図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

相模原市藤野中央公民館図書室(神奈川県)

山梨県の上野原を出ると、後は峠を越えて八王子に出て、埼玉に帰るだけ。
しかし、東京都に入る前に神奈川県を通るので、そこでも1つ寄っておきたく。

藤野町と旧相模湖町、いずれも現相模原市緑区の両地区に小さな図書館がありそうなので、
どちらかに寄ろうと思いますが、開館は5時まで。
今は4時半なので、結構ギリギリです。

国道20号線に出ると、日曜夕方の上り線は、大渋滞。
これは相模湖はおろか、藤野も無理か、、と思いましたが、上野原の町を出ると、流れ出しました。
藤野の町に近づくにつれ、再び混み始めましたが、何とか15分前に到着。

f:id:n344sj:20201006220211j:plain
公民館。二階に図書室があります。

入口の扉には、コロナ感染対策を啓蒙する貼紙。緊張感が漂います。
f:id:n344sj:20201006221333j:plain

エレベータで二階に上がると、図書室がありました。
職員の方が一人座るだけで、他のお客さんはいません。

室内も、どこか緊張感が漂います。
コロナ禍の図書館は、滞在時間を制限する所が多いですが、
ここは15分まで、とかなり短め。

館内の椅子は、全撤去。
視聴覚鑑賞席も使用禁止。
新聞、雑誌の配架は中止され、
手に取った本は戻さず、カウンターに、とのこと。
かなり対策が徹底しています。

小さな図書室なので、本は多いとは言えません。
地球の歩き方」がそこそこ揃っていましたが、大半は10年前の刊でした。

しかし、規模の割にCDは充実しており、4、5千枚ほどありそうです。

郷土資料のコーナーには、藤野町史などの他、
「かもめ文庫」なる、神奈川ローカルの文庫シリーズが置かれていました。
山梨から東京に行く途中のこの小さな町が、神奈川県である、ということを再認識。
昔から、通る度に何とも不思議な感じがしていましたが、
合併して政令指定都市相模原市になってからは、猶更です。

場所は、国道20号線から少し入った所で、JR中央本線の踏切のすぐ傍。藤野駅からもほど近くです。
高台にあるので、街が一望できます。
外に出て景色を眺めると、向かいの山の斜面に、巨大な封筒が。ハートで封をされています。
f:id:n344sj:20201008010858j:plain
地元在住の造形作家が作った「緑のラブレター」という作品で、30年ほども前からあるそうです。

この日は、東京都、山梨県、神奈川県と3都県の図書館を回りました。
一日に3都県というのは、初めて。

それにしても、村民以外お断りの檜原村から、首都圏お断り(実際には入れましたが)の上野原市
そしてここと、かなりコロナへの警戒感が強い印象を受けました。

静寂が基本の場所ですし、アルコール消毒した手で本を触っても、
それを介して感染が広がる可能性はかなり低いのでは、と正直思うのですが、
利用させていただく際には細心の注意を払わなくては、と改めて思わされました。

相模原市立藤野地区公民館

上野原市立図書館(山梨県)

檜原村の図書館でのまさかの入館拒否に、ちょっと傷心。
バイクのハンドルを握る手に力が入ります。
気を取り直して次に向かうのは、山梨県の上野原。
現住所の埼玉県に隣接する7都県の中で唯一、当ブログに登場していない県でしたが、
ついにその空白が埋まる時が来ました。

山梨に入るとそこは、棡原(ゆずりはら)という村。
嘗て、日本一の長寿村と言われた所。
今は上野原市の一部です。

f:id:n344sj:20201005235902j:plain
沿道に立つ「長寿村 譲原」の石碑

ほどなく、町に下りてきました。
檜原から来た道が、国道20号線にぶつかる手前を少し入った住宅地の中に、図書館があります。

ポップな色合いのドーム状の屋根が連なる、何ともユニークな外観。
中東にある、ハマム(公衆浴場)のよう。
まさか、そんなものを意識しているわけでは無いでしょうが。

f:id:n344sj:20201006000144j:plain
不思議な外観の図書館

いざ、入ろうとすると、ここにもガラス扉に何やら貼り紙が。見ると、
コロナ感染対策で、首都圏からの来館はお控えいただきますよう‥と書かれています。。。。。

まさかの、2館続けての入館拒否か。。
呆然となりつつも、容易には諦めがつかず、一応聞いてみようと中に踏み込みます。
すると、職員の方に声を掛けられ、利用証の無い人は入館票に名前を書くよう、言われます。
正直に埼玉県から来たことを伝えると、いいですよ〜と快く受け入れてもらえました。

