の歩き方ならぬ、「宇宙の歩き方」も。こちらは10年以上前の刊行のようですが。

CODEX MADRIDなどと記された、重厚な装丁の本が何冊かありました。
何かと思って見てみると、なんと、飛行機の原理も考えていたという、レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿。
原文(イタリア語?)と和訳の対比だったり、手書き原稿の写真だったり。

先ほどの図書館同様、ここにも自分で操作する可動式書庫があります。
ただし駆動方式は異なり、こちらは古風な回転ハンドル式。
しかし動かしても、棚と棚の間に出来る通路はかなり狭く、屈んで下の方の本を見るのは少々難儀。

漫画、小説も少ないながら置いていました。
もちろん航空が絡むもので、有名どころでは「沈まぬ太陽」など。
戦記物の光人社NF文庫など、文庫本もあります。

「CAになるための面接入門」もありました。
そう言えば、CA志望者の来訪も多いと聞いたような気が。航空神社で合格祈願をするのでしょうか。

子供向けの本もごく少しながら、置いていました。ここに子供が来ることは滅多に無さそうですが。

蔵書数は、置かれているのは1万冊ほどの様ですが、倉庫保管分も含めると、何と5万冊。
ルーツは実に102年前に遡るそうですが、航空図書館の開設は1955年。
航空会館の竣工は1978年ということなので、現在の図書館も恐らくその時からでしょう。
利用は無料ですが、貸出は有料登録制。
図書館自ら、書籍の発行も行っているようです。

道の向こうは千代田区なので、ここが港区とは思っていませんでしたが、
カウンターに、港区の図書館ガイドが置いていました。
旅の図書館も含め、ユニークな図書館がいっぱいあります。週末休みの所が多いので要注意ですが。

航空図書館