秦野には、桜の名所が幾つもあるようなので、見て回ります。
小田急線秦野駅の南口から300mほどの所にある、今泉名水桜公園。
名前を聞いただけで、桜の名所と分かります。
池の水面に映える桜が見事。
周りは住宅、マンションが建て込んでいますが、住宅は撮影するなという少々難しい注文が掲示されています。
そして駅の北口は、出てすぐの街の真ん中を川が流れています。
さながら、京都の鴨川のような光景。観光地とはあまり認知されていませんが、少々レトロな街並といい、実に趣きがあります。
この水無川の3kmほど上流に図書館があるようなので、行ってみます。
少し行くと桜並木が始まり、図書館のある辺りまで来ると、見事な咲きっぷり!
最近のこの手の"ばえる"場所の常で、撮影に興じるコスプレーヤーが大量集結していました。
この辺りはカルチャーパークとなっていて、野球場、テニスコート、ホールなどがあります。
街の中心からは遠いので、駐車場も十分に用意されていました、
図書館はこちら。外には巨大な知恵の輪のオブジェが立っています。
向かいには花時計がありました。
館内に入っていくと、まず目についたのは、洋書の入った回転棚。
その裏にはペーパーバックの並ぶ棚が。全体的に古めです。
三島など、日本文学の英語版もあります。
棚は低めで、館内の見通しは良し。
ほぼ全方位が大きい窓になっています。
奥の方に進むと、「追悼 西村京太郎」のコーナーが。
文庫、ノベルズが机に平置きになっています。
横に10m近くはあろう棚に、
ハヤカワ文庫、創元推理文庫、岩波文庫、岩波新書などがズラリと並んでいます。
そしてその裏はと言うと、ハヤカワミステリー文庫で埋め尽くされていました。
海外ミステリーに関しては、専門店クラスの品揃えではないでしょうか。
でも、普通の小説類の文庫本は?別の所にあるかと思ったら、結局見つかりませんでした。
その横には、筑摩叢書の棚も。なかなかマニアック。
広い窓の下も本棚になっています。
その一つが「丹沢、山岳コーナー」。
山が迫り、ハイキング客も多い、この街ならでは。
雑誌コーナーは、ガラス張りの出窓のようなスペースにあります。
一番奥の壁には、文学全集。
鏡花全集や大佛次郎、金子光晴、開高健等々、4,50年前の刊行の古いものが多数。
コンピュータの本は、技術的なものは少ないものの、まあまあのラインナップ。
CDは陳列はなく、目録のみでした。
漫画は手塚治虫、サザエさん、ゴーマニズム宣言などが少し。
階段で二階に上がってみると、「はだの浮世絵ギャラリー」なる部屋がありました。
「東海道中膝栗毛」「三国志」「忠臣蔵」「南総里見八犬伝」などが展示されています。
フラッシュ撮影禁止とのことなので、普通の撮影はOKのようです。
秦野出身の歌人、前田夕暮記念室もあります。
写真、歌集がガラスケースに入っていました。
部屋の前には歌人、谷鼎の紹介コーナーも。
奥は、調査研究室。
郷土資料、参考資料の部屋です。
秦野市、県内に関する資料が大量にあります。行政資料が多め。
前田夕暮の本はここにもあります。
神奈川大、東海大など、地元の大学の研究紀要もありました。
閉館の夜7時が近づいたので、退館。玄関の横にはステンドグラスが輝いていました。
蔵書数は約54万冊と、なかなかの充実ぶり。
開館は1985年と、思いの外、時が経っています。
山小屋風の洒落たデザインは、今でも古さを感じさせないので、当時の図書館としてはかなりモダンな存在だったのでは無いでしょうか。
この日は、秦野で桜をたっぷり堪能。最後もライトアップされた水無川沿いの桜を眺めながら、家路に就きました。