図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

府中市美術館美術図書室(東京都)

清瀬に用事があったので、少し、と言うかかなり足を伸ばして、府中観光に来ました。
1年前、豊洲に行く途中、府中の桜を見ようと思ってやってきたのに、結局ほぼ通過しただけに終わってしまったという苦い思い出があるので、リベンジ。
駐車場があまり無さそうなので、今回はバイクにしました。
町の中心まであと少しという所で、府中の森公園の桜並木が見えたので、ちょっと立ち寄り。
バイクをどこに停めて良いか分からず、公園の周りをほぼ一周してしまいましたが、何とか停めて園内を散策。

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府中の森公園の桜並木

平日ですが、そこそこ多くの人で賑わっています。
園内には彫刻作品も。
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そして、公園の片隅には、市立美術館があります。
寄る予定は無かったのですが、入館料が200円と安いみたいなので、折角なので観てみることにしました。

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府中市美術館

中に入ると、受付の横に、「美術図書室」があるのを発見!

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図書室入口

入ってみると、小さい室内には美術書がズラリ。
スタッフも一人常駐しています。

日本美術院百年史」「日展史」「柳宗悦全集」などが、手の届かない高さまでそびえる本棚に並んでいます。
雑誌「日本の美術」は、1966年から500刊を超える数。同じ出版社の「近代の美術」もあります。
全国各地の美術館の広報誌や、美術展、美術館の画集も置かれています。

美術だけでなく、建築や書に関する本もあります。
また、美術にはあまり関係の無い、百科事典や国語大辞典、地名大辞典なども。
なぜか「鴎外全集」もありました。

画集、全集の類が多く、いわゆる単行本はあまりありません。
現役の雑誌も、美術関係のものが30誌ほど購読されているようです。

公式サイトに依ると、蔵書数は何と5万冊。
そんなにあるようには見えなかったので、大部分は書庫に入っているものと思われます。
ここは入館料を払わなくても入れます。

美術館の方に入ってみます。
常設展は200円、企画展+常設展だと700円。
ケチって常設展のみにしましたが、200円なのでしょぼいのかと思いきや、、、金額にそぐわない充実ぶりでした。

まずは、小林清親、井上安治の作品展示。
江戸時代の浮世絵の流れを汲む、東京名所図が、明治期に描かれていたとは知りませんでした。

その先も、梅原龍三郎猪熊弦一郎岸田劉生など、著名な画家の作品が多数。

藪野健「ルサ広場にて」なる絵が妙に気になりました。
絵が、と言うより、絵に描かれている、城壁の上を路面電車が走る不思議な光景が気になったのですが、
ネットで調べても情報が出てこないので、架空の場所なのでしょう。

一角は牛島憲之記念館となっており、熊本出身という牛島氏の作品が多数展示されています。
しかし、氏と府中との縁は説明されておらず、不明のままでした。

美術館の開館は2000年とのこと。
正直、府中と言えば競馬場、刑務所というイメージでしたが、芸術の街という新たなイメージが加わりました。

ちなみに公園の北側には、フェンスに囲まれた謎の領域が。桜はこちらの方が綺麗そう。
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何かと思ったら、航空自衛隊の敷地のようです。

美術図書室 東京都府中市ホームページ