図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

金沢市立金沢海みらい図書館(石川県)

福井を出て、金沢へ車を走らせます。
この街には、是非とも行ってみたいと思っていた、有名図書館が2つあります。
まずは、金沢海みらい図書館。名前の通り、街の中心からは離れた海の近いエリアにあります。

カーナビに従い、郊外のやや殺風景な道を走っていると、突如水玉模様の奇抜なデザインのビルが出現。

駐車場に車を進めます。
返却ポスト利用者専用の駐車スペースもありました。これは初めて見たような。
駐車場には、誘導員が二人もいました。夏休みで混んでいるためでしょうか。

改めて近くで見ると、まるで草間彌生の作品のよう。

入口にも、駐車場が混んでご迷惑をおかけします、のようなことが書かれていました。半ば観光スポット化しているので、お盆は特に混雑するのでしょうか。この時は、そこまで混んではいなかったですが。

一階は児童書です。
中央にエレベータと、それを取り囲むように螺旋階段があります。
階段で二階へ。

カウンターと、その裏には3枚の絵が現れました。「金沢の巨匠 高光一也と村田省蔵」と紹介されています。共に、今の金沢美術工芸大の出身とのこと。
絵はもちろん、館内の撮影は残念ながら不可。
撮影目的の来館はご遠慮ください、なる掲示もありました。コロナ禍以前は撮影可能だったのかもしれません。

二階から三階は、吹き抜けになっており、エレベータが円筒状に中央を貫いています。
水玉模様の窓は、人の背が届く範囲は曇りガラス、上の方は透明のようです。
まるで海中にいるような感覚になります。

建物自体のデザインに目を奪われ通しですが、白いスチール棚に収まる蔵書もなかなか充実しています。
返却されたての物か、周りの机の上にも本があります。
旅行書は豊富ですが、なぜか地元のものは少ない。
コンピュータの本は、数は多いものの、Word、ExcelWindowsなどのマニュアル本が多くて、質はもう一つ。

エレベータで三階へ。館内を見ながら上っていけます。
三階は学習室と、参考図書のようです。
左に行くと、日本海情報コーナーとなっていました。

北前船、水運、加賀の豪商銭屋五兵衛などに始まり、近隣国の歴史、全国の県、市町村史、
海洋学、生物、語学、外国語の本、文化、自然、社会と、日本海に関係のあるものから無いものまで、何でもあり。
アイヌ文学、ロシア文学などもあります。
姉妹都市コーナーには、現地語のものも含め、姉妹都市に関する資料があります。
その都市とは、中国の蘇州、韓国の全州、ロシアのイルクーツクアメリカのバッファロー、フランスのナンシー、ベルギーのゲント、ブラジルのポートアレグレ。さすが金沢、比較的名の知れた都市ばかり。

大きなチェストには、海図も置かれていました。海図というもの自体ほとんど見た覚えが無く、これは珍しい。
「ボート倶楽部」「港湾」「クルーズ」「海運」など海関連の雑誌も置いていました。

右側は地域情報フロアでした。
日本海情報コーナーが郷土資料コーナーも兼ねているのかと思ったら、こちらだったようです。
石川県、金沢の歴史、文学などに関する本が豊富に取り揃っています。金沢検定の予想問題集なども。
二階の旅行書コーナーには金沢の本が少ないと思ったら、ここにありました。

その先は、ものづくり情報コーナー。
伝統工芸の盛んな金沢、そういった本の他、工業、建築、農業などの本がありました。

このユニークな図書館、開館したのは2011年。
蔵書数は29万冊ほどと、立派な数字。
小さな窓で、且つ外が見えないので、長く居ると少々息苦しさも覚えてきます。
日光が当たらないので、本の保護には良さそうですが。
とは言え、この感覚は他所ではなかなか味わえません。

駐車場側から

疑似海中体験をしていたせいで、海が見たくなり、金沢港へ。海が近いと言っても、1km以上は離れていました。
クルーズターミナルは、2020年に出来たばかり。

ちょうどコロナ禍の始まった年なので、本格的に活用されるのはこれからでしょう。

金沢港

神戸の海洋博物館にもあった、操船シミュレータがここにも。人は少なく、穴場です。

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