図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

上野原市立図書館(山梨県)

檜原村の図書館でのまさかの入館拒否に、ちょっと傷心。
バイクのハンドルを握る手に力が入ります。
気を取り直して次に向かうのは、山梨県の上野原。
現住所の埼玉県に隣接する7都県の中で唯一、当ブログに登場していない県でしたが、
ついにその空白が埋まる時が来ました。

山梨に入るとそこは、棡原(ゆずりはら)という村。
嘗て、日本一の長寿村と言われた所。
今は上野原市の一部です。

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沿道に立つ「長寿村 譲原」の石碑

ほどなく、町に下りてきました。
檜原から来た道が、国道20号線にぶつかる手前を少し入った住宅地の中に、図書館があります。

ポップな色合いのドーム状の屋根が連なる、何ともユニークな外観。
中東にある、ハマム(公衆浴場)のよう。
まさか、そんなものを意識しているわけでは無いでしょうが。

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不思議な外観の図書館

いざ、入ろうとすると、ここにもガラス扉に何やら貼り紙が。見ると、
コロナ感染対策で、首都圏からの来館はお控えいただきますよう‥と書かれています。。。。。

まさかの、2館続けての入館拒否か。。
呆然となりつつも、容易には諦めがつかず、一応聞いてみようと中に踏み込みます。
すると、職員の方に声を掛けられ、利用証の無い人は入館票に名前を書くよう、言われます。
正直に埼玉県から来たことを伝えると、いいですよ〜と快く受け入れてもらえました。

救われました。
寛容な対応に、ただただ感謝。
もしかしたら、埼玉は首都圏と認知されていないのかもしれませんが。。

しかし考えてみれば、
東京都とは言ってもお隣の檜原村は拒否できないでしょうし、
神奈川県の大都市、相模原市とも隣接していますし、
解釈によっては、ここ上野原も首都圏に入り得るでしょうし、
明確な線引きはほぼ不可能でしょう。

インテリアもポップな館内を奥まで進むと、「古守文庫」なるコーナーがありました。
長寿村研究の医師、古守豊甫氏に因んでいるようです。
長寿健康関係資料が並んでいました。

中央には、丸屋根を支える太い柱。
柱の中にはエレベータ、その周りは階段になっており、二階に上れるようになっていました。
柱の裏側には、CDが並んでいます。

DVDは映画、アニメなどを中心に置かれていました。
映画は「市民ケーン」のような大昔の名画系、
アニメも「フランダースの犬」「母をたずねて三千里」など、古い作品が多いです。

窓の下は、文庫本の棚になっており、海外小説などが並んでいます。

階段で二階に上がると、コロナ対策で席は減らされていますが、学習席は女子中学生で賑わっていました。
文芸書、その他一般書も二階に並んでいます。
ここにも、国内推理小説などの文庫本が多数。
一階のものと合わせると、結構な数です。

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図書館前の様子

蔵書数は、約12万冊との情報がありました。
建物自体のお洒落なデザインに加え、抽象画が並べて飾られていたり、
階段の壁などにも、大きな絵手紙のようなものが貼られていたり、
館内はアート感覚に溢れています。
山間の長寿の郷で、こんなテイストの図書館に出会うとは、予想外でした。

市役所のサイト
を見ると、当図書館には「リンデン・ドーム」なる愛称が付けられているようなのですが、
どういう由来なのかは分かりませんでした。
セイヨウシナノキという木の英名がlindenだそうですが、それと上野原市との関連は不明。
気になります。。

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