図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

渋川市立図書館(群馬県)

旧北橘村から下ってくると、程なく渋川市の中心部。
ここでも図書館に寄ってみます。
カーナビに従ってやって来たのは、渋川駅から西に半kmほどの町中。
駐車場に車を停めると、美術館か何かのような、洒落た洋風建築が見えます。

入口は反対側。かなり立派な建物です。こちら側にも駐車場はありました。

壁のレリーフ群は、地元出身の陶芸家指導の元、中学生が作った物とか。

中に入るとすぐ、「追悼・絵本作家・野村たかあきさん」のコーナーがありました。
前橋の出身。名前は存じませんでしたが、「ないたあかおに」の絵などを描いていたとのこと。
ないたあかおに、約半世紀前に自分も読んだな、懐かしい、、と思っていましたが、どうも絵については何人もの人が描いていて色んなバージョンがある模様。私が読んだのは別の人の絵だった気がします。

左手には、大きな大活字本コーナーが。そこには、大きなガラス張りの展示スペースがあり、「図書館を訪れた作家の皆さん」の色紙が飾られていました。
その数、実に50枚ほども。
先ほどの野村氏の他、大江健三郎谷川俊太郎五木寛之志茂田景樹横山秀夫など、ビッグネームがずらり。
この図書館のただならぬ実力が見て取れます。

CD、DVDも同じ部屋に。
DVDは映画はアクション、コメディーなどに分類され、ジブリウルトラマン、ディズニーなる区分までありました。
CDは1万枚はありそう。ジブリ、ディズニーはこちらにも。

児童書エリアは絨毯敷き。
総記、哲学、自然科学などの分野を示す札が、天井から下がっています。
児童書で哲学って何??と思ったら、「心理テスト」「こわい話」などがここに分類されていました。

一般書の方に進みます。
木のタイルの床に、ダークブラウンのスチール棚。

講談社学術文庫のみの棚もありました。真っ青に統一されています。
コンピュータの本は、技術的な本はあまりありません。
文芸書の隅には、郷土文豪なるコーナーが。竹久夢二田山花袋徳富蘆花萩原朔太郎の本があります。いずれも群馬県のイメージがあまり無かったのですが、縁のある人達のようです。

洋書コーナーもあります。中国語が数冊で、ほぼ英語。
その隣にはマンガが。「三国志」「日本の歴史」などの学習系が多め。
大地の子」「方丈記」「サピエンス全史」、カミュの「ペスト」のマンガ版は初めて見ました。

カウンターの近くには新着図書、文庫本、時代小説専用、ぱっと見マンガにしか見えないライトノベル、郷土資料の棚が入り乱れ、少々カオス。
群馬の図書館では大定番、「みやま文庫」の専用の棚もあります。

二階にも行ってみます。
階段の途中に、浅野記念図書館コーナーがありました。
嘗て、実業家の浅野八郎氏が建設費を出して造られたとか。
セメント会社の幹部という経歴らしくセメント製の銘版、図書館と氏の写真、町長による達筆な由来が飾られています。

二階は参考図書室。
辞典辞書類の他、ここにも郷土資料が。
一階にあるだけでも充分な数でしたが、行政資料含め、ここにも膨大な資料があります。
またしても、みやま文庫もありました。

三階は閉架書庫。関係者しか上がれないようです。

蔵書数は堂々の約32万冊。創立は1942年、改築は2000年との情報がありました。
県北の中心都市に相応しい、歴史と威厳を備えた貫禄ある図書館でした。

施設案内・アクセス | 渋川市立図書館