救われました。
寛容な対応に、ただただ感謝。
もしかしたら、埼玉は首都圏と認知されていないのかもしれませんが。。

しかし考えてみれば、
東京都とは言ってもお隣の檜原村は拒否できないでしょうし、
神奈川県の大都市、相模原市とも隣接していますし、
解釈によっては、ここ上野原も首都圏に入り得るでしょうし、
明確な線引きはほぼ不可能でしょう。

インテリアもポップな館内を奥まで進むと、「古守文庫」なるコーナーがありました。
長寿村研究の医師、古守豊甫氏に因んでいるようです。
長寿健康関係資料が並んでいました。

中央には、丸屋根を支える太い柱。
柱の中にはエレベータ、その周りは階段になっており、二階に上れるようになっていました。
柱の裏側には、CDが並んでいます。

DVDは映画、アニメなどを中心に置かれていました。
映画は「市民ケーン」のような大昔の名画系、
アニメも「フランダースの犬」「母をたずねて三千里」など、古い作品が多いです。

窓の下は、文庫本の棚になっており、海外小説などが並んでいます。

階段で二階に上がると、コロナ対策で席は減らされていますが、学習席は女子中学生で賑わっていました。
文芸書、その他一般書も二階に並んでいます。
ここにも、国内推理小説などの文庫本が多数。
一階のものと合わせると、結構な数です。

f:id:n344sj:20201122110224j:plain
図書館前の様子

蔵書数は、約12万冊との情報がありました。
建物自体のお洒落なデザインに加え、抽象画が並べて飾られていたり、
階段の壁などにも、大きな絵手紙のようなものが貼られていたり、
館内はアート感覚に溢れています。
山間の長寿の郷で、こんなテイストの図書館に出会うとは、予想外でした。

市役所のサイト
を見ると、当図書館には「リンデン・ドーム」なる愛称が付けられているようなのですが、
どういう由来なのかは分かりませんでした。
セイヨウシナノキという木の英名がlindenだそうですが、それと上野原市との関連は不明。
気になります。。

施設案内 » 上野原市立図書館

♯檜原村立図書館(東京都)

五日市から山奥に向かってグングン進んでいくと、檜原村に入ります。
島嶼部を除くと、東京都唯一の村。

村の中心部にある、恐らく村で唯一の信号を右折すると、図書館があるはず。
何年か前に一度来たことがあるのですが、正確な場所は覚えておらず、、
通り過ぎてしまいました。

後で戻ることにして、とりあえず、
案内標識の出ていた、その先の郷土資料館に行くことにしました。

川沿いの道を走ること数分、ほどなく到着。

f:id:n344sj:20201006211545j:plain
郷土資料館

駐車場にバイクを停めると、コンクリートの壁に貼紙が。
コロナ対策で、入館は予約制になっているとのこと。。
えーっ、まじか!?
しかし、こんな辺境の地に、入場制限を要すほど人が殺到するとは到底思えず、
一か八か受付までの階段を上ってみます。
聞いてみると、予約無しでも全然OKです、という感じで、快く入れてもらえました。
中には、月輪熊を始めとする野生動物の剥製、各村落のお祭りの様子などが展示されていました。
料金は無料です。

幾つか観光パンフレットが置かれている中に、
ここから更に10kmほど先にある重要文化財、小林家住宅のものがありました。
見ると、ここも見学無料で、山の上にある家まで、モノレールで上って行くとのこと。
これは興味深い!
しかし、モノレールの運行は午後2時まで。
今はというと、、1時40分!
ギリギリ間に合うと踏んで、慌てて出発。

何とか2時前に、乗り場の駐車場まで到着。
いざ乗らんと向かうと、、「故障のため運休」の貼紙。。
f:id:n344sj:20201006212228j:plain

歩くと25分ほどで登れるとのことなのですが、どこに登山口があるのか分からず。
やっぱり帰ろうかと思い始めた頃、モノレール乗り場より下った所に、入口を発見。

歩行者道は一応コンクリートで舗装されているものの、かなりの急坂が続き、きついです。
途中、モノレールのレールが目に入るにつけ、ああ乗りたかった〜との思いが込み上げ。。
汗だくになりながらも、20分はかからずに、到着。

f:id:n344sj:20201006211703j:plain
山上にある、小林家住宅

まさに今流行りの「ポツンと一軒家」です。
それにしても、なぜこんな山の上に。。?
尾根伝いに三方に下りられるので、車の無い時代には意外に便利な立地だったとのことですが。。
話好きのボランティア女性の案内で、孤高の古民家を堪能しました。

