図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

佐久市立中央図書館(長野県)

9月だというのに猛暑が続く三連休の中日、車で出かけることにしました。
目的地は避暑地、軽井沢。天気が悪そうなので、前日には候補から外していたのですが、少し予報が良くなってきたので当日朝に急遽決めました。

埼玉から高速を使わずにのんびり車を走らせていたら、長野県に入った時にはもう3時。
佐久市に入ると、国道沿いにはコスモスが咲いていました。

北海道のような雄大な牧場風景も堪能。

その先に図書館がありました。煉瓦造りの重厚な建物です。

寒冷地らしく、自動ドアは二重。
外からは綺麗に見えましたが、館内を見るに、そこそこの年月を経ていそう。
入るとすぐ、1人3冊までの新刊本コーナーがありました。
その裏は雑誌コーナー。岩波文庫の棚や、郷土資料も置いています。
長野県史、各市町村史に、長野県に関するあらゆる本が揃っています。かなり古びた本ばかり。

右手は児童書コーナー。この辺りは後から増設したようで、新館という扱いになっています。
奥に絨毯敷きの部屋がありました。靴を脱ぎそうになりましたが、脱がなくて良いよう。
紙芝居、絵本の他、コミックコーナーもありました。
いずれも少数ながらCD、DVD、カセット、ビデオもありました。
モンゴル国エストニア共和国コーナーも。両国に関する本が置かれています。
エストニア東京オリンピックでのホストタウンだった縁とのことですが、モンゴルは何の関係か不明。

隣には、ふれあいコーナーなる部屋があります。
一部畳敷きで、児童書と大活字本が置いています。

カウンターの前にも、10m近くあろう郷土資料の棚。しかも両面。
ここも古い本が目立ちます。
棚の上には絵本作家のかさいまり、やまわきゆりこ新海誠、吉岡忍など、サイン色紙が飾られていました。
館内の壁には佐久の先人、教育者小林多津衛の写真が掲げられているのですが、彼に関する本は見つけられませんでした。

窓の下には岩波新書東洋文庫、その他文庫本の低い棚が置かれています。
コンピュータの本は、普通。さほど高度な本は見当たりません。

玄関付近に階段があるので、上ってみます。
一階に張り出している二階は、学習室でした。

新館の方にも階段がありました。
こちらの二階には、本があります。
一角は航空図書室。またの名は原野文庫。原野宣喜なる人物が寄贈した模様。
航空戦史シリーズがずらり。他にも飛行機に関する各種の本、飛行機が登場する小説類も。
古い本は鍵のかかったスチール棚に入っています。技術書が多数。
棚の上には、大きな戦闘機の模型も飾られています。
個人の蔵書が元とは思えない充実ぶり。東京港区の航空図書館を思い出しました。

隣には相馬文庫。相馬遷子なる人の寄贈のよう。
文学全集などが大量にあります。
こちらにも航空関係の本が多数。これは原野文庫の陣地かも。

山室静による、山室文庫もあります。
こちらは洋書含む外国文学、日本文学が中心。

3人の寄贈者の写真は出ているものの、人物の説明は無し。
佐久市と航空の関係も不明ですが、単に寄贈者の趣味かもしれません。

宮沢賢治コーナー、山室静佐久文化賞受賞者図書などの棚もありました。
山室氏は文芸評論家のようですが、宮沢賢治佐久市の関係も不明。
色々と謎の多い図書館です。

開館は1979年。蔵書数は約20万冊。実力はありながら多くは語らないという体の、貫禄ある図書館でした。

裏に回ると、白樺の小径となっていました。佐久市は標高700mほどだそうで、白樺も育つのでしょう。

裏手は広大な駒場公園。

彫刻が点在しており、奥には美術館も建っています。

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