図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

我孫子市民図書館アビスタ本館(千葉県)

柏市松葉から、北柏駅の傍を通って、我孫子市に入ります。
手賀沼が見えてきました。

この沼の畔に、立派な図書館があります。

正面の道路から

一時間無料の駐車場に車を停め、中へ。

なかなか広くて、蔵書も充実しています。
入ってすぐ、CDコーナーがありました。
ぱっと見古めながら、1万枚近くはありそう。
CD付き語学書、音楽の本も近くに置いています。

天井からも灯りが下がっていますが、本棚の上にも蛍光灯が付いており、かなり明るめ。電力不足で節電が叫ばれている折、ちょっと明るすぎかも。

時折、汽笛が聞こえてきます。
すぐ横の公園を走るミニSLの音のようです。

パティオなる中庭もありました。外に出られますが、あいにく撮影禁止。
館外なので別に良さそうなものですが。

奥には、まちづくり郷土コーナーが。
我孫子市、千葉県の資料が豊富。
まちづくりに関する本も集められています。
我孫子市民の著作、手賀沼の本も多数あります。

我孫子ゆかりの人の紹介もありました。
志賀直哉は、8年ほどここ我孫子に住んでいたとのこと。
他にも、武者小路実篤山下清嘉納治五郎中勘助柳宗悦柳田國男など、錚々たる顔ぶれの文化人が、沼の織り成す景観に惹かれてか、一時的に居を構えていたそうです。これは知りませんでした。
そう言えば、巨大な鳥唐揚げで知られる我孫子駅の蕎麦店で、山下清が働いていたという話は聞いていましたが。
文人たちの集合写真も飾られていました。
彼らの著書が本棚に並んでいますが、志賀直哉「雪の日」、実篤主宰の雑誌「新しき村」など、貴重な古書はガラスケースの中に展示されています。

闘病記コーナーは、詳細な病名別の仕切りが。これは珍しいかも。
私がいつもチェックする、コンピュータの本も多数。高度なものはあまりありませんが。
文庫本も豊富で、8千冊はありそう。

洋書もありました。
ほとんど英語ですが、中国語、韓国語のものも少しだけあります。

雑誌は170誌ほどでしょうか。

蔵書数は約25万冊。最近小さな館を訪ねることが多かったので、久々の大型図書館でした。
柏、松戸、成田など、人口も知名度も上の街に囲まれ、正直印象の薄い我孫子でしたが、過去も現在も文化度の高い街であることを実感しました。

現在の施設の開館は2002年とのことで、今年で20周年。
愛称「アビスタ」の由来は、「あびこ」と「スタディ」をかけたとか。

公園側から

目の前の手賀沼公園を散策してみます。
すっかり宅地化されたとは言え、まだまだ緑は豊富です。

近年は水質汚濁で有名になってしまった手賀沼ですが、現在はかなり改善されている模様。

ミニSLには、あゆみの郷鉄道なる名前も付いています。
雨が降り始め、運航は一時中断。車庫に入っていました。

SLと言いつつ、メインは新幹線のよう。

間もなく一時間経つので、車を出しました。
周辺には、文人たちの邸宅跡が幾つかあるようです。
我孫子駅近くの旧水戸街道沿いには、当時を思い起こさせる寺院や料亭も僅かに残っています。
邸宅跡の中の一つ、図書館から半㎞ほど東にある志賀直哉邸跡に寄ってみました。
狭い道が続く住宅街の中。
”跡”なので、碑があるだけで何も無いのかと思ったら、敷地は綺麗に残っており、建物も書斎だけが残っていました。

しかし、志賀直哉邸跡は、奈良を手始めに色々な所で見聞きした気がします。
引っ越し魔として知られ、生涯に23回引っ越したとか。

アビスタ本館 | 我孫子市民図書館