図書と旅

旅行と読書が趣味。旅行先で訪ねた図書館の紹介などを綴っていきます。

新城図書館 ふるさと情報館(愛知県 新城市)

奈良の実家を後に、自宅の埼玉へ。
この日は途中の、愛知県新城市の温泉に泊まります。
新東名、東名を通る時、無意識に通過している街ですが、訪れるのは初めて。
となれば、図書館にも寄っておかなくては。

カーナビを頼りに辿り着いたそこは、
緑に囲まれて、目の前には野外円形劇場らしきスペース。
市役所のすぐ傍、街の中心近くのはずですが、
まるで山の中のキャンプ場に来たかのような空気です。
雨も降り始めた連休最終日の夕暮れ時で、ほとんど人気が無かった、ということもありますが。

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緑に囲まれ、静かに佇む図書館

館内に入ると、いきなり正面に、認知症の本のコーナー。
9月は世界アルツハイマー月間、とのことでした。

その裏には、「図書館のおすすめ小説」のコーナーがありました。
その横には二階に上る階段がありますが、コロナ対策で封鎖。
二階には郷土資料室があるようですが、郷土資料を借りたい方はご相談ください、とのことでした。

外が暗くなり、広いガラス窓は完全に鏡と化していました。
お陰で、館内が実際以上に広く見えました。

中に入っていくと、「朝ドラを読もう」のコーナーが。
現在放送中の「エール」の主人公のモデル、古関裕而の妻の父が、ここ新城出身と判明したとのこと。。

その隣には「藤井二冠の本」のコーナー。
藤井聡太氏の出身地、瀬戸は50㎞ほども離れていますが、それでも同じ県内。地元のヒーローなのでしょう。

この図書館、特設コーナーを作るのが好きなようで、他にも
敬老の日に読みたい本」「コロナの時代を生きる」などが設けられていました。

「動物を愛する作家、岡野薫子」さんのコーナーもありました。
これは常設の様です。
当地出身というわけではないのですが、ここ新城の自然を気に入って何度も訪問している内に、
固い絆で結ばれたようです。

耳元にスピーカーが内蔵された、CD用のリスニングチェアが二脚置かれていましたが、
木の棒を乗せて、使用禁止にされていました。
館内視聴専用なのか、CD自体も利用禁止に。
新型コロナ蔓延のこのご時世でなければ、是非体験してみたいところでしたが。。

一番奥は閲覧席ですが、テープが張られ進入不可。本や新聞置き場と化していました。
返却本は消毒後、一定期間放置するという徹底したコロナ対策を行っているようで、
ここに置かれている本は、その放置処理中のもののようです。

滞在時間も一時間までに制限されており、
そろそろ退館を、とスタッフに促されている人がいました。
時間制限を設けている所は多いですが、実際声を掛けられている人を見たのは初めて。
よほど長居していたのだと思いますが。
しかしこの時はほとんど利用者がいなかったので、感染リスクも極めて低いと思われ、
ちょっと気の毒でもありました。

ちなみにこの図書館、開館時間は午後8時まで、とかなり長いです。
午後6時の時点でほとんど人がいなかったので、その後は一体どんな感じになるのでしょうか。

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図書館横にあった観光マップ。緑の豊富さがわかります。

当地における開館は、1987年とのこと。
新しく見えましたが、そこそこの歴史があります。
蔵書数は、一般書、児童書含め約17万冊。
ふるさと情報館、という副名が付いているのですが、
あまりそのような機能に力を入れている様子はありませんでした。
閉鎖されていた郷土資料室が、その役割を担っていたのかもしれませんが。

短い滞在時間の間に、すっかり日が暮れてしまいました。
急いで、この日の目的地、湯谷温泉を目指します。
東京〜大阪間は様々な交通手段で幾度となく行き来しており、途中の観光地は大体行き尽くしたつもりだったのですが、
ここは初めて。
正直、最近まで存在も知りませんでしたが、日本百名湯にも数えられており、なかなか良いお湯でした。

翌朝、宿の周辺を散歩すると、
前夜の雨の影響もあってか、大迫力の宇連川の流れが、見事な景観を作っていました。

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湯谷温泉

ひなびた温泉街の真ん中には飯田線の駅もあり、電車で来るにも便利。
飯田線自体の利便性はともかくとして。。
もっと評価されて良い温泉地だと思いました。

車で30分ほどの所にある「四谷の千枚田」も、素晴らしい。
緑溢れる新城を実感しました。

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四谷の千枚田

新城図書館 ふるさと情報館