図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

旭市図書館(千葉県)

県立東部図書館から僅か1kmほど。JR旭駅のすぐ傍に、市立図書館があります。

いざ着くと、駅前とは思えない閑散とした雰囲気。
歩く人の姿は無く、賑わいはまるでありません。
そんな感じなので、駐車場も無料でした。

旭市図書館」の下に「旭市公民館」と記された建物は、かなり古びています。

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年季の入った建物

入館時には、コロナ対策で、入館票に名前、連絡先を記入。
今回の旅で訪ねた5館(千葉県:4、茨城県:1)では、全てこれがありました。
そう言えば、6月に訪れた茨城県の他の図書館でもやっていたような。
千葉、茨城では、県の方針として入館者管理をすることが決まっているのでしょうか。

館内は、壁で幾つかの小さな部屋に仕切られています。
別の目的で作られた建物を無理やり図書館にしたのかな、という感じもします。

県立図書館には無かった、
児童書、文庫本、新書、ノベルズ等がたっぷり置かれています。
相互補完的な役割を果たしているのでしょう。

一角に、ちばてつやコーナーがありました。
イラスト入り色紙も飾ってあります。
日本漫画家協会理事長も務めたという大御所、ちば氏は、満洲から引き揚げた後、短い間ながら旧飯岡町(現旭市)で子供時代を過ごしたそうです。
前の記事で紹介した、海岸に石像が立つ理由はこれでした。
あしたのジョー」「あした天気になあれ」の代表作は勿論置かれています。
「ユカをよぶ海」は、ここでの少年時代をモチーフにした作品のようです。主人公は女の子ですが。
もしかして、ペンネームも千葉県にあやかっているのかと思いましたが、本名が千葉徹彌さんでした。

面白いことに、可動式書庫が閲覧室内に堂々と置かれていました。
書庫は普通、職員しか入れないものですが、これは珍しい。
と言っても利用者が勝手に動かして良いものとも思えませんが、
触っては駄目、とも書いていませんでした。
そもそも動かし方が分からないので、やめておきましたが。

東日本大震災津波被災地である旭市なので、
震災に関する資料があるかと思っていたのですが、
特にそういうコーナーは見当たりませんでした。

二階は会議室などで、本が置いているのは一階だけでした。
蔵書数は約10万冊。
いつ開設されたのかは分かりませんでしたが、歴史ありそうな市立図書館にしてはやや寂しめの数でしようか。

ちなみに、旭市は住所表記がユニークで、ここの住所は「旭市ロ」。
先ほどの県立図書館の所在地は「ハ」でした。

ここもあまり長居できる空気では無いので、外に出ました。
駅の周りなら昼食処があるかなと思ってここに来た、というのもあるので、歩き回ってみたのですが、全く見当たりません。
商店街は広がっているものの、飲食店に限らずお店はほとんど閉まっており、まるでゴーストタウン。
猛暑の影響も、お盆休みというのもあるでしょうが、それを差し引いても、日頃の賑わいを想像するのは困難な光景。

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旭の寂しい街並み

結局車を出し、前夜を過ごした道の駅 季楽里あさひで食べることにしました。
ちなみにこの道の駅の住所は「イ」。
図らずも、「イ」「ロ」「ハ」を制覇しました。

今回の旅における図書館訪問は、ここが最後となりました。
最初は、伊能忠敬が商人として成功した町、佐原に行くつもりだったのですが、時間の都合で断念。
その代わり、旅の最後に伊能忠敬出生の地を発見。
場所は九十九里町ですが、九十九里浜からは3㎞ほども内陸の所にあります。今は公園になっていました。

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伊能忠敬出生の地

旭市図書館