図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

入善町立図書館(富山県)

高岡を出て、富山県を横断、東部の入善町に入りました。
町の観光スポット、杉スギ自然館に行きたかったのですが、入場は4時半まで、とのことで間に合いそうに無いので断念。
6時まで開いている図書館を目指します。

町民会館と一緒にある町立図書館は、国道8号線からすぐ近く。
休憩がてら、寄ってみます。

駐車場に車を停めると、目の前にあるのは、まるでヨーロッパの宮殿のような建物。

中に進むと、中庭というよりパティオと呼びたくなる空間が。

廊下には、彫刻が並んでいます。

長らく海外旅行に行けていませんが、束の間海外気分が味わえました。

彫刻の並ぶ先に、町民会館の入口が。この中に図書館もあるようです。

ロビーの隅には、カフェがありました。
図書館にカフェがあるのは別に珍しくないですが、ここは純喫茶風。異彩を放っています。

図書館へ。
中央に新刊、話題の本の棚があります。
その棚は、完全に本屋さんのそれ。
上は面陳と呼ばれる表紙を前にした陳列、真ん中は普通の棚差し、
下は平置きとなっています。

雑誌は百誌弱。これも面陳なのは普通ですが、新聞も珍しく面陳。
毎日新聞は、販売店閉店で受入停止とのこと。寂しい話です。

CD、DVDもあります。
ただしDVDは百枚も無いくらい。

雑誌棚の裏は、旅行ガイドでした。
「週刊世界遺産」「週刊地球紀行世界100都市」「ふるさと百名山」など、薄っぺらい雑誌が多数ありました。

ベージュの絨毯は、少々くたびれています。
棚もベンチも木製で、壁、床はベージュというか、くすんだ白。
木彫り彫刻の椅子が一つ。
女性の膝に座り、背もたれは体という、少々官能的な作品。

全体的に、本は少なめ。
コンピュータの本は20冊ほどしかありません。

「日本の小説」「外国の小説」だけ、位置を示す案内板が天井からぶら下がっています。

文庫本はまあまあの数。
時代小説とラノベ系の二極化傾向な気がしました。

参考資料コーナーはありますが、郷土資料が見当たりません。
特別展示「ふるさととやまの本」なるコーナーがありましたが、これがそれでしょうか。
隣には、「柏原兵三その人と文学」なるガラスケースが。
知らない名前でしたが、芥川賞受賞作家のようです。
代表作「長い道」や遺稿、手紙のコピーなどが展示されています。

映画「少年時代」の舞台がここ入善町、とも紹介されています。
原作者の藤子不二雄Aが「長い道」に影響を受けて描いたとのことですが、調べたところ、その原作の原作が「長い道」だとか。

入口脇には、「定礎 昭和61年」の字が刻まれていました。
欧州風の建築は、バブル前夜の遺物でしょうか。
11年前の情報ですが、蔵書数は約9万冊。
国道から近いという理由で選んだだけで、特に予備知識は無かったのですが、思いがけずユニークな図書館を引き当てました。

反対側にも出口が、と言うか、図書館としてはこちらが正面玄関のようでした。

裏には、蔵のような文化資料館がありました。

あいにく、鍵は閉ざされていました。

この旅での図書館訪問は、ここが最後になりました。未開拓だった北陸三県の図書館を、計7館訪問。
その後は糸魚川、白馬、長野を通って、埼玉の自宅に着いた時には日付が変わっていました。

入善町立図書館/入善町