ヴィシェグラードへのバスに乗るため、早朝にトラムに乗車。
セルビア人共和国内行きバスが出る、サラエボの東バスターミナルに着いたのは、朝6時半頃。6:50発のはずが、乗り込むなり発車しました。
そして、東ターミナルを出たバスは約20分後、ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦(BiH)内の中央バスターミナルに停車。
えっ?セルビア人共和国内のバスは、BiH内には停まらないと聞いていたのですが。実際はそんなことも無いようで。
そして、私が買った切符は、この中央ターミナルから乗るものだったのでした。東ターミナルに着くのがあと少し遅れていたら乗り遅れていた、、と分かると冷や汗が出ました。
この時までは、己の運の強さに、悦に入っていたのですが。。。
旅行の直前にノーベル賞作家、イヴォ・アンドリッチの「ドリナの橋」を読み、その舞台のヴィシェグラードには絶対行こうと思っていました。しかし交通が非常に不便ということも分かり、、悩んだ末に決めた旅程は、9時12分に着、1時間ほど観光して10時15分のベオグラード行きバスに乗る、というもの。
果たしてバスが時間通り着くのか、見学時間が確保できるのか、ドキドキだったのですが、、40分ほど遅れてヴィシェグラードの橋の袂に到着。
降りて荷物を受け取った時、念のため次のバスのチケットを車掌に見せると、これはこのバスだ!乗れ!と。
はっ?もしやと思ったけどやっぱりそういうこと?でもあと10分くらいあるよね?橋を見てきたいんだけど?と言ったつもりだったのですが、、、すぐ乗らないのなら知らん!とばかりにそのまま出発してしまいました。
。。。。。。
チケット見せた客を置き去りにするか??
さっきのバスが朝10時台のだとしたら、次のバスは深夜1時。途方に暮れました。
でも念願のメフメット・バシャ・ソコロヴィッチ橋はじっくり見ることが出来ました。

すぐ傍に、崖の上に登っていく道があったので、その上からも見てみました。

しかしそんなことより、これからどうするか考えなくては。
とりあえず、橋を渡って町に入ります。タクシーが停まっていたので、次の大きな町、セルビアのウジツェまで行ったら幾らか聞くと、50ユーロ。高いけどしょうがないか、と思いつつ保留。
町の中に案内所があったので、何か手はないか聞いてみると、やはりバスは1日2本のみ。しかし、途中のモクラ・ゴラまでなら20ユーロで行け、そこからならバスが出ているとのこと。希望が見えました。これで行こう!
すっかり気が大きくなって、しばし町を観光。
スマホで見ると、図書館があるようなので寄ってみます。
GoogleMapによると、ここのよう。

正面には、SLがあります。

図書館というよりお役所のようで、入って大丈夫?という空気ですが、せっかくここまで来たので入ってみます。旅慣れてきて、我ながら図々しくなったものだと実感。
廊下も暗く、やはり入っていい雰囲気ではないのですが、、奥の階段を昇ってみます。

再び廊下を進むと、奥に扉が。Google翻訳で扉の文字を読むと、、イヴォ・アンドリッチ記念図書室!
勇気を出して入ってみます。

誰もおらず、暗い室内。しかししっかり図書館でした。棚には分類番号が記されています。

その後、職員の人が入って来ました。曰く、ここは全世界の小説のセルビア語訳を置いているそう。
アンドリッチの蔵書というわけでは無いよう。彼とここの関係を知りたかったのですが、拙い英語ではうまく聞き出せず。
日本の本もあると言うので、ハルキ・ムラカミか?と聞くと、やはりそう。「1Q84」が見えました。
他にも三島由紀夫、芥川龍之介の本もありました。
アンドリッチと、その他よくわからない人の写真なども飾られていました。

まさしく私の読んだ「ドリナの橋」含め、日本語の本も何冊かありました。
一階にアートギャラリーがあるので見ていくと良い、と言われたのですが、一階はどの扉も鍵がかかっていました。
廊下や階段に絵画が飾られていたので、それのことだったのかも?
そもそも一階というのが日本でいう二階だったのかも?
アートギャラリーは結局よく分かりませんでしたが、ともあれ、勇気を持って入ってみて正解でした。