運休中のモノレールの車両も、山上にありました。まるで遊具のよう。
長らく運休しているのかと思いきや、
村のサイトによると、運休になったのはせいぜい10日前の様でした。

f:id:n344sj:20201006211754j:plain
モノレール

さて、山を下りて再びバイクに跨り、いざ図書館へ。
先ほどは気付きませんでしたが、通った道沿いに図書館はありました。

いざ、入ろうとすると、ガラス扉にまたもや貼紙。
コロナ対策で「村民の方限定」とのこと!!

未練がましく職員の方に聞いてみるも、
申し訳なさそうに断られてしまいました。

ガラス扉越しに、ほほ中は見渡せるので、
半ば訪れたようなものですが、
やはり中に入らないことには、来たとは言えません。
ちなみに、他の利用者は誰もいなさそうでしたが。。

f:id:n344sj:20201006213743j:plain
図書館と、周辺の様子

感染対策の考え方は、各者各様。文句を言ってはいけません。
ここは素直に諦め、
また何年後か、自由に訪ねられるようになった暁に再訪することを誓い、立ち去ることにしました。
その頃にはモノレールも復活しているでしょう。
それにしても、不運続きでした。。

檜原村立図書館 | 図書館をもっと身近に、くらしの中に

あきる野市五日市図書館(東京都)

青梅から山の中を15分ほども走ると、五日市の町に入りました。
嘗ては五日市町、今はあきる野市の一部になっています。
ハイキングで来るイメージしかない山中の終着駅にしては、場違いなまでに立派な、
武蔵五日市の駅を横目に、ここでも図書館を目指します。

f:id:n344sj:20201005000341j:plain
JR武蔵五日市駅

駅から西に500mほど、幹線道路を少し外れた、住宅地の中にありました。
f:id:n344sj:20201005000457j:plain

向かいは中学校ですが、他の三方はいずれも普通の住宅が迫っており、
館内から住人と目が合いそうなほどの距離感です。

バイクを停め、いざ中に入ると、
照明を抑えており、館内は薄暗いです。
職員の方は何人かいましたが、皆無言。
お客さんも少なく、やや気詰まりな空気です。

入って左手は、CDと雑誌のコーナーでした。
雑誌は100種ほどと、中々揃っています。

館内は、昔ながらの高い本棚が並んでいます。
分野を記している文字の書体が、かなり時代を感じさせます。

置かれている本も古そうなものが多く、
古めかしい文学全集が大量に置いてありました。
よく見ると、文学に限らず、科学者、政治家など、多様な人物の全集が並んでいます。
金日成著作集までありました。
更によく見ると、置かれているのはいずれも全集の内の第1巻だけ。
2巻以降を見たい方はカウンターまで、とのこと。

奥の方の窓際には、岩波文庫のみの回転棚が6つも置かれていました。
やはり、ここは実に渋い。。
その周りには、普通の文庫本の棚が配置されていますが、
どうも特定の作家に偏っているようで、
佐伯泰英鳥羽亮など人気時代小説家の本は、かなりの数を占めていました。

先にも書きましたが、五日市と言えば、東京都民がハイキングに来る所、というイメージでした。
そのイメージ通り、地元のハイキングに関する本は、なかなか充実していました。

この苦み走った図書館、蔵書数は約12万冊。CDは5000枚ほどのようです。
平成30年に開館40周年記念事業をしているようなので、開館は1978年でしょうか。
やはり結構な歴史です。

徒歩数分で、檜原村方面に向かう大通りに出ます。
その通り沿いには飲食店もちらほら。
ちょうどお昼時なので、ここら辺りで食事を摂ることにしました。

あきる野市図書館 五日市図書館

青梅市立長淵図書館(東京都)

