図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

新宿区立中央図書館(東京都)

7月最後の日曜日、所用で都内にやってきました。
東京メトロの一日券を買って、まずは副都心線西早稲田駅で下車。
地上に出ると、大通りの明治通り

早大理工学部の先を右に曲がると、一転して緑溢れる静閑な道が現れます。

数分歩くと、新宿区立中央図書館に着きました。

私が学生だった30年前は、新宿区の中央図書館と言えば西落合にあったのですが、
いつの間にか新しい中央図書館が出来たと知り、来てみたいと思っていました。
何と言っても大都会新宿区。当然、最先端のピカピカな図書館だと思って来たのですが、、ちょっと想像と異なります。

入口

見るからに学校の建物。廃校を利用して図書館にしたようです。

自動ドアを入ると、検温機が壊れたとかで、検温計を持った係の人が座っています。
検温を済ませ、入館。
やはり学校跡らしく、小さな部屋に分かれています。
まずは新聞・雑誌コーナー。
新聞は30紙ほど、雑誌は300誌ほどと、中央図書館の名に恥じぬ豊富さ。
外国語の雑誌も15誌ほどありました。

カウンター前には、ガラスケースがあり、
共に新宿で過ごした経験を持つという、手塚治虫夏目漱石の初版本風の復刻版が展示されていました。
頼めば、見せてもらうことも可能のようです。

先に進むと、視聴覚コーナーがあります。
DVD、CD、VHSがぎっしりと並んでいます。
CDは古めに見えますが、かなりの数。
DVDは、映画はあまり多くなく、文化資料やNHK番組が多いようです。

続いて参考図書室。
新聞縮刷版、官報、辞典辞書類などがあります。

一番奥には、地域資料がありました。
歌舞伎町、早稲田、友好都市という信州の高遠町に関する本などがあります。
とりわけ歌舞伎町関連の本はかなりの数。
新宿を舞台にした近代小説も。「不夜城」「月の満ち欠け」「四谷怪談」等々。
地域資料漫画コーナーには、新宿区で暮らしたり仕事場があったりした作家の本が並んでいます。
赤塚不二夫の作品が多数並ぶほか、現在休載中の読売新聞の漫画「コボちゃん」、新宿を舞台にした「真夜中のオカルト公務員」「坊っちゃんの時代」などがありました。

エレベータで四階へ。
四階は事務室、会議室だったので、階段ですぐ下へ。
三階はこども図書館。
畳敷きのエリアがありますが、コロナ対策か使用禁止になっています。

二階は一般書。
深緑の絨毯、白い壁に白いスチール棚、柱を黄緑色に塗り、
古さの隠せない建物をお洒落に演出しています。
天井は穴の開いたベニヤ風の板だったりして、昔の学校らしさを留めています。

廊下には、外国語の観光ガイド、各種相談会、美術館、イベント情報などのパンフレットがたくさん置かれています。

コンピュータの本は、やや古めながら専門的な本もまあまあ置いていました。
旅行ガイドは窓際に。「地球の歩き方」始め、国内外のガイド本がズラリ。
しかし、特に珍しい本は見当たりません。

エレベータ横には、「手塚治虫文庫」として手塚作品が並んでいました。館内専用とのこと。
ガラスケースにはサイン色紙、手塚キャラの描かれた宝くじも陳列されていました。

その先には文庫本コーナー。5、6千冊はあります。

奥には大型本コーナー。画集などが大量にあります。洋書、新書もここにありました。

更に奥には閲覧席。ほぼ満席でした。
その中には、戸山中学校の記念コーナーが。ここの前身の学校名が判りました。
校歌額、校訓などがガラスケースに飾られています。

入った時には、検温の人に気を取られて気付きませんでしたが、
出入口の脇にも、戸山中学校のメモリアルコーナーがありました。
貼ってあった年譜から、平成17年、即ち2005年に閉校になったことが判明。
校旗、表札、校章などが飾られていました。
ここが中央図書館になったのは、2013年からのようです。

区内最大を誇る蔵書数は、約25.6万冊、視聴覚資料は2.4万点。
事前の想像とは違いましたが、これはこれで、都会の図書館の新しい形と言えそうです。
ちなみに三階のこども図書館は、中央図書館とは別組織のようで、こちらだけで蔵書数は11.8万冊。

入った時とは反対側に出ると、校庭の跡でしょうか。家庭菜園のような花畑のような緑地が広がっていました。

こちら側から見ると、より学校らしさが感じられます。

館内案内 | 新宿区立図書館