唐津から筑肥線に乗って、伊万里に来ました。
焼物の輸出港として名を馳せた伊万里ですが、駅前には森永製菓、乳業の創業者、森永太一郎の像がありました。
この町の出身だそうで、伊万里の偉人と紹介されています。
町に入り、海のシルクロード館、陶器商家資料館を見学。
いずれもボランティアの方が案内してくださいました。
海のシルクロード館には、伊万里焼を展示。
続いて、お隣の陶器商家資料館。
昔の商人は、焼物を受注してから焼き上がるまでの数ヶ月をここで過ごしたとか。何とも悠長な時代です。
風情ある商店街を通り、川沿いにある伊萬里神社へ。
門は沖縄風と言うか、唐風。
陶器を通して海外に繋がっていた、この地の歴史を偲ばせます。
境内にある中嶋神社は、珍しくお菓子を祀っています。
これも森永の影響かと思ったら、遥か昔、垂仁天皇に遡る云われがある模様。
ここからほど近くにあるのが、市民図書館。
遠くからも「図書館」と視認できます。
そして、巨大。この時は、奥の方は何か別の施設かと思っていましたが。。
入口はこちら。壁に貼ってあるのは、伊万里らしく陶板でしょうか。
中に入ると、、何と古本屋が!
図書館フレンズなる有好団体が、定期的に開いているようです。
図書館の館内は、とても広大。
開館26周年の垂れ幕が掲げられており、1995年開館と分かりました。
本棚の上に分野を示す板が。陶器で出来ています。
これを特産の和紙でやっていた、埼玉小川町の図書館を思い出します。
歩いて回ると枝分かれした分路もあり、逆F字型と分かりました。
あまりの広さに、予定の電車を一本遅らせることを覚悟して、探索を開始。
畳敷きの部屋もあります。
図書館には、あっても使っている人がいないことが多いのですが、ここは利用されていました。
壁の高い所には、伊万里讃歌の歌詞が。
これも陶板で、何と第九章まであります。
旅行書コーナーには、私も持ち歩いていたコンパス時刻表が。
大判の時刻表はどこにでもありますが、小型を置いているのは珍しい。
国内外の旅のパンフレットを入れた引き出しもあります。
中庭もあります。
CD、DVD、VHSもなかなか豊富。
VHSは珍しい横置きで、底にタイトルが書いています。
CD棚の上には音楽の本が、DVD、VHSの向かいには映画の本が置いています。
芸術書のコーナーもその傍。
まるでお店のような、考えられた配置です。
その先には、伊万里学コーナー。
郷土資料は、唐津市の図書館も充実していましたが、こちらの方が上。
「松浦党研究」はここにもありました。
ここにも、森永製菓の創業者、森永太一郎のコーナー。来るまでは知りませんでしたが、地元の英雄です。
彼を扱った本の他、チョコボールやキャラメルの箱も展示されています。
森永ホットケーキミックス、ミルクキャラメルなどのレシピ本もありました。
その更に先にも部屋があり、陶器、磁器に関する本が多数。
信楽や瀬戸の図書館を思い出します。
一階だけでも十分広いのに、二階もあります。
代議士山下徳夫氏の寄贈の、山下文庫。
雑誌、文庫、児童書、自然科学まで、何でもありの膨大な数で、ここだけで一つの図書館として成立しています。
これが個人の蔵書とはとても思えないのですが。
更に、三階の閉架書庫にもあるそう。
階段の壁に架かっている絵も、貸出可能。これは、清瀬市の図書館でもやっていました。
外から見えた巨大な建物は、結局全て図書館でした。
蔵書数は、約38.5万冊。人口5万ほどの地方都市にしては、驚異的な充実度。
日本図書館協会建築賞も受賞しているようです。ちなみに、この4日前に訪れた竹田市立図書館も受賞していました。
全国から視察者が来るのか、撮影許可を出すのも慣れたもの。許可証をもらって館内撮影可。
この日は土曜日ということもあり、利用者も沢山いました。
徒歩10分ほどで駅に戻り、JRの駅に相対する、松浦鉄道で有田へ。
駅二階にも伊万里焼の展示があると聞いていたのですが、有料施設でした。