図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

さいたま市立大宮図書館(埼玉県)

大宮で本屋、電器屋などを覗いてから、次の目的地、大宮図書館にバイクで向かいます。
以前は氷川神社からほど近い、その参道沿いに佇む古びた図書館だったのですが、いつの間にか、
駅の南、大宮駅とさいたま新都心駅の中間辺りに移転していました。
移転後は初訪問。

西口から東口へ。
新幹線、埼京線東北線などを束ねたJRのガードを潜ると、
やがて、真新しい大宮区役所が見えてきました。この中にあるようです。
バイク置き場も充分ありました。
横には子供たちで溢れる公園。SL(C12)が展示されていました。

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C12

その奥には、緑地が見えます。行ってみると、氷川神社の参道でした。
旧大宮図書館の位置からは1kmほど、神社からは1.5㎞ほども南ですが、まだ続いている参道。ここから南に、更に続いています。
いつかは完全踏破してみたいものです。

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氷川神社参道

さて、中に入ってみると、大宮夏祭りのパネル展示をしている部屋がありました。
今年はコロナで中止になってしまったので、その代わりの企画のようです。何とも寂しい話。

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大宮夏祭りの展示

図書館は二階と三階。エスカレータで二階に上ります。
天井は三階まで吹き抜けていて、窓も大きく、明るく広々。
ここも滞在時間は90分まで、との掲示がありました。

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図書館入口

二階は児童書。
カウンターの前には予約資料室がありました。
予約した本を、自分で手に取って貸出手続きできるようです。
東京都ではよく見かけましたが、埼玉県で見たのは初めて。さすが最新鋭の図書館。

二階から三階へ上る階段の脇には、ステップリビングと呼ばれる、
ミーティングスペースが3つほどあります。
あいにくコロナ対策で封鎖されていましたが、眺めも良くて居心地の良さそうな空間です。

三階に上っても、天井は高く、広々。
本の数は、かなりのもの。
さいたま市の中では、本が多くて眺めも最高の、浦和駅前の中央図書館が私のお気に入りなのですが、
それと双璧を成しうる存在がここに誕生したと言えそうです。
さいたま市発足前から続く、浦和と大宮のライバル関係が成せる技でしょうか。

充実した文芸書コーナーを抜けると、その奥は学習支援室。
コロナ対策で2/3の席は使用禁止になっており、残る椅子は勉強する学生で占拠されていました。
窓際にもずらりと学習席が並んでいますが、これも椅子が約半分に減らされており、やはり学生が占拠。
浦和の教育熱心な土地柄はよく知られていますが、大宮の子も負けじと勉強熱心なようで。

雑誌は豊富で、実に300種類ほどあります。
剣道、卓球、ダイビング、バードウォッチングなど各種スポーツ、レジャーの雑誌が揃い、
俳句、短歌、囲碁、将棋、盆栽などは1誌だけでなく2、3誌が置かれています。
「旅と鉄道」「Software Design」「聴く中国語」「通訳翻訳マガジン」など、
あまり他所では見かけない私好みの雑誌も。
何と、「ラズパイマガジン」までありました。

新聞も4、50種ありました。
琉球新報」「京都新聞」「河北新報」「北海道新聞」などの地方紙から、
中国語、ハングルの新聞まで。
英字紙は、「THE WALL STREET JOURNAL」(!)など数紙。
神社新報」なる、見たことの無い新聞もありました。
さすが、氷川神社参道に建っているだけのことはあります。

本や雑誌に比べて、視聴覚資料は少なめです。
DVDは特に少なく、映画は十数本しか置かれていません。

椅子の減らされた机に混じって、椅子の全く無い机もあります。
一度手に取った本はこちらにお返し下さい、と書かれていましたが、あまり使われてはいませんでした。

三階のリファレンスカウンターの前には、
開館一周年記念展示として、「与謝野晶子と大西民子」展をしていました。
与謝野晶子は特に当地と関係ありませんが、その影響を受けた歌人大西民子は大宮育ち。
二人の直筆原稿などが展示されていました。
この図書館がこの地に移転して1年であることも、ここで判明。

二階の壁には、「鉄道のまち大宮」「サッカーのまち大宮」の垂れ幕が。

大宮アルディージャのコーナーもありました。
グッズ、関連の本、雑誌に、誰のか分からないサインが置かれています。
J1からJ2に落ちそうで落ちない、と受験生のお守りにさえなっていたアルディージャですが、
ここ数年はJ2に居着いてしまっているようで、浦和レッズとは若干の差を付けられています。
巻き返しを期待したいところでしょう。

鉄道のまち、というイメージはあまり無かったですが、鉄道博物館もあるし、
新幹線、高崎線東北線川越線埼京線東武野田線ニューシャトル、と多種多様な路線が乗り入れる
大宮駅は、国内有数、と言うことは即ち世界でも有数の巨大ターミナル。
多くの人は忘れていることでしょうが、嘗ては東北新幹線の始発駅でもありました。
鉄道の本も多いかと思い見てみると、「機械」のコーナーに少々。
ちょっと寂しいなと思って更に探すと、「産業」のコーナーには結構置いてありました。

コンピュータ関係は、専門的な本もそこそこ揃っています。
人工知能」のパーティションがあり、そこだけで4、50冊もの本が置いてあるのは驚き。
他にもIoTの本が大量にあったり、ブロックチェーン、ARなどの本もあったり、流行をキャッチしています。

予約資料室裏の目立たない所に、リサイクル本コーナーがあるのも発見。
800頁近くの西尾幹二「国民の歴史」をもらって帰ろうか迷いましたが、重すぎるので断念。

失礼ながら、先ほどの桜木図書館とは桁違いの充実ぶりに、
気が付けば滞在期限の90分近くが経っていました。

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真新しい区役所、図書館

区役所と同じ建物なので、コンビニやカフェもあります。
大宮駅からは遠いようで、実は歩いても10分ほど。
こんな時期で無ければもっと長居したくなる、大宮の新名所の誕生です。

各館案内 - さいたま市図書館

さいたま市内の一図書館なのに、専用サイトもありました。
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