図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

富士吉田市立図書館(山梨県)

三連休、泊りがけで出かけることにしました。宿を取ったのは、富士山麓の山中湖。
高速道路の渋滞を避けたつもりが、三連休初日とあって、一般道も渋滞続き。何とか山梨県まで入ろう、とひたすら車を走らせ、初の休憩は、埼玉の家を出てから実に4時間後。
秋山村、現在上野原市のこの地に、図書館があるはず。
市役所支所の裏手に車を停めて、中に入ろうとしたのですが、、完全に閉まっています。図書館という文字も見当たらず。

秋山支所、元図書館分館

スマホで調べてみると、今年3月末で閉館、移動図書館に移行したとのこと。。
カーナビもGoogleMapも、そんなことは教えてくれず。
周辺には食事処はおろか売店も見当たらない辺境の地で、しばし呆然とする他はありませんでした。
まあ、図書館があったら逆に不思議なくらいのロケーションですが。

気を取り直し、次の富士吉田に向けて再び出発。
程なく、山を貫く巨大建造物が出現。

リニアモーターカーの実験線に違いありません。
もはや実験線というより実用線ですが。
昼食もコンビニで済ませ、富士吉田市の図書館に到着したのは3時過ぎ。
イベントホールなども入る、大きな市民会館です。

駐車場から

図書館は、一階のガラス張りの一角。
ガラスには、矢部太郎直筆「大家さんと僕」のイラストが描かれていました。

図書館に入るとすぐ、「ウクライナとともに」なる企画展示がありました。
写真家、T.T.Tanaka氏の写真が展示されています。
中央は吹き抜けで、二階はギャラリー席のように、周縁のみ。
カウンター前の四角く囲まれた空間は、視聴覚資料コーナーでした。

文芸書の棚は、側面に「愛川晶伊坂幸太郎など」と、特定の作家の名前が
例示されています。
伊坂や小池真理子辺りは分かりますが、小笠原京、大村友貴美、松崎洋など、失礼ながら少々マイナーな人が取り上げられています。
司書さんの趣味?地元との関係の深さ?など色々邪推してしまいましたが、
よくよく見ると、あいうえお順に並んでいて、たまたま棚の最初と最後に当たった人の名前が書いてあるだけでした。

漫画がなかなか充実。豪華版が中心です。
機動戦士ガンダム」の漫画版が揃っているのは珍しい。

外国語の本も少しありました。英語のみのようです。

私がいつもチェックするコンピュータの本は、あまり高度なものはありませんでした。

二階への階段下に、百鬼丸特集なるコーナーがあり、時代小説が集められています。
なぜ百鬼丸なのかの説明が無く、もやもや。
調べても、手塚治虫の漫画「どろろ」の登場人物というくらいしか分かりませんでした。
お隣は「富士山を知る」。富士山の写真集が多数。
作家、李良枝の紹介パネルもあり、著作が置いていました。
地元出身で、芥川賞受賞の3年後に若くして亡くなったとか。

二階は、学習席に新聞、雑誌に、文庫本や新書あり、大型写真集あり、参考図書あり、と色々置いています。
児童書も一部置いていました。

郷土資料もここ。山梨県、富士吉田、富士山に関する本が多数あります。
かなり古い本も混じっており、全5冊の「富士の研究」は昭和3年刊。
そんな中に、なぜかプロレスラー武藤敬司の本が何冊か。
自伝をパラパラっと見るとやはり、富士吉田出身のようです。

普通の棚に加え、ガラス扉の付いた棚もあります。
鍵はかかっていませんでした。

二階の窓からは、富士急の線路が目の前。電車が通るとなかなか迫力あります。

開館は2011年、蔵書数は約24万冊とのこと。
富士への玄関口に相応しく、関連資料も豊富な充実の図書館でした。

正面(線路側)

ロビーにはカフェが、と思ったら「うどんカフェ」。
名物吉田うどんが食べられるのでしょうか。この時は営業時間外でした。

場所は、富士急の月江寺駅の近く。
昭和レトロな町として月江寺の商店街がガイドブックに載っていたので、行ってみます。

駅名の由来になった、月江寺(げっこうじ)もすぐ近く。なかなか立派です。

程なく商店街に入ってきました。
晴れていれば、正面にドーンと富士山が構えているのだと思うのですが、あいにくの曇天。

天気予報に反して雨が降らなかっただけ救いです。

どこを取っても絵になる町ですが、特に凄かったのが、新世界乾杯通り。
遊郭跡としか思えない建物がひっそり残っていたり、

見るからに怪しげな老ビルが建っていたり、

実にディープ。

その後は山中湖へ。
日も暮れそうなので急いで向かわねば、と思いながらも、沿道に
北口本宮冨士浅間神社の案内を見つけ、寄ってしまいました。

いつの日か、富士登山に来ることも誓いつつ、旅の安全をお祈り。

富士吉田市立図書館