佐久から裏道を通って軽井沢に入ると、時間はもう5時近く。
しなの鉄道の中軽井沢駅に着きました。
新幹線が開通してJRからも切り離され、すっかり寂しくなったかと思いきや、とても立派な駅舎になっていました。
しかし電車の本数は少なく、人の姿はまばら。
そして、駅舎と一体になって、図書館があります。
二階から図書館に入ります。
黒系の絨毯に、ダークブラウンのシックな本棚。
天井は幾つもの三角形が組み合わされ、山小屋のよう。
いきなり短歌コーナーがあります。
細長く伸びる館内の、一番奥が郷土資料。
やはりここも資料は充実しています。
長野県に関するあらゆる本があり、軽井沢については、あさま山荘、草軽電鉄、信越線、浅間山などのテーマに分かれています。
文学も立原道造、山口洋子、朝吹登水子など、多彩な人の本があります。数多くの文士が涼を求めて訪れては、筆を揮ったであろう軽井沢。この地に縁はあっても、生まれ育ったという人はいなさそう。
線路側には、窓を塞ぐように岩波新書、中公新書、東洋文庫などの棚が聳えています。
本棚は総じて高め。踏み台や階段が置かれています。
外国人が避暑地として見出したことで拓かれたという軽井沢らしく、中ほどにはEnglish bookのコーナーも。
画集、百科事典等に、ハリー・ポッターもありました。
町側の窓には、閲覧席が並びます。
お洒落なカフェのよう。
地元の子、かどうか分かりませんが、勉強する中高生でいっぱいでした。
別荘族の子がわざわざ図書館に来て勉強するとも思えないので、恐らく地元の子でしょう。
どこの図書館でも人気の、時代小説の文庫の回転棚もありました。
芹沢光治良「人間の運命 完全版」を収めた回転棚も。正直、聞いたことありませんが。
青木裕子朗読会のポスターが随所に貼ってあります。
元TBSアナウンサーの?と思ったら、元NHKとのこと。名誉館長だそう。
軽井沢ゆかりの作家コーナーもありました。
室生犀星、堀辰雄は記念館もあるそう。唯川恵、藤田宜永、小池真理子はサインも展示。
他にも加賀乙彦、辻󠄀井喬こと堤清二、村山由佳、内田康夫、、、と多士済済。
コンピュータの本は新しめですが、相対的には少なめ。
中央が卵型というかアメーバ型にくり抜かれ、下への階段がありました。
一階は木の床で、児童書、新聞・雑誌。
料理など、生活の本も置いています。
コミック・漫画本もそこそこ充実。
DVDもありました。
一階の玄関付近には、小さなサイン色紙が碁盤の目のように並べられていました。その数66枚。
北野大、大越健介、ドナルド・キーン、谷川俊太郎など、顔ぶれはこれまた多彩。
名前が判読できないものも多数ありました。
軽井沢の新名所とでも呼びたいこの図書館、存在を知らなかったので、つい最近できたのかと思っていたら、開館は11年も前の2013年。すっかり町民の生活に定着しているようです。
蔵書数は約8.5万冊。
駐車場は30分無料、手続きをすると4時間まで無料。
軽井沢に数多いカフェは、夕方には閉まってしまう所が多いのですが、駅近くに開いている所がありました。
カフェを出てくると、もう完全に日は暮れていました。
図書館に戻ると、夜の姿もまた美しい。
その後は車で軽井沢銀座を通りましたが、この時間だと人もまばら。
最後に訪れたのは、軽井沢駅南のアウトレット。
イルミネーションが見事。
夜8時までの営業と思っていたら、店によっては9時まで開いており、数少ない軽井沢のナイトスポットとして賑わっています。
夕方からの軽井沢観光でしたが、結果的には混雑を避けられ、夜遅くまでしっかり楽しめました。