図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

高山市図書館煥章館(岐阜県)

すっかり日の暮れた高山の街に入ってきました。
この街には、夜9時半まで開いているという図書館があります。
ここには特別な思いがありました。
というのも、昔一度来た時は年末だったので閉まっており、いつの日かリベンジを果たさねばと思っていたのでした。

街の中心、古い街並みからもほど近く。洋風ながら見事に街に溶け込んでいます。

煥章館という名は、嘗てこの地にあった煥章学校から継いでいます。
当時玄関に飾られていたという大鷹の塑像が、館内にありました。

一階は、木のくにこども図書館。
大木の形の柱、汽車型の棚など、子供を楽しませる要素が満載。

外国語の絵本も多数ありました。

CD、DVDもこの階。
枚数はあまり多いとは言えない中、バッハ大全集が幅を利かせていました。

三階は展望台、とのことなので上がって見ましたが、窓があるだけ。元々の立地がやや高台でもあり、街が見渡せます。

三階からの眺め

二階は一般書のフロア。
高山近代文学館もありました。

俳人瀧井孝作、プロレタリア作家江馬修、詩人、歌人の福田夕咲、「キューポラのある街」で知られる早船ちよ、の四氏が紹介されていました。
ガラスケースの中に四氏の本やゆかりの文具、印などがありました。
埼玉の川口が舞台の「キューポラ…」の作者が、高山の人とは知りませんでした。
同じ室内には郷土資料もあり、彼等の本も書棚に並んでいます。

レトロな外観に反して、館内はピカピカ。しかしデザインは昔を意識しています。

床、棚、は木製。壁や柱にも木の丸棒が貼られ、温かみを演出。
窓際には学習席。夜7時を過ぎたというのに、学生服の学生が多数勉強していました。
「館内静粛」の掲示に従ってか、皆静か。

文庫本も豊富。一万冊はありそう。
本棚はかなり余裕があり、最上段は空いています。
コンピュータの本はITコーナー、ソフトウェア、インターネットと分類されています。
量も豊富で質も良好。

まんが、洋書、教科書もあります。
まんがは新旧織り交ぜたラインナップ。
雑誌は150誌ほど。

随所に絵画や彫刻、階段にはステンドグラスがあったりして、アート性に溢れています。
それでいて防災ヘルメットも随所に置いてあるという堅実さ。

このレトロ調図書館、よくよく調べてみると、2004年に煥章学校の跡地に煥章学校を模して建てられた、とのこと。
建物自体に大した歴史はありませんでした。内装がピカピカなのも頷けます。
蔵書数は約20万冊。

夜は9時半までですが、朝も9時半から開いています。
昼間の写真も撮りたかったので、翌朝も訪問。カウンターで許可証を借りると館内撮影可能。館内の写真は翌朝のものです。

その後は周辺を少し散策。

とにかく外国人観光客の多い高山。特に宮川朝市は大賑わい。

川の左側が朝市会場

煥章館 - 高山市図書館