県立図書館は長居する雰囲気でも無かったので、群馬県まで行くことを決意しましたが、
その途中にある、妻沼図書館にも寄ります。
聖天山で名高い妻沼町は、群馬県の一歩手前。2005年に熊谷市と合併しました。
熊谷の市街地から田園地帯を10㎞弱走り、
妻沼の中心街に入ったら東に折れ、しばらく進むと、突然白い電車が。
この裏手に図書館がありました。
熊谷では不愛想な外観の図書館を見てきましたが、ここは二階の窓にステンドグラスが入っていたりして、
デザイン性があります。
中に入ると、中央は吹き抜けになっており、開放的。
ちょっと大きめの、高原のペンションのようです。
ただし二階はホールなどがあるだけで、図書が置いてあるのは一階だけのようです。
節電のためか、照明が暗いのがちょっと気になります。本を読んでいるお年寄りは、読書灯を使っていました。
入口脇には、「めぬま資料コーナー」があり、
日本初の女医とされる、荻野吟子の関連本が並んでいました。
つい最近、彼女をモデルにした渡辺淳一の「花埋み」を読んで感銘を受けたばかりなのに、
ここが所縁の地であることはすっかり忘れていました。来て良かった。。
他には、郷土出身の作家として、森村誠一、青山七恵の本が並んでいます。
森村氏は熊谷図書館に続いてここでもフィーチャーされているとは。熊谷の英雄的存在なのでしょうか。
芥川賞作家の青山さんは妻沼の出身だそうです。
よく見ると、カウンターの上の壁にも、荻野吟子の出身地であることの紹介が大きく書かれていました。
蔵書数は視聴覚資料も含め約10万点とのこと。熊谷図書館の半分強です。
文庫本の棚を見ると、ヤングアダルト向け、ライトノベルの比率が妙に高い。。
子供の本のコーナーも広く、漫画の品揃えも充実。
高齢化の進んでいそうな田舎町の図書館ですが、子供や若者向けに力を入れている印象です。
ここは埼玉の北の果て、10分も歩けば利根川で、それを越えれば群馬県。
群馬県の太田市、千代田町、大泉町の人も、貸し出しができるようです。
さて、同じ敷地の西側には、妻沼展示館というものが建っています。
右側の部屋に入るとまず目を引くのは、聖天山の絵馬の展示。
絵馬と言っても合格祈願で神社に収めるようなものではなく、メートル級の大きな物ばかり。
これは見応えがあります。
1983年まで走っていたという東武熊谷線、通称妻沼線についての展示もありました。
外にあった電車(厳密にはディーゼル車)の正体は、これでした。
荻野吟子についても、新たな書簡発見を伝える新聞や、
三田佳子が彼女を演じた舞台のポスターなどが展示されていました。
大きなホールでは、地元の小学生の書道や絵画が展示されていました。
自分の子の作品でも無い限りは、あまり興味を惹くものでもないので、さらっと眺めてから
ここを去りました。
妻沼と言えば、何と言っても聖天山。
図書館から車で数分の近さなので、お参りしておきます。
中でも、日光東照宮に並び称される歓喜院は、埼玉県の建築では唯一、国宝に指定されています。
境内は自由には入れるのですが、歓喜院を間近で見るには入場料700円がかかります。
どうしようか迷いましたが、閉館時間の4時まで15分ほどしか無かったので、
外からチラ見するだけで今日は去ることにしました。
ここは7年ほど前に一度来たことがあるのですが、その時も入場料をケチって中に入らずに帰った記憶が。。
今度来る時こそ、じっくり鑑賞したいと思います。
さて、いよいよ利根川を越えて群馬へ!(更に更に更に続く)