この日、11月14日は、埼玉県民の日。
県内の色んな施設が割引になったり、無料になったりします。
東武、西武など私鉄各社も、県内限定のお得な一日乗車券を発売。
そこで、西武鉄道の一日券を買って、はるばる秩父に行くことにしました。
本川越から西武秩父まで、単純往復しても1440円。それが480円の切符で済み、途中下車もし放題。
かなりお得です。
各駅停車でのんびり2時間かけて、西武秩父に到着。
まず寄ったのは、慈眼寺。
目にご利益のあるお寺のようです。
古い町並み、というほどでは無いですが、
随所にレトロな家屋が残っていて、味わいがあります。
続いて訪れたのは、秩父図書館。西武の駅からは、西に半kmほどの所です。
秩父に来たのは、素通りしただけの時も含めると、今年だけで4回目。
通算だと20回は来ていますが、この図書館に来たのは初めて。
歴史ある秩父地方の中心都市だけに、なかなか大きな施設です。
中に入ると、広々と開放的。
円形にソファが並ぶ新聞コーナーの上は、吹き抜けになっています。
それなりの数が揃ったCD、DVDの先は、郷土資料。
本棚の上には、巨大な「秩父夜祭」の写真集が置かれていました。
出版社が書いていないので、個人製作でしょうか。
小鹿野町と合併した両神村が刊行した「りょうかみ双書」なるシリーズもありました。
雑誌は200誌ほども置かれています。
官庁系の地味な雑誌も多く、県立図書館のような品揃え。
今年は埼玉県誕生150周年だそうで、カウンター前には特集コーナーがありました。
埼玉県民の日にそれを知るとは、因果なこと。
埼玉の昔話、埼玉県が舞台の小説、埼玉県を歩く、などのテーマごとに本が置かれていました。
文庫本も豊富です。岩波のワイド版文庫なる本も混ざっています。
新書は、文庫以上に豊富でした。
二階は、読書室、参考資料、郷土資料。
ロビーには巨大な屏風絵が飾られていました。
郷土資料は見当たらず、辞書、図鑑、新聞縮刷版などの参考資料が並んでいます。
「徳川禁令考」「江戸町触集成」「幕末御触書集成」「百姓一揆史料集成」「山岳宗教史研究叢書」
「式内社調査報告」など、渋い資料が揃っています。
郷土資料は一階にもあったので、あちらに移動したのかと思っていたら、、
灯りの消えた郷土資料室が別に存在していることに気付きました。
ドアを開けてみようとすると、職員の方が灯りを点けてくださいました。
鞄類は入口前の棚に置いて、入室。
行政資料、統計、調査報告、県内市町村史、議会議事録といった資料が大量に置かれています。
市内小中学校の卒業文集までありました。
「秩父事件史料」補巻含め六巻、「秩父事件史料集成」六巻など、
GWに学んだ秩父事件についての資料も豊富。
膨大な量の古文書の複写、「松本家文書」「忍藩秩父領割役御公用日記」もありました。
松本家が何者なのか分かりませんでしたが、どうやら松本家=忍藩秩父領割役ということのよう。
県の偉人として、渋沢栄一、荻野吟子、塙保己一、坂戸の図書館で知った大川平三郎などの本もありました。
蔵書数は一般書18.3万、児童書7.6万、郷土資料2.1万の計28万冊。
現在の施設は1986年の開館ですが、ルーツは大正時代で、
戦後の一時期は県立図書館の分館になったこともあるそう。
創業は江戸時代中期(!)という、これまたレトロな矢尾百貨店を覗いたりしながら、
15分ほど歩いて、紅葉も美しい秩父神社へ。
本殿の前には、参拝客が長い行列を作っていました。
すぐ隣の秩父まつり会館は、県民の日で入館無料になっていました。
毎年12月3日に行われるという夜祭は、平日になることが多いので、
一度見てみたいと思いつつ、まだ見たことがありません。
あいにくコロナの影響で、今年は去年に続いて大幅縮小とのこと。
まつり会館の展示を見て、思いを馳せるしかありません。
埼玉県民になって四半世紀、秩父には何度となく来ましたが、電車で来たのは今回が初めて。
駅周辺の散策のみでしたが、町でのんびりと一日を過ごし、うたた寝しながら帰れる電車の旅も良いものでした。