図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

石川県立図書館(石川県 金沢市)

海みらい図書館と並んで、金沢でもう一つ見たかったのは、県立図書館。
先月7月16日に移転開館したばかり。開館前からすごいものが出来るらしいと話題になっていました。
最新のカーナビにも入っていないので、スマホで場所を調べて車を走らせます。
21世紀美術館兼六園のある中心部から南東に約2km、小立野地区にあります。元は金沢大工学部だった土地とか。

道路沿いに、時折案内看板が出ています。それに従えば迷わず着けました。
駐車場は30分無料。館内の機械で手続きをすると3時間無料になります。
話題の新スポットなので混雑も予想されましたが、既に夕方5時だったので、さほど混んでいません。

ロビー。早くもただならぬ雰囲気を感じます。

写真撮影は、人の顔や書名が分からなければ自由とのこと。

閲覧エリアへ足を踏み入れます。
これは、、すごい!
劇場のように擂り鉢状に並ぶ本棚、エスカレータに空中回廊。

銀河鉄道999に出てくるどこかの駅のよう。
下から見上げても、すごい、の一言。

全く見たことのない図書館空間ですが、私の知る範囲で似た所を強いて挙げるなら、水戸の西部図書館海老名あたりのツタヤ図書館を混ぜたような感じでしょうか。

一階中央では、最近恐竜を前面に押し出しているお隣、福井県のお株を奪うような、恐竜特集をやっていました。

幾重にも本棚が広がる不思議空間。
館内図は、やはり水戸の東部図書館に似ています。各通路に名前が付いています。

劇場部分の棚は、テーマ名が付けられています。
「日本を知る」には、国内各地のガイドブックの他にも写真集、「陸王」「家康江戸を建てる」などの小説まで。確かにテーマ通り、色々な本が。
司書さんも、本棚造りをさぞ楽しんでいることでしょう。
純粋に本を探しやすいかというと、微妙な気もしますが。

郷土資料は、三階の円形の外側。
「石川県を知る」の棚には、表示を前に本が並べられています。
その先にも膨大な量の本が。さすが県立図書館。
県内市町村の広報誌、県内大学の研究紀要などがズラリ。
文学では泉鏡花徳田秋声が二大巨頭のようで、著作が多数。
泉鏡花文学賞受賞作もあります。横には心地良さげなハンギングチェアが。

「生き方に学ぶ」には、偉人伝、冒険記、皇室関係など、やはり色々な本があります。

四階は、天井に頭が擦りそうな低さ。

四階から

円周を左回りに一周すると、様々なテーマのコーナーに分かれています。
「翻訳文学のはじまり」には、洋書、古書の復刻版が並んでいます。
ドラゴンボールZ」「鬼滅の刃」「NANA」など人気漫画の英語版もありました。

ヴィクトリア朝文学と挿絵画家の誕生」には、百年ほども経っているかなり古い洋書が多数。
ボロボロのEncyclopaedia Britannica(ブリタニカ百科辞典)には、大正2年寄贈なる印が押されていました。百年を軽く超えています。

「本のはじまりと図書館の歴史」。ここにも古書の複製本がズラリ。
回る方向が逆だったかなという気もしましたが。

「世界で愛されるファンタジー」には、各国版の「星の王子さま」が、数十言語も置かれています。
ハリーポッター」も数言語ありました。

三階に戻ると、「石川コレクションマンガ全巻」なるコーナーがあり、「銀の匙」「とめはねっ」「ぴんとこな」「もやしもん」などの有名どころが置いています。
が、舞台が石川というわけでも、作者が石川出身というわけでも無さそう。謎でした。

「自分を表現する」には、映画の本、絵画、芸術の本が集まっています。
さほど多くはありませんが、映画のDVDも置いていました。

コンピュータの本は定石通り、総記にありました。新しめで、あまり見かけないユニークな本が多いのですが、数は少なめ。

一階の一角が、こどもエリアになっています。
広々とした閉空間なので、子供たちが自由に遊び回っていました。

こどもエリアから出ると、一般雑誌コーナーがありましたが、数は少なめ。
雑誌は色んな所に点在して置かれているためでしょう。

平日は19時まで開館。
時間も無くなってきたので、そろそろ出ようかと一階玄関に戻ると、ブックリウムなる部屋を発見。

ブックとプラネタリウムをかけたのでしょうか。
巨大なスクリーンに、星雲のような本の渦が現れました。

好きなテーマを入力して、本の検索も出来るのですが、検索機とせての実用性は微妙。

入った時とは反対側の出口を出ると、前知事の揮毫による立派な館銘板が。
こちらが正面玄関だったようです。

開架の本は約30万冊。蔵書数は移転前の情報で約88万冊、収蔵能力は、全国屈指の230万冊とか。
図書館というより、本を題材にした博物館、或いはテーマパークと言っても良いかも。百万石ビブリオバウムなる副名称もあるようです。
駐車場も3時間無料なら、いっそのこと無制限で良いのに、と思いましたが、これなら金を払ってでも一日中入り浸りたくなる人もいることでしょう。

円形部分はテーマ別展示、円の外の部分が普通の分類の書棚、ということは掴めてきましたが、一回の訪問では、全容を把握するのは困難でした。
またいつの日か、再訪したいものです。

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