あいにくの曇天ですが、久しぶりにツーリング兼図書館巡りに出掛けることにしました。
所沢、入間の茶畑を眺めつつ、やがて青梅の市街に。
街を抜け、多摩川が見えてくると、急に様相が変わります。

f:id:n344sj:20201004223258j:plain
奥多摩橋からの眺め

橋を渡ると、都会から、一気に遠くに来た気分になりました。
やがて見えてくる、神社の鳥居の前を右折。
するとほどなく現れるのが、「長淵センター前」の標識。
ここにある小さな図書館を訪ねました。
f:id:n344sj:20201004223850j:plain

隣には体育館があり、その前には空手着姿の子供が集まっていました。

コロナ対策で、入館票に名前と連絡先を記入してから入室。
図書館と言っても、市民センターの建物の一室に過ぎず、
かなりこじんまりとしています。
半分は児童書が占めており、子供が多くいて、活気が感じられました。
ここにも空手着の子がいました。

建物も年季が入っていそうですが、
置かれている本も昭和4、50年代の文学全集など、古めのものが目立ちます。

スペース不足のためか、新聞、雑誌は、室外のロビーにありました。
種類は多くはありません。

蔵書数は27,000冊とのこと。
いつ開館したのかは分かりませんでしたが、そこそこに歴史はありそうです。
東京都の図書館は総じて古いものが多く、昔から文化度が高かったことが窺えます。

先ほど通り過ぎた鳥居を目当てに少し道を戻ると、鹿島玉川神社がありました。
f:id:n344sj:20201004224140j:plain
平安期創建との説もあるそうですが、実際には江戸時代に出来たと思われるようです。
この先の安全をお祈りして、次に向かいます。

長淵図書館 | 青梅市図書館

飯田市立中央図書館(長野県)

阿智村を出ると、ほどなく飯田市に入ります。
昨夕、東名の豊川ICを降りて以来、山中の寒村ばかりを通ってきたので、大都会に思えます。
中心部の街路樹には、林檎がたわわに実っていました。

f:id:n344sj:20200925230729j:plain
りんご並木

飯田に来たことは何度かありましたが、こんなのを見たのは初めて。
この季節に来たことは無かったのかも。

やがて着いた中央図書館は、
外壁の改修工事中で、鉄骨の足場で囲われていました。

f:id:n344sj:20200925230259j:plain
現在工事中

図書館と道路に挟まれた狭い空間が駐車場になっていますが、工事のため使用不可。
少し離れた美術館博物館の駐車場が、臨時の図書館駐車場になっていました。
ついでにこちらも見学したかったのですが、この日は休館日。
車を停め、すぐ先に見える長姫神社にお参りしてから、図書館に向かいます。

左隣の小庭を覗くと、根羽村の図書館で話をした同好の士?に聞いた、赤門がありました。
正式には、飯田城の桜丸城門だそうです。
そして、その傍には、図書館の昔の門柱がひっそりと建っています。
古い歴史を感じさせ、入館前に否が応でも期待が高まります。

f:id:n344sj:20200925223546j:plain
赤門と図書館の門柱

向かいには、図書館以上に荘厳な建物。何かと思ったら、現役の小学校。
国の登録有形文化財でもあるようです。

f:id:n344sj:20200926000622j:plain
追手町小学校

いざ、図書館に入ると、まず目に入ったのは、
「飯田 写真で比べる今昔」の写真展示でした。

館内を見渡すと、独特の空気感に圧倒されました。
二階(と思ったら実は中二階)が見渡せるのですが、
幾つもの階段を少しずつ上っていくようになっており、何とも複雑な構造。
まるでお城の様で、冒険心をそそられます。子供も喜びそう。
写真撮影について聞いてみると、人が写らなければOKとのことなので、載せておきます。

f:id:n344sj:20200925231918j:plain
一階から中二階を臨む

隠し部屋のような小部屋も点在し、
図書館というより、大型書店の様です。
横浜伊勢佐木町の、有隣堂本店をちょっと思い出しました。

目を見張るのはその構造だけでなく、本の数も見事なもの。

一階は、児童書、文芸書などが中心。
俳句コーナーだけ見ても結構な冊数で、洋書も豊富に揃っています。

美術書コーナーは半独立した部屋になっており、これもなかなかの充実ぶり。

f:id:n344sj:20200925230614j:plain
美術・書道・工芸コーナー

階段を上ると、中二階。
社会科学、自然科学、産業、哲学などが置かれています。
厳密には中で更に二段に分かれており、1.4階と1.6階がある感じです。

そして、二階は郷土資料、参考図書なのですが、これが凄い!
本に限らず、論文や古文書のコピー、ローカル雑誌、過去の気象概況のレポートから、
行政資料、遺跡の調査報告書、新聞切り抜き、企業の社史まで、正に何でもあり。
これは県立図書館のレベルでしょう。

