11月最後の日、上野の美術館に行くことにしました。
上野公園は紅葉が綺麗。
とりわけ銀杏の黄色が鮮やか。
上野公園には美術館、博物館がひしめいていますが、お目当ては都立美術館。
奄美での創作が知られていますが栃木出身の、田中一村展。
基本予約制だったのですが、当日でも入れました。
料金は2000円とかなり高めでしたが、正に神童だった栃木時代から千葉時代、そして奄美時代と膨大な作品が展示されており、充実していました。
思いの外時間が遅くなりましたが、近くの図書館にも寄っておきます。
公園の奥に進んでいくと、奏楽堂、
京成の博物館動物園駅跡、
とレトロ建築が並ぶ先に、ありました。
国立国会図書館付属の、国立子ども図書館。
これも、1906年に帝国図書館として建てられたという、歴史的建造物。
1階は、子どものへや。
円形の椅子を、やはり円形の児童書の本棚が囲んでいます。
その中に、世界を知るへやもありました。
アルゼンチン、インド、チェコ等々、外国の絵本が国別に並んでいます。
よく見ると、日本語で書かれた各国に関する本の方が多めでしたが。
「世界で読まれている日本の子どもの本」も。
「きんぎょがにげた」「魔女の宅急便」「おふろだいすき」などが展示されていました。
カフェテリアは、今時の都心では貴重な安さ。中庭にはテラス席もあります。
エレベータで3階に上がります。
国際アンデルセン賞受賞作家、画家展を開催していました。
ホールでは、多くの本と共に賞の紹介。
本のミュージアムの中には、更に円形の部屋が2つ。その中と外に歴代の受賞作家がその著作と共に紹介されていました。
古くは「ムーミン」のトーベ・ヤンソン、「かいじゅうたちのいるところ」モーリス・センダック、日本人の作家では
江戸川区出身の角野栄子、山口出身のまど・みちお、上橋菜穂子、
画家では赤羽末吉、安野光雅が受賞しています。
階段の前には、目録カードボックスが展示されていました。
今でも稀に見かけることはありますが、ここでは歴史の遺物扱い。
2階も二部屋。
調べものの部屋は、一般書を置いています。
やや平易な本が多いと思ったら、「中学生・高校生向けの資料室です」と入口に書かれていました。
本には分類番号のラベルが貼られ、文学では漱石、藤村、川端康成、ファーブル昆虫記などの全集物が置いています。
「上野」関連の本のコーナーもありました。
コンピュータ関係の本も少し置いています。
雑誌も7誌。「どうぶつと動物園」「宇宙のとびら」と上野っぽい物があります。
もう一つの部屋、児童書ギャラリーは、明治から現代までの日本の子どもの本の歩みをたどる展示室、とのこと。
その時代を象徴する児童書の他、教科書、研究書もありました。
「セロひきのゴーシュ」「ひとまねこざる」「ぐりとぐら」など、中高年にも懐かしい本が幾冊も。
明治の本は復刻版でした。
赤羽末吉、安野光雅の特集コーナーはここにもありました。
百年超のレンガ棟に対し、2015年に建てられたというアーチ棟には、児童書研究資料室があります。
荷物はロッカーに預け、見学用のストラップを借りて中へ。
民話、児童書研究、文学者研究などの本が並んでいます。
参考図書は外国語の本も多数。
圧巻なのは、外国語の絵本。ラオス、トルクメニスタン、パレスチナなど、あらゆる国の本が揃っています。
先日訪れたセルビアの絵本もありました。
蔵書数は、和漢書が約39万冊、洋書が約10万冊。どこにあったのか分かりませんが、雑誌も2千タイトル以上とか。
公共図書館なので、入場無料です。どこの有料施設も人でいっぱいの休日の上野公園では、かなりの穴場でしょう。
閉館は5時。幾つか他の街にも行くつもりだったのですが、上野で日が暮れてしまいました。