図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

富士河口湖町生涯学習館(山梨県)

泊りがけで富士五湖の一つ、河口湖に行くことにしました。
まずは河口湖と西湖の間にある、足和田山に登ります。往復3時間ほどの小登山。
前日天気が悪かったこともあり、雪が残っているかと懸念しましたが、全くありません。

最初のポイントは、三湖台。
3つの湖が拝めるのかと思いきや、眼下の西湖と、遠方に精進湖と思しきものが見えるのみ。

西湖

山頂は五湖台。
5つの湖が拝めるのかと思いきや、やはり眼下の河口湖と、遠方に本栖湖が見えるのみ。

眼下には河口湖

富士山が拝める人気コースのはずなのですが、その頂も雲に隠れていました。

来る途中の高速道路からはばっちり見えていたのですが。

車に戻り、西湖の畔をドライブ。

西湖から

先程よりは富士山の姿が現れてきました。が、頂上は雲の中。

河口湖まで来ると、また雲が増えて来ました。

河口湖大橋を渡ると、富士河口湖町の中心部。
町役場。まるで美術館のようです。

その横に、図書館があります。

ロビーには、プチ古本市なるコーナーがありました。一冊50円とのこと。
館内に入ります。
「旬の本」のコーナーがありました。ここ数年で何らかの賞を取った本のようです。

続いて、最近の書評に載った本のコーナー。
この手の企画はたまに見かけますが、ここはその数、数百冊。ここまで大規模に集めている所は見たことありません。

半円形の館内は、屋根の梁が放射状に広がり、富士の裾野のよう。
写真を撮りたくなるところですが、館内撮影は不可とのこと。

友好都市、スイスのツェルマットのコーナーもありました。
写真展示の前に、スイスに関する本が並んでいます。

その先のCD、DVDも豊富。
CDの間に挟まれて漫画コーナーもありました。

AVブースの周りには「読書会に使用された本」が並びます。
窓際には、畳敷きのエリアもありました。
掘りごたつのように脚を下ろせるようになっているのがユニーク。窓の外には石垣、その上に林が広がっています。

コンピュータの本は、専門的なものはあまりありませんが、数は豊富。
ユニーク。
旅行書もなかなか面白そうなものが揃っています。

最奥はヤングアダルト
コミックコーナーがここにもあり、なかなか充実しています。
入口近くのマンガコーナーを改めて確認すると、こちらは学習マンガのコーナーだったようです。
そう言われて見れば、置かれているのは「ブラックジャックによろしく」「岳」「もやしもん」「天才柳沢教授の生活」など、多少教育的なラインナップ。
かと思えば「こち亀」「ゴルゴ13」など、かなり微妙なものも置いていますが。

洋書も豊富。
棚には、English and other languages books selectionと書かれていますが、英語以外は見つけられませんでした。

文芸書の棚には、著者名の見出し板があります。
これがかなり細かく、少々マイナーな作家さんも網羅。しかもふりがな付き。

郷土資料は、富士山郷土学習室なる部屋になっています。
県内市町村の資料、富士山に関する本、新聞切り抜き、富士山が登場する小説など、膨大な資料があります。
写真集だけで百冊は超えそう。
中には、太宰治コーナーも。富士河口湖町の御坂峠に滞在し「富嶽百景」を著したのが縁のようてす。
よく見ると、この部屋が半円形の館内の中心。
やはりここが富士山の頂上になるように設計されているのでしょうか。

学習室の入口付近には、写真家テラウチマサト氏の寄贈資料も。
どういう縁かは不明でした。

小さいながら、大江健三郎氏の追悼コーナーもありました。
思えば氏の訃報の後、図書館に来たのは初めて。
日本でたった二人のノーベル文学賞受賞者にしては、ニュースの扱いが小さい気がしていましたが、さすが図書館は氏へのリスペクトを忘れません。

雑誌は百誌ほど。
壁には、石板なのか木版なのか、オブジェが飾られています。
児童書は壁の向こうにありました。

間もなく閉館の午後5時。閉館15分前を知らせるアナウンスの後、音楽が流れてきました。
珍しくボーカル入り。聞き慣れない曲ですが、富士の裾野などが歌詞に登場するので、ご当地ソングなのでしょう。

窓の外側

開館は2006年。蔵書数は約20万冊。
力のこもった取り組みの多い、ユニークな図書館でした。
思えば、河口湖のライバル?山中湖村の図書館もここに負けす劣らず、なかなかユニークでした。
しかし、あそこはほとんど人がいなかったのに対し、ここはかなり利用者多め。
訪れた時間が違うので、単純比較は出来ませんが。

河口湖生涯学習館 -- 施設案内