この日最後の目的地は、世田谷文学館。
粕谷図書館からは徒歩5分ほど。高級住宅街の中に構えられています。1995年に開館したそう。
隣の蔵造りの家との間には溝があり、錦鯉が泳いでいます。
二階では企画展「漫画家森薫と入江亜季展」を開催。この日、訪れる人の多くはこれが目当てのようですが、私はよく知らない上、料金もそれなりなので、やめておきました。
一階奥では、コレクション展の「寺山修司展」。料金も安いので、こちらに入ることにします。
が、その前に隣のライブラリーへ。
入口脇には、寺山修司コーナーが設けられていました。。
館内手前が一般書で、奥は児童書。
奥の中央には、マット敷きの遊びスペースがあります。
一般書の方の蔵書は、特定の作家に偏っていて、村上春樹、安西水丸、澁澤龍彦、谷口ジローと、如何にも本好きの人が好みそうな顔ぶれ。
北杜夫、久世光彦、宮脇俊三、林芙美子なども見られます。
どうやら、過去にこの文学館で展覧会が開かれた人の作品が多いよう。
小さなボックスに区切られた、古書店主のこだわりの本のコーナーも作られていました。もっとも、このライブラリー自体が館主好みのセレクトブックショップという感じ。
雑誌コーナーは特にありませんが、歴史ある「暮しの手帖」のバックナンバーが揃っています。
他にもなぜか「popeye」「BRUTUS」「MOE」が揃っていました。
手塚治虫やサザエさん始め、マンガが多め。
こちらも特定の作家に偏っていて浦沢直樹、安野モヨコなどの本が多数。
ちょうど今企画展をやっている森薫、入江亜季の本も置いていました。
映画やジャズの評論家、植草甚一コーナーも。
晩年、古本屋を開こうとしていたものの、夢を果たす前に亡くなったそうで、氏がエッセイや書評で取り上げた本が集められています。
粕谷図書館に続いて、ファーブル昆虫記を置いていました。
かなり古い版で、厳密な表記は「ファブル昆蟲記」。何と、昭和6年の刊。
カウンターの横には、歴代館長の本棚もありました。
ライブラリーを出て、隣の寺山修司展を見学。
劇作家、詩人など、その多彩な業績を紹介。
大きな短冊に寺山の短歌が記されていました。ここだけ撮影可。
手紙魔だったそうで、仁木悦子、大井三恵子への手紙が展示されていました。
ミステリー作家の仁木は知っていましたが、大井三恵子って誰?寺山ファンには有名な人?と思っていたら、仁木の本名とのこと。要は全て同じ人への手紙でした。
自動からくり人形作家、ムットーニ氏の作品上演もありました。
漱石の夢十夜をモチーフにするなど、文学館らしい題目も。
その後は、芦花公園駅まで半kmほど歩き、
そこから電車に乗って帰りました。
東急田園都市線を降りてから、小田急を越えて、京王本線の駅まで。よく歩きました。