この日柏に来たのは、実は映画を観るのが目的。
都内でも観れないことはないのに敢えて柏まで来たのは、ここの映画館には図書館があるというのを知ったから。
この日がちょうど割引デイだった、というのもありますが。
柏駅西口を歩くと、案内が出ていました。
階段を下りていくと、線路の高架下にありました。
中に入り、まずはチケットを購入。
スクリーンが3つあるので、ここもシネコンの内に入るのかもしれませんが、雰囲気は昔ながらの名画座。
この日観たのも、封切りから少し時間の経った作品。もう少し早く行動していれば、家の近所でもやっていたのですが。
上映までの時間で、図書館を見てみます。
二階にあるようです。
階段の壁には、これまで上映された作品のポスターを縮小して飾っています。
二階に上がってすぐの所に、パンフレットのコーナーがありました。
全てお客さんからの寄贈だそうです。
昔の映画もそこそこ知っているつもりでしたが、聞いたことの無い作品のものが多数。
「シェーン」「ローマの休日」など、往年の名画もありました。
その横には、ゴダールの紹介。
その先に、図書館がありました。
と言っても、ロビーの一角に本棚があるのみ。
当然置いてあるのは、映画の本。
千冊にも満たない数で、あまり古い本は見当たりません。見た感じではさほど希少な本も無さそうで、普通の図書館よりはちょっと上といったレベルの蔵書。
よく見ると、中島みゆきや山崎まさよしの詞集など、あまり映画と関係ない本も混じっていました。
ラベル付きの本は、友の会会員は貸出可とのこと。
しかし圧巻なのは、その横の、雑誌「キネマ旬報」のバックナンバー。
創刊は大正時代に遡るという、歴史ある映画雑誌。
ここで見つけた範囲で最も古いのは、1950年のものでした。
やはり古いものはボロボロで、ビニール袋に入っていたりしますが、取り出して読むことは出来ます。
思えば大学に入った頃、大学図書館に入り浸るようになったのですが、そこの雑誌コーナーにあったのは読む気の起きない学術誌ばかり。
唯一あった娯楽雑誌が、キネマ旬報。選択の余地が無かったので、暇潰しによく眺めていました。
それが映画に興味を持った、特に古い映画志向になったきっかけかも。
現在の図書館趣味も、その頃の習慣がルーツということに気が付きました。
それにしても、歴史ある映画雑誌のシアターがなぜ柏に?というのが気になるところ。
以前は柏ステーションシアターという別の映画館だったものを、2013年にキネマ旬報社が買い上げたようです。雰囲気、立地、規模とも、需要と供給が絶妙にマッチしたのでしょう。
旬報という名の通り、当初は月3回の発行、現在は月2回発行のキネマ旬報ですが、今年8月からは月刊に移行するという、少々寂しいニュースも目にしました。
映画館のサービスデイも、1日減ってしまうようです。