図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

八戸市立図書館(青森県)

八戸から八戸線に乗りました。

二駅目、本八戸で途中下車。
駅の規模や利用者数では、新幹線の停まる八戸駅に大きく水を開けられてしまいましたが、本来の八戸市の中心地はこちらです。

まずは、駅からほど近い、八戸城跡へ。
高台から街が一望です。

更に南に進むと、八戸市の繁華街。

廿三日町

繁華街を越え、駅からは徒歩約20分。
市立図書館にやって来ました。

館内は何とも不思議な形。
三菱のマークのような形かな?と思いましたが、地図で見ると、金平糖のような十六角形のようです。
水色の壁と絨毯に、白いスチール棚。

入口傍に、郷土資料コーナーがありました。先ほどの、小さな図書情報センターと大きく変わらないような。

最奥には、文庫本だけのコーナーがありました。
多くの棚に分かれています。

外国文学の奥には、洋書コーナーがありました。古びた本が多く、新しい本はあまり入れてなさそう。

雑誌のバックナンバーを入れた棚の天板が、CD置き場に。
背を上にして並んでいて、一昔前の中古CD屋みたい。
置かれているものは、やはり古め。20年くらい更新が止まっていそう。

文庫本の棚は他の所にも。岩波文庫岩波現代文庫岩波新書の専用棚もありました。

コンピュータの本は質、量ともまあまあ。

二階は、参考資料と学習室のようです。
現行日本法規、百科事典、法律誌などが並ぶ重厚な空気。

中に進むと、三浦哲郎文学コーナーがありました。八戸出身のようで、膨大な著書が棚一つを独占しています。

隣には、大塚甲山文庫。
これも地元の明治時代の詩人で、早逝されたようです。
本人の著作は少なく、他の人の詩集などが多数。

その奥には、膨大な郷土資料がありました。行政資料、新聞のスクラップ、書籍が大量にあります。
県立図書館並み、と言っても行ったことは無いのですが、青森市民図書館には匹敵します。
郷土作家の本として、太宰治寺山修司など。
一階の入口傍にも郷土資料がありましたが、あれは予告編に過ぎませんでした。

八戸藩日記」などの史料がズラリと並びます。
図書情報センターにもあった「八戸藩遠山日記」は図書館の刊行だったようで、まだ刊行が続いています。
江戸時代の医師、安藤昌益文庫もありました。一時、八戸に住んだそうです。

二階の隅には、飲食コーナーもありました。

蔵書数は、堂々の約38.3万冊。
現在の施設は1984年の開館ですが、そのルーツは明治7年設立の八戸書籍縦覧所で、存続している公共図書館としては日本最古!とか。
何の予備知識も持たずに訪れていましたが、後で調べて驚きました。

この街でもう一つ見たかった所が、全国でも珍しい市営の書店、八戸ブックセンター。繁華街の中心、一等地にあります。

左が八戸ブックセンター

店内には「本のまち八戸」とのフレーズが踊っています。
本屋が消滅しかけるような町が?と思ってしまいましたが、最古の図書館の存在があればこそのフレーズだったのかも。
店内は実にお洒落。東京駅前の丸善をちょっと思い出しました。
中央にはカフェがあり、本を読みながら飲めるとのこと。
よく見ると、売り物の本にビニールカバーがかけられています。
直木賞候補にもなった呉勝浩氏が地元出身とのことで、著書が置かれていました。

さくら野百貨店の脇に、もう一軒書店を発見。
街から書店が消えてしまい、市がブックセンターの経営に乗り出した、という話と記憶していたのですが、専門書を扱う書店が消えたというだけで、書店自体は幾つかある模様。
この街の規模なら当然ですが。

市役所の周りでは、八戸工業大学の学園祭をやっていました。
模擬店では八戸名物のせんべい汁を売っています。
昼食の時間が取れそうになくなってしまい、どうしようと思っていたところだったので、手軽にこれを昼食にすることに。

学生さんの手際の悪さはかなりのものでしたが、味の方は申し分ないものでした。

本八戸駅

本八戸駅に戻り、再び八戸線に乗車。
車内は激しく混んでおり、終点久慈まで立ちっぱなしでした。

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