図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

群馬県立図書館(群馬県 前橋市)

大胡町の旅館で一泊、前橋の街に下りてきました。

県都前橋には、県立図書館があります。
前橋駅の北1㎞ほど、文化ホール(ベイシアホール)、商工会議所などのある一角。

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周辺の様子
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図書館正面

入口に「警戒度4 外出自粛要請中」と大きく掲示されています。
滞在も30分以内に、とのこと。
緊迫感が漂います。

コロナ対策で動線を分けるため、正面玄関は入口専用になっていました。
西口が出口専用になっています。

一見して、館内はさほど広くはありません。
本の数も特別多くは無く、ちょっと大きめの市立図書館、といったレベルです。
外国語の書籍コーナーもありましたが、高々千冊くらい。ほぼ英語の本です。

昨日の大胡分館にあった「みやま文庫」がここにもありました。
ローカルな文庫は各地にあれど、公共が関与しているのは珍しいそうで、
ここの四階に事務局があるとのこと。

本の数には驚きはありませんでしたが、CDの数は圧巻。
数万枚はありそう。
お隣のDVDは、数はそれほどでもありませんが、品揃えはかなり個性的。
「群馬に生きる」「上州再発見」「探訪・ふれあい群馬」「ふるさと群馬」など、
県外ではまず見ないローカルなものがずらりと並んでいます。

新聞、雑誌室は閉鎖されていました。
数百誌は置けそうな雑誌棚も、空っぽにされており、寂しい有様。

郷土資料は二階にあるようです。
エレベーターの所に、節電のためなるべく階段をご利用ください、と書かれているので、階段で上がります。
郷土資料は、さすが県立図書館、と唸らされます。
報告書、白書、年報の類が大量に集められている本棚の中、
なぜか、少年サンデーが一冊。
何かと思ったら、「ザスパ草津物語」が掲載された号でした。

「群馬の文学」と題した棚には、
群馬出身の門井慶喜樋口有介絲山秋子、今夏に嬬恋村出身と知った南木佳士
などの本が並んでいます。
絲山さんはプロフィールを見ると東京出身ですが、現在高崎在住という縁のようです。
私の敬愛する、横山秀夫先生の本ももちろん揃っていました。
横山氏も東京出身ですが、上毛新聞記者時代の経験を元に描いた「クライマーズ・ハイ」、
群馬が舞台と思われるD県警シリーズなどを記し、長らく群馬在住。
完全に群馬のイメージが染みついた、ご当地作家と言って良いでしょう。

奥の方には、郷土カルタが大量に並んでいました。
小学校、地域などで作成しているもののようです。
群馬には上州カルタなるものがあるのはテレビで知っていましたが、
オリジナルのカルタを作る文化が根付いているのでしょうか。

更に上に行く階段は鎖が架かっていて、みやま文庫に行く際はエレベーターをご利用ください、とのこと。
結局はエレベーターを使わざるを得ないようです。。

しかし四階に着くと、、
みやま文庫の扉は閉まっていました。
開いているのは平日のみだったようで。
飲食スペースもあるようですが、これもコロナ対策で当然閉鎖。

三階はホール、展示コーナー、研修室などですが、
こちらもコロナ対策で完全に閉鎖されていました。

12〜13時は換気、消毒のため閉館しているとのこと。
正午が近づくに連れ、退館を促すアナウンスが繰り返し流れてきました。
入館したのが11時半頃だったので、滞在期限の30分も迫り、ちょうど良いタイミングでした。

蔵書数は、2007年の情報で約72万点とのこと。
開架の本はそこまでとは見えないので、閉架が多いのでしょう。
設立は1953年、現在の地になったのは1978年とのことです。

その後は、「水と緑と詩のまち」を謳う前橋市を散策。
市内中心部を流れる広瀬川には遊歩道が整備され、
川沿いには文学館や萩原朔太郎記念館もあります。
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バイクで町の西側、利根川近くにある前橋公園に移動。
ここには見事な日本庭園があります。
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庭園を見下ろす臨江閣は、コロナ対策で休館中。
ちなみに近くのレトロな遊園地、「るなぱあく」も臨時休園中。

群馬県の形をしているという幸の池を横目に、県庁へ。

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幸の池

歴史ある昭和庁舎の傍に建つ新庁舎は、県下一の高層ビル。
都庁を除けば、県庁舎としては日本一の高さだそうです。
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32階には、無料の展望室があります。
ここからの眺めは素晴らしい!
東京では珍しくもない高さですが、ここの周りには高い建物が他に無いので、
360度、視界を遮るものがありません。

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赤城山方面の眺め

26階には、群馬県ジオラマ模型。
これを見ると、群馬県のほとんどが山地であることが分かります。

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約20年前に作られたジオラマ

先ほどの池と言い、ジオラマと言い、群馬県民の郷土愛、とりわけ県の形への愛を感じました。

群馬県立図書館ポータル