図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

甲賀市水口図書館(滋賀県)

信楽図書館を後にし、
次に目指すのは同じ市内の水口図書館。
この日の本命は、実はここ。
GoogleMapでこの辺りの図書館を検索すると、
「旧水口図書館」「水口図書館」と2つ出てくるのが気になったためです。

信楽を過ぎると、沿道にタヌキの置物は見られなくなりますが、
代わりに目に入ってくるのは、飛び出し坊や
滋賀県八日市市(現東近江市)が発祥とのことで、まさに本場です。

滋賀県では、本物の子供より多いのではないかと思うほど、
どこもかしこも飛び出し坊やで溢れています。

f:id:n344sj:20200325002641j:plain
飛び出し坊や。その裏は。。?


まず、「旧」の方に行くことにしました。

例によって開館時間をきちんと調べていなかったのですが、
直前になってスマホで調べると、開いているのは第二・第四日曜日の10時~16時だけ、とのこと。
この日は偶然にも第四日曜日!
しかし、、時間は既に16時を過ぎている。。
今から行っても、着くのはせいぜい16時半ですが、
何かの間違いで開いているかも、と一縷の望みに賭けて向かいます。

カーナビを頼りに狭い道を曲がっていくと、、ありました。
現役の小学校の校門脇にある、とても小さな建物です。

f:id:n344sj:20200324234154j:plain
旧水口図書館

やはり、閉まっていました。。。
しかし入口をよく見ると、新型コロナ対策のため臨時休館中、との貼紙が。
どっちみち入れないのですが、コロナじゃあしょうがない、と少し悔しさも和らぎました。

この旧館、近江八幡などに多くの作品を残している建築家、ヴォーリズの設計で、
1928~1970年まで、図書館として使われたとのこと。
しかし見るからに小さいので、手狭になり移転したのでしょう。

この旧館の辺りは、東海道の水口宿があった所。
宿場町の街並み、とは言い難いですが、
どことなくその風情は残っています。
f:id:n344sj:20201220084531j:plain
さて、気を取り直して現役の図書館に向かいます。
車で数分走ると、時刻は午後5時前、現役の方の図書館に到着しました。

f:id:n344sj:20200325003052j:plain
現在の水口図書館

真新しい甲賀市役所のそばです。
今時、立派な市庁舎を新設するとは、さぞ財政状況が良いのでしょう。

入口に入ると、水口宿の巨大な鳥瞰図がお出迎え。
図書館は左手ですが、右手には資料館の扉があります。

歴史民族資料館が5時まで、との表示を見て
慌てて駆け込もうとしますが、ここもコロナ対策で閉鎖中。。

その隣には、巌谷一六小波記念室というものがあり、
そちらは開いていました。

どちらも全く知らない名前でしたが、
一六は書家、小波は児童文学者、口演童話家とのこと。
小さな部屋に彼らの作品が展示されていました。

いざ、図書館の方に入ります。
外から見ると大きく見えましたが、館内は広いとは言えません。
床面積は信楽図書館の半分以下でしょうか。

見回っていても、あまり特徴的なものは見つけられませんでしたが、
奥の方に「でんしゃ文庫」なる本棚がありました。

掲示されている新聞記事によると、
地元の45歳の医師の方が寄贈した、鉄道関係の本321冊が元になっているそうです。
文庫本サイズにカラー写真がたっぷりの、保育社のカラーブックスが揃っていました。
これは懐かしい。。

室内の螺旋階段で二階に上がると、学習室。
ここにも本が置かれています。

同じ本が10冊近くずつ並んでいる、妙な本棚が。
何かの読書会で使用された本のようです。
「窓際のトットちゃん」「五体不満足」などの大ベストセラーに、
古いものでは「破戒」「細雪」などの名作、
新し目のものでは「みかづき」「民王」「坂の途中の家」などが、
それぞれずらりと並べられている様は、大型書店でもなかなか見られない光景で、ある意味壮観です。

忍者の里、甲賀市なので、忍者の本特集があるかと思ったのですが、見当たりません。
別の場所に「甲賀図書館」があるようなので、こちらに行けばあるかも、と誘惑に駆られましたが、
着いたと同時に閉館(6時)になってしまいそうな時刻だったので、断念。

外に出て、来る途中に見かけた水口神社にお参り。
徒歩数分の所にあります。
f:id:n344sj:20201220084935j:plain
再び歩いていると、どこからともなく踏切の警報音が聞こえてきます。
実は図書館の目の前には、近江鉄道水口城南駅があるのでした。
1時間に上下各1本ほど電車が来るだけのローカル線なので、
周囲には全く駅前という雰囲気は無いのですが。

駅名からも想像される通り、
駅の向こう側には水口城跡があります。
近そうなので、歩いて行ってみました。

堀に囲まれて本丸が建っています。
時間も時間なので、どうせ開いていないだろうと思いつつも
堀に架かる橋を渡っていくと案の定、閉まっていましたが、
ここにもコロナ対策のため臨時閉館中、との貼紙が。。

f:id:n344sj:20200325003309j:plain
蕾膨らむ、水口城跡の桜

東京は既に桜が満開と聞きますが、
ここのお堀の桜は、一輪も咲いてはいませんでした。
でも蕾は薄桃色に膨らんできており、春はもう目の前です。

f:id:n344sj:20200325002923j:plain
坊やの裏は、女の子でした。飛び出しお嬢?

水口図書館 | 甲賀市図書館