古川の街を出て、隣の神岡にやって来ました。
ここも古川と同じく今は飛騨市。
坂を下って高原川を渡り、再び坂を少し上った所に図書館があります。
なかなか威圧感のある建物、神岡振興事務所の一階です。
裏に回ると、随分雰囲気が違います。
ともあれ、中へ。
図書館は、更にガラスの壁で隔てられていました。
外から見た通り、館内は半円形です。
梶田孝章氏の等身大パネルが目を引きます。
横には、梶田氏と小柴昌俊氏のサインの入ったオレンジ色の球体が。
町が誇る先端研究施設、スーパーカミオカンデの研究成果でノーベル賞を受賞した両氏。
謎の球体は、スーパーカミオカンデに使われている光センサーでした。
両氏の本も、ガラスケースの中に飾られています。
その近くには、神岡科学コーナー。
ニュートリノの本が多数置いています。
よく見るとほとんど梶田、小柴両氏の著作。
隣には、たんぽぽ文庫なる棚がありました。
老人ホームからの寄贈とのこと。
マンガもありました。
寄贈されたとかで「鬼滅の刃」がほぼ全巻揃っています。
郷土資料は、ここもかなり充実。
高山で知った飛騨の郷土作家の作品、「キューポラのある街」「山の民」はここにも。
裏には、荒垣文庫なるコーナーがありました。
神岡出身の荒垣秀雄氏は、朝日新聞の天声人語も書いた論説委員。
自身の著書や、氏の寄贈した本が置かれています。
文芸書の作家名の仕切り板には、よく見ると代表作や受賞歴などの短い紹介文が書かれていました。
米澤穂信は高山出身だそうで、高山市内の米澤氏ゆかりのスポットを紹介する冊子がありました。
素粒子には強い図書館ですが、コンピュータの本は寂しめ。
雑誌は50誌ほど。
じどうフロアは、子供受けを狙った凝った装飾がされています。この時は誰もいませんでしたが。
子供に限らず、全体的に閑散としています。
AVコーナーもありました。CD、DVD合わせて500枚ほど。
米澤氏のデビュー作の実写版「氷菓」もありました。
入口には、履き替え用のスリッパが置いてありました。
靴の汚れや音が気になる人は履き替えて、とのこと。
これは先ほどの飛騨市図書館にもありました、
蔵書数は約3.7万冊。現在の地に開館したのは2016年とのこと。
坂を更に上っていくと神岡城、続いて道の駅があります。
その横には、カミオカラボ。スーパーカミオカンデの紹介をしている無料の博物館。2019年に出来たようです。
昔この町に来た時は、スーパーカミオカンデを見てみたいと思いながら、結局どこにあるのかすら分からず、何も見ずに帰りました。
本物は年一回の公開日にしか見学できないようですが、図書館にあった光センサーが並ぶ、内部の様子をしっかり疑似体験できました。
図書館から見上げていた、神岡城も見学。
チケットは鉱業資料館、旧松葉家とのセットでした。
まずは鉱業資料館。展示の技術は昭和40年代のもので、今とは異なるとのこと。
神岡城の天守閣はなかなか立派。
三井金属鉱業所の100周年を記念して、犬山城や丸岡城を模して造られたとか。それを聞くと有難みも薄れますが。
上からは、町が一望。
旧松葉家は、移築された合掌造りの家。
中には古道具が展示されていました。
町に戻りました。
時の止まったかのような商店街があったり、
自然なレトロ感の感じられる、なかなか風情ある町です。
今の様子からは想像困難ですが、鉱山全盛の頃は大変な賑わいだったとか。
観光客は、高山より少ない古川より更に少ない、と言うか町中にはほとんどいないに等しいですが、観光地としてのポテンシャルの高さを感じさせる味わい深い町でした。