図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

千葉県立東部図書館(千葉県 旭市)

銚子市街から犬吠埼屏風ヶ浦を回って、今朝発った旭市に戻ってきました。
まずは飯岡刑部岬展望館から、街を一望。
ここは、映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の舞台にもなったとのこと。

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旭の街を一望

海岸沿いのホテルの一角には、旭市防災資料館がありました。
地形の関係で、千葉県における東日本大震災津波被害は、ここ旭市の飯岡地区に集中したそうです。
この震災の被災地と言えば、東北地方とばかり思われていそうですが、
千葉県や茨城県も深刻な津波被害に遭っていることは、覚えておくべきでしょう。

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津波の襲来時刻で止まった時計

資料館の向かいの海岸には、かなりデフォルメされていますが、
漫画「あしたのジョー」の主人公とそのライバル、矢吹丈力石徹の石像が建っています。
その理由は、次の記事「旭市図書館」編にて紹介します。

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なぜか海岸に、ジョーと力石

ここ旭市には、県立図書館があります。
千葉県立の図書館は、中央、東部、西部の3館があるそうで、その東部図書館がここに。

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街の中心からはやや外れており、
周辺には、公園、運動場、文化会館等の公共施設が集まっています。
広大な駐車場は、利用率かなり低めでした。

入ると、まず非接触体温計で検温を受けました。
そして入館票に名前と連絡先を記入。

県立だけに、中は広々。
半アーチ状の屋根が、奥のカウンターから窓側に向けて、架けられています。

カウンター側は天井が高く、上の壁には、金属板で作られたレリーフが10枚、飾られていました。
それぞれ、読書にまつわる格言を絵で表しているようです。
写真撮影はOKをもらえたのですが、ネットで公開して良いとはこちらでは言えない、
との微妙な回答だったので、写真掲載は控えておきます。

入口傍には、「世界の旅を読む」の特設コーナーが設けられていました。
コロナ禍で海外旅行のままならない昨今、こういう特集をしている図書館をよく見かけるようになりました。

まだ新しそうな施設で、置かれている本も新しめのものが多いです。
一見、普通の市町村立の図書館と変わらない雰囲気。
しかし、見回っていると随所に県立らしさが垣間見えてきました。

まず、雑誌が300種ほどと豊富。
学術、産業など地味めのものが多いところが、いかにも県立っぽいです。
近くには、学校教科書も並べられていました。

交流ラウンジなる小部屋もあり、東部地域の自治体の広報誌などが置かれていました。

郷土資料も豊富。この地域を舞台にした小説が多数置かれています。

洋書も数は充実していますが、
英語、朝鮮語、中国語が4:3:2で、他の言語は見当たりません。

視聴覚資料は、それほど多くはありません。
映画、ポピュラー音楽も置いていますが、やや渋めの品揃え。
館内利用のみで、貸出しは不可とのことでした。
コロナ禍の今は、視聴席を使用禁止にしている所も多いのですが、
ここは一応、使用可能になっているようでした。しかし、この時は利用している人はいませんでした。

文庫本は基本的には無し。古典や学術文庫などが、一部単行本に混ざって置かれていました。
児童書は扱っておらず、近くの旭市図書館をご利用ください、との案内がありました。
漫画本も見当たりません。

1998年開館というこの図書館、蔵書数は約27万冊。
千葉県立図書館の3館は、
中央は県資料や児童書、西部は自然科学、工学、ここ東部は文学、歴史と、重点分野を住み分けているようです。
この手法は、埼玉県と似ています。
しかし、どうやらこの3館を中央図書館1つに統合しようという計画があるそうで、
となるとここは、初訪問にして見納め、ということになりそう。
まだまだ潰すには惜しい施設なので、
統合後には、旭市の図書館がこちらに移るのではないかと、勝手に推測しています。

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駐車場側から見た、全体像

JR旭駅の近くにある、現在の旭市図書館へは、徒歩10分強と思われます。
昼食の場所を探すのも兼ねて、歩いて行ってみようかとも思いましたが、
照りつける強い陽射しの下、ぐんぐん気温も上がってきた午後2時。やはり車を出すことにしました。

千葉県立東部図書館の利用案内 | 千葉県立図書館