図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館(東京都 千代田区)

東京御茶ノ水で、私の好きな漫画家、矢口高雄展が開かれていると知り、行ってみることにしました。

地下鉄を御茶ノ水駅で下車、まずは湯島聖堂へお参りに。

寺院かと思っていたら、江戸時代に建てられた孔子廟とのこと。
大きな孔子像もありました。

目当ての会場は、湯島聖堂とは駅を挟んで反対側です。
この辺りは大学が乱立する学生街。この日は日曜日なので、さほど学生の姿はありませんが。
明大と日大の施設が入り混じる、不思議な一角を西に進んで行くと、、

ありました。米沢嘉博記念図書館明治大学の施設です。

一階の展示室にいざ入らん、とすると、、、満員のため入場制限中とのこと。
隣の入口を入った、エレベータ前の狭い空間で待機するよう言われました。
入口脇にポスターが貼られていました。

15分ほどしてから職員の方が呼びに来て、入れてもらえました。
入ってすぐは、常設展示。通路の両側のガラスケースの中に、古い漫画雑誌などが展示されています。
その奥で矢口高雄展が開かれていました。
常設エリアは撮影禁止ですが、こちらの方はOKとのこと。

多くの原画が飾られていました。
ごく普通のスケッチブックに描かれたものも。「釣りキチ三平」を愛読していた子供の頃は意識していませんでしたが、改めてその精緻さに感動します。

実はこの矢口高雄展、4期に渡って開催されていたようで、これが最後の4期目。気づくのが遅かったですが、こうして訪問できたのは僥倖でした。
矢口の出身地、昨年訪問した横手市には増田まんが美術館があるそうで、こちらもいつか訪ねてみたいものです。

館名に冠される、米沢嘉博を紹介するコーナーもありました。
この名を聞いてピンとくる人は少数派だと思いますが、一体何者かと言うと、明治大学出身、漫画評論家コミックマーケット創始者
2006年に53歳の若さで亡くなり、彼の蔵書を元に2009年に開かれたのが、この図書館とのこと。

二階には有料の閲覧室があり、矢口氏の作品も置かれているとのことなので、行ってみます。
入場前に待機していた所が、二階への入口でした。

エレベータで二階へ。荷物は入口前のコインロッカーに預けます。
ドアを開けると、受付があります。初めてなので、詳しい説明を受けました。

開架は8千冊ほど、大部分は閉架で、出庫してもらうのに110円かかるとのこと。
330円を払って、一日会員として入館しました。
ちなみに明大生は無料とのことで、ちょっと羨ましい。

広いとは言えない館内は、逆L字型。棚に漫画、漫画に関する本、雑誌が並んでいます。
椅子、ソファが20席以上はあるでしょうか。
多くの人が思い思いの時を過ごしていました。

棚の上には、漫画家のサイン色紙がずらり。数えると62枚ありました。
やなせたかし植田まさし魔夜峰央谷口ジロー、等々、錚々たる面々です。

「ガロ」「COM」「マンガ少年」など、昔の漫画雑誌が多数並びます。
ただし開架になっているのは、1979年以降のもの。

「マイアニメ」「OUT」なと、古いアニメ雑誌も。
「アニパロコミックス」などがあるのは、如何にもこの図書館らしいところ。
米沢嘉博の著作や、歴代のコミケカタログもありました。

海外漫画も少々。韓国のものが多めです。

著名なものを中心に、普通の漫画本も置いていますが、多くは一部の巻のみ。
やはり大部分は閉架書庫に入っているようです。
映画が上映中で話題の「Slam Dunk」は全巻出されているようでした。

矢口高雄の本も、特別に大量に置かれています。
近所の図書館にはまず置いてなさそうな、貴重な初期の作品を何冊も読むことが出来ました。正直、初期の頃はかなり画が稚拙な感は否めませんが。

さて、この記事のタイトルには2つの図書館名を記しています。
この関係が少々難しい。
いずれも明治大の施設で、現代マンガ図書館の方は元は別の場所にあったのですが、スペースが作れたので米沢嘉博図書館の方に移って来たとのこと。
パンフレットもWEBサイトも別々に用意されているのですが、実質的には1つに統合されています。
開架になっているのは、基本的には米沢記念の方の蔵書で、マンガ図書館の方は基本閉架とのこと。
両館合わせた蔵書数は、堂々の約34万冊。

実は明大では、東京国際マンガ図書館を建設中とのことで、この日行った所はその先行開館という扱いになっている模様。
帰りに神保町方面に歩いて行く途中、何気なく写真を撮っていたのですが、実はここが建設予定地だったようです。

新図書館建設予定地。遠方は明大本部。

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