図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

大和市文化創造拠点シリウス(神奈川県)

2022年が明けました。
帰省を直前で取りやめたので、正月休みの予定は特に無し。
首都圏で正月を過ごす折角の機会なので、1月2日でも開いている図書館に行ってみることにしました。
選んだのは、神奈川県大和市の図書館。大晦日と元日のみお休みで、2日から早速開館しているようです。

埼玉の家から車で、大きな渋滞も無かったのに2時間半。事前に分かっていたとは言え、やはり遠かった。。
相鉄、小田急大和駅のすぐ近くにそびえる、新しい大きなビル、大和市文化創造拠点「シリウス」。
この中に市立図書館があります。
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ちなみに駐車場は有料で、30分200円。

ここの中二階には、神社がありました。おめでたい雅楽が大音量で流れています。

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大和天満宮

少々味気ない神社ですが、2022年の初詣はここになりました。

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本殿

神社から屋内に入り、廊下を進むと、いきなり図書館の二階に入りました。
エスカレータ周りの狭い通路に、閲覧席と本棚が並んでいます。
置かれているのは経済、法律などの本。上段には「ジュリスト」「日本法規」などの渋い資料が並んでいます。

三階に上がると、こども図書館、こども広場。
子供の遊具が置かれた「げんきっこ広場」は有料施設でした。正月早々、待ち行列ができるほどの人気ぶり。

四階が図書館のメインフロアのよう。健康都市図書館なる名が付いています。
本棚はライトブラウンで、明るい色調。
コロナ対策で減らされているとは言え、閲覧席はほぼ利用者で埋まっています。
正月2日から図書館に来る人がどれほどいるのかと思っていましたが、こんなに需要があるとは。

本棚には番号が付いています。
21〜27が、まんがコーナー。
かなりの冊数で、今までに見た一般図書館の中では、おそらく最高。
漫画は禁帯出になっており、館内閲覧のみ。貸出されていないので、余計多く見えるのかもしれません。
サザエさん」などの定番は勿論、「原水爆漫画コレクション」「水木しげる大全集」などの図書館らしいものから、
進撃の巨人」「七つの大罪」など、最近の人気作品も揃っています。
鬼滅の刃」だけは別格の人気なのか、カウンター内に別置でした。
数が数だけに、図書館ではあまり見かけないものも多く、小島功ヒゲとボイン」があったのには驚きました。

その傍には、洋書コーナー。
日本の小説の英語版が目立ちます。
「Before the Dawn」は島崎藤村「夜明け前」、「the Beast Player」は上橋菜穂子獣の奏者」、「the Makioka Sisters」は谷崎潤一郎細雪」、「the Devotion of Suspect X」は東野圭吾容疑者Xの献身」といった具合。

棚番号4〜13は、健康に関する本を集めた、健康コーナー。

テラスに出ると、健康遊具が置かれています。「健康都市図書館」の面目躍如、といったところでしょうか。
あいにく、コロナ対策で使用不可になっていました。
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テラスからは、大和の街が一望。
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その先には、細長い空中庭園もありました。
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館内に戻ると、「触れる地球」が置いてありました。
触ると色々情報が表示されるデジタル地球儀のようですが、これもコロナ対策のため触ることはできず。

介護ロボットも展示されています。
これも触れることはできませんでした。

本も豊富ですが、雑誌も豊富。200誌以上はありそうです。
視聴覚資料は、CDが数千枚、DVDは数百枚程度とあまり多くありません。

五階に上がると、棚の色がダークで、シックな雰囲気。
こちらも本棚に番号が振られていますが、全館ではなく、フロアごとの通し番号のようです。

コンピュータの本も、やはり豊富です。高度な本はあまり無いですが。

地域資料コーナーの中央は、ガラスケースに石器、土器が陳列された小さな博物館になっています。
その周囲が本棚で、市に縁のある多くの人が紹介されていました。
まずは、昨年亡くなったノーベル化学賞受賞者、根岸英一氏の追悼コーナー。大和市育ちだったようです。
女子サッカー川澄奈穂美選手の本も展示されています。この人も大和市出身。
「ぴあ」の表紙で知られるイラストレーター、及川正通の本も。大和市在住で、市の仕事も色々しているようです。
「JIN」「龍」などの漫画がここにもありました。これは、作者の村上もとか氏が大和市育ち。
他に、直木賞作家の青山文平、元伊藤忠会長、中国通で知られる丹羽宇一郎も紹介されています。どちらも大和市在住の模様。

点字図書室もありました。
中は誰もおらず、電気は消えていました。

中階段には、「安全性・公平性を確保するため、中階段は朝9時10分まで閉鎖します」なる注意書きが。
座席を確保するため、開館と同時に人が殺到する、ということでしょうか。恐るべき人気施設ぶり。

見ていなかった一階に下りました。
一階はスターバックスと更に階下のローソンへの入口のみ、かと思ったら、ここにも本や雑誌が置いていました。
見当たらないと思っていた旅行ガイド類は、ここにありました。
そして、スタバもほぼ満席の盛況ぶり。

他に一階にはホール、六階には生涯学習センターが入っているようですが、施設の大部分は図書館でした。

このシリウス、2016年の開館から3年で1000万人超を集めたという来館者数、県内一の990の座席数、などを根拠に「日本一の図書館」を自称しているようです。
確かに、正月2日からこの集客力を見せつけられると、ぐうの音も出ません。

蔵書数は令和元年度の統計情報によると、約44万冊。これは、日本一とは言えませんが、立派な数です。

一階から外に出ると、大和駅は徒歩3分の近さ。綺麗なプロムナードで一直線です。
道端には、「図書館城下町」なる幟がはためいています。大和市のキャッチフレーズになっているようです。

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大和駅への道

そう言えば、東名自動車道で大和市を通過した時には、「日本一の図書館の街」なる横断幕が掲げられてるのを見て、気になっていました。
全国各地に次々と魅力的な図書館が誕生する昨今ですが、ここまで図書館を前面にアピールしている街を他に知りません。

隣の道は、昔ながらの繁華街。
こちらにも「シリウスへの楽しい通り道」なる垂れ幕が。図書館が町のシンボルとして認知されていることが察せられます。
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駅の向こう側は「なでしこ広場」。
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ここで、ロンドン五輪銀メダルの祝福式典が開かれたのが由縁だそうで、大和市女子サッカーの振興にも力を入れているようです。

初詣と同時に初図書館詣も終え、2022年がスタートしました。

図書館|大和市文化創造拠点