f:id:n344sj:20200925232356j:plain
二階の様子

当地域について調べ物をしたい時は、ここで分からないことは諦めるしかないのでは無いかと。。
視聴覚資料は少なく、郷土資料室に少し置いてあるだけの様でした。

wikipediaの情報によると、何と当館の起源は1901(明治34)年!
現在の建物は、1981年竣工。
蔵書数は約37万冊で、貴重資料だけでも約3万。
これらの数字を見ても、やはり只者ではありません。

今回の旅で訪れた図書館は、5府県に跨る計7館。
最後に大物を掘り当て、大満足で締め括ることができました。
帰路、中央道松川ICまでの沿道は、収穫を待つ林檎に彩られていました。

飯田市立中央図書館 | 飯田市立図書館

阿智村立図書館(長野県)

根羽村を出て、平谷村を通り、伊那谷と呼ばれる開けた盆地に入ってきました。
中央道も通っており、都会との繋がりを感じさせます。
ここ阿智村にも、先ほどの根羽村と同様、役場併設の図書館があるはず。

役場が目的地なら、道に迷うことも無く到着。駐車場に車を停めます。
駐車場を取り囲むように、公共施設が集積していました。

f:id:n344sj:20200924232608j:plain
左手に図書館があります

左から公民館、図書館、コミュニティセンター、村役場、教育委員会とのこと。
「星ふるさと阿智 日本一の星空と花桃といで湯の郷」との垂れ幕の文句が、この村を表しています。

中に入ると、ロビーには「令和二年の花見展」と称した写真展示がありました。
コロナの影響で花見も儘ならなかった今年の春ですが、もちろん桜は変わらず美しい花を咲かせていました。

その向かいには、立派な図書館入口。
脇には、ご自由にお持ち帰りください、の古本コーナーがありました。

f:id:n344sj:20200924234231j:plain
図書館入口

そのまま奥まで進むと、ここでもやはり目に入ったのは、長野県史。
棚をほぼ一つ占拠しています。

ここは郷土資料コーナーだったようで、県史以外の資料も充実しています。
阿智太郎なる作者のライトノベルが、ずらりと並んでいました。
名前から分かる通り、当村の出身のようです。
同じく当村出身の写真家、童画家の熊谷元一氏の著作も、多数並んでいます。
児童文学者、椋鳩十も近くの村の出身のようで、郷土資料コーナーに作品がありました。

亀淵元昭なる作家の彫刻も置かれていました。
図書館の入口や中庭に彫刻があるのは良くありますが、
室内に、本と同じ並びに置かれているのは、ちょっと珍しいかも。

私が良くチェックする、コンピュータ、語学の本はかなり寂し目でしたが、
基本的には品揃えは良いです。

漫画も、棚6つ分を占めるという豊富さ。
「ワンピース」「SLAM DUNK」などの人気作から、
鉄人28号」「サザエさん」「あしたのジョー」といった往年の名作まで。
CDは置いていないようですが、DVDはそこそこ多く、ジブリ作品がずらり。
レンタル店のように、「貸出中」の札の付いたゴムバンドが巻かれていたりします。

とりわけ目を引いたのが、児童書の充実ぶり。
都会の並の公共図書館を、軽く凌駕しています。
子供向けの雑誌、絵本、紙芝居がずらり。
特に絵本は、作家ごとに仕切り板で整理されており、数千冊はあります。
子供の多い土地柄とは考えにくいですが、
漫画、DVDの多さからも分かるように、対子供に力を入れているのは明らか。
この時は親子連れが来ており、絵本の読み聞かせが行われていました。

それにしても、なかなか立派な図書館でした。
開館したのは、5年前の平成27年のようで、まだピカピカです。
先ほどの根羽村のものと比べると、床面積、蔵書数とも軽く10倍はありそうで、
村立の図書館としては、私が今までに見た中では最大です。
阿智村の人口も6000人台と、根羽村の7倍ほどあるようです。
伊那地方最大の街、飯田からもほど近いので、越境して訪れる人もいることでしょう。

f:id:n344sj:20201122110644j:plain
役場のすぐ先には中央自動車道

阿智村立図書館利用案内 - 長野県阿智村公式ウェブサイト